どんなに上手に隠れても
前話「モォイイカイ?」で、「同行する」(行く)を選んだ方はこちらの話へどうぞ。
「同行しない」(行かない)を選んだ方は、「どんなに上手に隠れても」を飛ばして「ミィツケタ」に進んでください。
では、どうぞ。
本当は行きたくない。
でも、これまでの習性なのか、それともただの好奇心なのか、俺は首は縦に振られ「行く」と返事をしてしまった。
まるで、雨に降られた子犬の様なショボくれた顔で俺を見上げる真宙くんに負けたのもある。
ぐっ。貴重な休みがこうやって消えていくのだ。
四人で連れだって外出する。
どうやらあっくんのうちにいって話を聞くらしい。
でも、小学生の話に大人がぞろぞろといって話を聞けるのか?
まず不審がられる気がする……
「ここがあっくんの家です」
真宙くんの案内で着いたのは、新興住宅の中の一軒だった。
インターフォンを押すとあっくんのお母さんだと思われる人が慌てた感じで出てきた。
「おはようござ」
「真宙くん?!うちの子がどこに行ったのか知らない?」
「ふぇ?」
「ずっと部屋に引きこもっていたはずなのに、いまみたらいないのよ!」
「え、知らないです」
「どこに行ったのかしら……」
「ぼ、僕もちょっと心当たりを探してきます」
「ありがとう。頼んでいいかしら?」
「はい」
もし見つけたら、あっくんのお母さんの携帯に連絡すると奏さんが約束をして、その場を後にした。
「どこ行っちゃったんだろう……」
「よく行く公園とか場所はないの?」
「うーん。だいたい誰かの家でゲームするしか最近はしてない」
「最近の若いやつは、外遊びっつうもんをしないのな」
「発言が完璧なるおっさんだぞ」
「あ!ちょっと前までは、校庭に遊びに行ってました」
「学校の?」
「はい。石碑?みたいなのがあってそこに登ってゲームしたり、遊んだりしました」
なぜ、学校の校庭の石碑に登ってまでゲームをするのだろうか。
「休みでも学校開いてんの?」
「部活あったりするんで」
「なるほど。行ってみるか」
思い付く所がないなら、それしかないかと四人で学校へ向かった。
学校の校庭には、野球部らしき子どもたちが元気にボールを追いかけていた。
「元気だなー」
「お前だっておっさんみたいなこと言ってんじゃねぇか」
「うっせ」
「で、どうすんの?石碑の方から回る?」
「そうだなぁ……」
水澄が考え込む隣でふっ、と校舎を見上げると。
「あれ?」
「ん?伊織くんどうした?」
「いま、あそこの窓のところを誰かが走っていったんですけど……」
校舎の二階から三階へと上がる階段の踊り場の窓を指差しながら答える。
「あっ!!あっくん!」
今度は真宙くんが三階から四階に上がる階段の踊り場を指差しながら大声を上げた。
続きます。
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