最悪な世の中での誕生
こんにちわ~!ヨーグルトです!まだまだ義務教育中!たまに訳分からなくなって更新止まるかも!気楽に読んでね!明るい系だから!人間たちは平和に暮らしてます!
(ここはどこだろう…あたし、何してたんだっけ…?)
ドクドクと脈打つ何かを感じながら、1人の幼はその時が来るのを待っていた。どれくらい待っただろう、どれほどこの状態が続くのだろうと考えているとゆっくりと光が差し込んできた。その光は鋭く、まるでお前の番だ、と言うように冷たい光。しばらくするとその光はどんどん強まって、遂には視界全体を被ってしまった。
(目が痛い、肌がヒリヒリする。呼吸が苦しい、初めての感覚。)
段々視界が戻ってきて見えたのは、まるで汚れ物を触るかのように嫌な顔をしたニンゲン。あたしは冷たいゴム手袋を付けた手に掴まれ、なにかドロリとしたナニカの上に放り投げられた。あたしは唖然として次の作業に取り掛かるニンゲンを見つめてから、自分が踏んでしまっているドロリとしたナニカを見つめた。真っ赤で、触ってみるとたまに塊がある、なんだろう。
するとニンゲンが大きな私と同じような形をしたナニカを持ち上げてから放り投げた。ナニカはごろんっと転がり、あたしの手に当たった、あたしは恐る恐るそれを持ち上げた、そこで気づいた、頭だ。あたしはあまりの恐怖に頭を投げた、ごろんっと転がって頭はやがて誰かに当たった、その誰かは小さく「ひっ…」と鳴いた。あたしは恐る恐る近づいた
「…生きてる…?」
するとその子は怯えながらも顔を上げて
「…あなた…だぁれ?…」
と聞いてきた。短くて白い髪の毛に、薄い緑の瞳。頭からはなにかが生えていて、背中から少し折れてドロリとしたナニカに塗れた羽。
あたしは答えようとした
「あたしは…」
分からなかった、自分の名前が、何もかも、ここがどこなのかも。
「……」
結構黙った。するとその子はまた怯えだした
「っ!大丈夫!あたしは悪いやつじゃないよ!」
するとその子は震えた声で
「本当…?」
「本当だよ!!今は何が何だか分からないけれど…」
その子が表情を緩めたのも一瞬。ニンゲンがあたし達を持ち上げて冷たい檻に無理やり押し込んだ。
「痛っ…」
すると檻が動き出し、周りの景色が変わっていく。ニンゲンがたまにこちらを見ては嫌そうな顔をして去っていく。しばらくするとあたしとその子は引っ張られてなにかの台に縛り付けられた。するとニンゲンは私たちの背中を真剣に観察し始めた。メモを取り、少し話てからまたメモを取る。
「こっちの白いヤツはダメだ、羽が折れてる。」
「こっちのも無理だな。勿体ねぇがこいつら2匹とも裏軍行きだな。」
しばらくしてあの子は背中に熱い何かを押し当てられ、あたしにも押し当てられた。
「痛いっ!!離してっ!」
「活きがいいなぁ、ま、いつまで持つかだけどな」
その後はあたしもあの子も同じ檻に入れられた。檻の中にはさっきとは違い、他の子達も居た、みんな暗い顔をしていた。檻が揺れた、移動が始まったらしい。
(どこに連れてかれるのかな…)
しばらく揺られた後、動きが止まった。するとニンゲンがナニカを檻の中に投げ入れた。パサパサしたナニカ。みんなはそれを見て一斉に手に取って争い、奪い合った。あたし達が檻の端っこで蹲っていると、1人あたし達より大きな子が話しかけてきた
「君たち、取り損ねたん?」
「ここはどこなの?あたしたちはどこに連れていかれるの?」
その子は黙ってから
「…可哀想に、羽化してすぐ仕分けられてもうたんか…」
その子はあたしたちの横に座った
「これ食っといた方がええで。多分着くまでもう貰われへん。」
「…なんなの?これは」
「貴重な食事や。」
そう言って差し出してきた、小さく分けられている
「…ん」
あたしはそれを取った。
「こういう時はありがとうって言うんやで」
「…あり…が…なんて?」
「ありがとう。や」
「…ありがとう。」
しばらく沈黙が流れた後、その子が口を開いた
「俺の名前はトン。よろしくな」
「なまえ…?」
トンは優しく微笑みながら答えた
「そう、自分でつけたんや。」
「どうやってつけるの?」
トンは少し悩んだ
「どうやってって…ん~、せやなぁ、」
するとその子は小さな本を取り出して
「この中で、自分に似たやつから取った名前をつけてんねん。」
その本には私たちみたいに羽が生えていて、触覚のついたなにかが居た
「なにこれ…」
「虫、言うらしいで、俺も見た事ないけどな。」
「…トンはどれから取ったの?」
「俺はこれ。」
指を指したのはトンと同じ羽の生えた大きな目をした虫
「トンボって読むねん。」
「へぇ…あたし達にもつけてよ!」
トンは少し困った顔をしながらも微笑んで
「ん~、せやなぁ、いいよ、まずそこの白い子からな。」
その子はビクッとしたけれど、少し期待した目でトンを見つめた
「ん~、シロちゃんや」
「どの虫?」
トンは指を指した。
「このモンシロチョウっていうやつ。」
「わぁ…」
シロはぱぁっと目を輝かせた。触覚がピコピコ動く、嬉しいのだろう
「あたしは?!あたしは?!」
トンは少し悩んでから答えた
「テンちゃんな。」
「テン?どれどれ!」
「これや。」
そこには丸くて赤い虫。
「綺麗…」
「せやろ。」
トンは色んなことを教えてくれた。実は元々外に居たということ。外で老いたニンゲンと暮らしていたということ。10才の時ニンゲンが動かなくなって、そしたら他のニンゲンがトンを無理やり連れ去ったということ。二度とニンゲンは迎えに来なかったとの事。
「…あたしたちはどこに連れていかれるの?」
テンの問いかけに、トンは少し間を置いてから静かに口を開いた。
「裏軍やと思う。」
「なにそれ」
「俺たち出来損ないの虫人が最終的に流れ着く場所や」
「ちゅうじん…?」
トンは少し驚いた顔で
「もしかして君ら虫人も知らんのか?」
「うん…」
シロもきょとんとしている
「虫人って言うのはな。さっき見せた虫って言うやつと。ニンゲンらの混合種族や」
「へぇ…」
「昔は虫人もニンゲンも仲良く暮らしとったみたいやけど…」
「今は仲良くないの?」
トンは少し目を伏せてから
「じいさんが言っとった話だと、ニンゲンが虫人を段々見下し初めて、今では虫人は生き物にもカウントされへん。道具だと思われてるってさ」
「…」
「ならトンは今まで何してたん?」
「俺はオークションって言うところにおったんやけど…誰も落札せんくてな。結局4年そこに居ったけどだれも欲しがらへんかったから価値なしとして裏軍に連れてかれることなってん。」
シロは小さく問いかけた
「悲しい?」
「別に。俺はニンゲンに買われる人生なんて嫌やし。」
「…トンってかっこいいね」
「おおきに。」
少しだけ心に温もりが宿った、けれどあたし達を乗せた檻は着々と“裏軍”へ近づいていた。
1話目読んでくれてありがとうございます!!また投稿しようと思うので、しばらくお待ちください!




