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エッセイを書こうとしている。それも『異世界』について。
だがそれは自身にとってサピエンス科学の理の中の一つであるから、本エッセイはそう言う意味ではサピエンス科学に関するテーマの外著になる。
どうしてそのテーマに沿ったエッセイを書こうと思ったかと言うきっかけは、冒頭に書き出した『異世界』との『出会い』があったと言えるのだけれども、然しひょっとすると、それはもっと遠い日々の記憶ーー美術の時間に見た絵画の時に、既にその萌芽があり、それが『出会い』により、突如、花開いたとも言えなくない。
その『出会い』とは何であったか、考えると、それは幼少の頃に見たボスの絵画かも知れない。
…ボスとは誰か?
それはヒエロニムス・ボス(1450年頃 - 1516年8月9日)であり、ルネサンス期のネーデルラントの画家。初期フランドル派に分類される画家である。
彼の描く画面一杯に描かれる大小の奇妙な生き物達。それは決して意味がなく、唯独立して描かれているのではない。
其処には『現実』ではない『空想』が描かれているのだが、然し本当にそれがボス当人が生きた時代人にとって、空想であったか、はたまた極めて背中合わせの『現実』であったのか、ーー何にせよ、ボスの絵画は『異世界』を身近に感じさせる、極めて非常に優秀な精神薬として、自分の体内に投薬された。
そしてそれが長い時を経て、自分の体内で萌芽の時を待ちながら、ついぞ花開き、このテーマーーつまり『異世界』についてこうしてエッセイを書くことになったと、今、感じている。
以上はエッセイを書き出した『理由』なのだが、それは以後、このエッセイをいかように皆さんが好むかと言う、ある意味、招待状とも言えなくもない。
もし、皆さんが少しお付き合いをしていただければ、『異世界』と言うこの精神薬が、誰に微笑むのかを知るかもしれないと言う期待を込め、筆を進めてゆきたい。




