オカルトルート 記憶を頼りに
前話で「思いだした!」を選んだ方は、こちらのお話から。
「ど忘れすることもあるよね!」を選んだ方は、飛ばしてください。
では、どうぞ。
「思いだした!!枯野 山吹だ!!」
彼女さんを指差しながら、全力で叫んでしまった。
彼女さんは、「うぅううぅ」とうめき声をあげたかと思うと、鉈をおろして俺の横を通り抜けていく。
よかった、あってた……
すれ違いざまに、彼女がぶつぶつとなにかを言っているのに気がついた。
よくよく耳を澄ませると……
「なんでよ!私が何をしたっていうの?もう、いや。あいつ、どこにいんのよ!探すの大変なんだからねっ」
え、なんか愚痴ってる。
それを聞いてついつい声をかけてしまった。
「大変ですね」
俺の声にビクッと肩を跳ね上げて、彼女のさんはこちらを向いた。
若干ほほが赤くなって、恥じらってる?
「き、聞いてたの?」
「あ、すみません」
「べ、別にいいけど……ってか、あいつの居場所なんて知らないわよね?」
「知りません」
急に目付きを鋭くしないでください。
「あーぁ。私、いつまでこんなことするのかしら」
「辞めれば良くないですか?」
「辞めるもんなら、辞めてるわよ。やっぱ、許せないから、きちんと落ちまでつけるわ」
「さいで」
「あ、そうだ。時々話し相手になってくれない?もしあいつのことでなにかわかったら連絡頂戴?」
「はい?連絡ってどうやって取るんですか?」
「ツイットをくれればいいわ。はい、これID」
いいながら、彼女さんは、ポケットから名刺ぐらいの紙を取り出した。
「スマホ持っているんですか!」
「持ってないわよ。私、怪異よ?でも、電子機器に直接アクセスは出来るから、反応はできるわ」
なんか、別の意味で怖いんですけど。
「とにかく、よろしくね。あ、フォローしなかったり、ブロックしたら呪うから」
それだけいうと、彼女さんは、晴れ晴れとした表情で帰っていった。
帰ってから、ツイットでIDを検索して、仕方がなく彼女をフォローした。
意外にも、TLには美味しそうなご飯や綺麗な風景の写真が上げられていて、見る分にはとても癒されるものだった。
NORMAL END 「架空の友だち」
「オカルトルート 行き当たりばったり 」、「現実ルート」を飛ばして、次の話へお進みください。