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先ず冒頭のくだりを書きたい。
あの時、メトロの階段で面前に現れた『裸足』だが、見れば中年男性であった。もしかしたらメトロにも裸足のまま乗り込んだのかもしれぬが、男は地上に出るとそのままスタスタと歩いていった。
勿論、すれ違う何人かは振り向いたりして『現実』に入り込み、化学変化を起こしたこの人物について、訝しげに見たりしたのだから、この人物は『異世界』のウィルスをこちら側である『現実』に撒き散らしたのであるけれども、ーー然し考えて見れば、彼にとっては『こちら側』こそが『あちら』であり、『異世界』かも知れない。
そう捉えると、不思議だが、『あちら』も『こちら』も見えぬ境界線越しに極めて背中合わせである。
そう思うとこの『境界線』と言う見えない何かを浮き彫りにする事は、先ず『現実』と『異世界』について、極めて大事な要素だと気がつき、そして気がつけば、それを探ると言うのが知的冒険と言えるから、それを少し探ってゆきたい。




