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サピエンス科学『異世界原論』ーー異世界は誰に微笑むのか  作者: 江戸川Q
異世界は誰に微笑むのか
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2/11

1

 エッセイを書こうとしている。それも『異世界』について。

 だがそれは自身にとってサピエンス科学(サイエンス)(ことわり)の中の一つであるから、本エッセイはそう言う意味ではサピエンス科学に関するテーマの外著になる。


 どうしてそのテーマに沿ったエッセイを書こうと思ったかと言うきっかけは、冒頭に書き出した『異世界』との『出会い』があったと言えるのだけれども、然しひょっとすると、それはもっと遠い日々の記憶ーー美術の時間に見た絵画の時に、既にその萌芽があり、それが『出会い』により、突如、花開いたとも言えなくない。


 その『出会い』とは何であったか、考えると、それは幼少の頃に見たボスの絵画かも知れない。

 

 …ボスとは誰か?


 それはヒエロニムス・ボス(1450年頃 - 1516年8月9日)であり、ルネサンス期のネーデルラントの画家。初期フランドル派に分類される画家である。

 彼の描く画面一杯に描かれる大小の奇妙な生き物達。それは決して意味がなく、唯独立して描かれているのではない。


 其処には『現実』ではない『空想』が描かれているのだが、然し本当にそれがボス当人が生きた時代人にとって、空想であったか、はたまた極めて背中合わせの『現実』であったのか、ーー何にせよ、ボスの絵画は『異世界』を身近に感じさせる、極めて非常に優秀な精神薬として、自分の体内に投薬された。


 そしてそれが長い時を経て、自分の体内で萌芽の時を待ちながら、ついぞ花開き、このテーマーーつまり『異世界』についてこうしてエッセイを書くことになったと、今、感じている。


 以上はエッセイを書き出した『理由』なのだが、それは以後、このエッセイをいかように皆さんが好むかと言う、ある意味、招待状とも言えなくもない。


 もし、皆さんが少しお付き合いをしていただければ、『異世界』と言うこの精神薬が、誰に微笑むのかを知るかもしれないと言う期待を込め、筆を進めてゆきたい。




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