第四十節:紫金石中の蟇蟲眼
奥へ進むほど、賑わいは増す。
露店は少なくなり、大きなテントが多くなる。
赤青黄緑の大テントが見え、方形に組まれたり円筒形だったり。入口のカーテンには二つの柱が立てられたり、大きな赤提灯が掛けられたり。中は灯りが輝いたり、暗くただよったりする。
方源は歩きながら見て、最終的に灰色のテントで足を止めた。
「ここだ」彼は見回し、テントの入口には二つの柱があり、陰刻で対聯が刻まれていた。
左:小施勇気、春夏秋冬の禄を得る。
右:大展身手、東西南北の財を獲る。
中には横額:時来運転。
間違いない、これは賭場だ。
この賭場は一畝の土地を占め、大型のテントに属する。
方源は入る。テントの中には三列のカウンターが並び、カウンターには硝子や化石が置かれている。小さいものは手のひらほど、大きいものは洗面器ほど。さらに大きいものは人ほどの高さで、カウンターに置けないので直接地面に立てられている。
他のテントの商店の賑わいとは違い、ここは静かで寂しい。
三々五々の蟲師がカウンターの前に立ち、カウンターの石を丁寧に観察したり、化石を手の中で小さく転がして感触を確かめたり、仲間と小声で話したり、店員と価格を交渉したりする。
だがどんな話でも、静かな声で話し、他人を邪魔しないようにしている。
これは賭石場だ。
この蟲の世界には、様々で千奇百怪な数え切れない蟲がいる。蟲には各自の特定の食べ物があり、食べ物がなければしばらくしか持たず、死んでしまう。
だが大自然は生命に対し、冷酷であり慈しみ深い。
食べ物が不足した場合、蟲には一縷の生きる道がある。それは沉睡に陥り、自己封印することだ。
例えば月光蟲が月兰の花びらを失えば、自己封印するかもしれない。力をできるだけ収縮させ、冬眠のように最も深い睡眠に陥る。この時、身体は青い輝きを失い、透明な水晶状態から灰色の石に変わり、石の殻で覆われる。長い間経つと石殻は重くなり、巨石になる。
また酒蟲は自己封印すると、白い繭を作る。身体を縮めて繭の中で眠る。
もちろんこの封印睡眠は、すべての蟲に起こるわけではない。発生確率は低く、通常は蟲は餓死する。少数の蟲だけが特定の状況で自己封印する。
一部の蟲師は偶然、蟲を封印した巨石や蟲繭を得て、沉睡している蟲を覚醒させる。そのため一攫千金になったり、飛黄騰達して人生が変わったりする。こうした事例は蟲師界で頻繁に起こり、真偽混じった噂が伝わり、人々を想像させる。
この賭石場の巨石の源はここにある。もちろんこれらの石は外形が似ており、切ってみて初めて中に蟲がいるか確かめられる。
「このような小型賭石場では、十個の石の八九個は中身が詰まっておらず、蟲はいない。蟲がいる石でも、生きているとは限らず、十中八九は死んでいる。だが生きた蟲を賭けた場合、大半は大儲けできる。もし蟲が非常に珍しいなら、飛黄騰達するか、殺されて財宝を奪われるかだ」
方源は心の中で明確だ。この裏事情をよく知っている。
前世、彼も商隊に参加し、賭石場で店員をしたことがある。後には中型の賭石場を経営し、この場より大きいものを扱い、多くの賭け事に勝ち、時には他人に貴重な蟲を賭けられることもあった。
方源は入口でしばらく立ち、視線を一周させてから左のカウンターにゆっくりと歩いて行く。
カウンターの後ろには、数メートルおきに店員が立っており、男女がいる。彼らは腰に青色の帯を締め、凡人ではなく一転蟲師だ。大半は初階で、少数は中階だ。
方源がカウンターの前に来たのを見て、最も近い女蟲師が歩み寄り、笑顔を浮かべて小声で言った。「お客様、何の蟲がお求めですか?こちらのカウンターの石は一つ十石です。初めての場合は小さく賭けるなら右のカウンターへ、そちらは五石です。刺激を求めるなら正面の高級カウンターへ、そちらの巨石は一つ二十石です」
これは経験豊富な女蟲師で、賭石場で長く働いている。
彼女は方源が入ってきたのを見て、外見や年齢、身長から学員であると推測した。
賭石に来るのは蟲師で、凡人はいない。学員は予備蟲師で、修行を始めたばかりで、通常は蟲を飼うために経済的に苦しく、余裕があって賭石するわけがない。
このような学員は、たいてい見学に来て目を開かせ、好奇心を満たすだけ。大半は見るだけで買わず、少数の裕福な者は試しに買うかもしれないが、通常は最も安い化石を買うだけだ。
そのため女蟲師は方源がどれだけ買うか期待していない。
「先に見てみます」方源は無表情に彼女に頷き、頭を下げて観察する。
記憶の中で、この賭石場のこのカウンターだったはずだ。
だが五百年は長すぎて、多くのことが曖昧で、特に五百年分の記憶は膨大な量で、方源ははっきりと覚えていない。
ただ漠然と覚えているのは、この年、商隊が来た初夜に、幸運な者が十石で紫金の光沢のある化石を買ったことだ。
その者はその場で石を切り、癞土蟇蝶を得た。後にこの蟇蟲は買い取られ、多くの石を稼いだ。
方源はしばらく見て、眉を少し皺める。
このカウンターには紫金の光沢のある化石が十数個ある。どの石の中に癞土蟇蝶がいるのだろうか?
こちらの石は一つ十石で、方源は現在九十八石持っている。計算すると最大九つ買える。
だが実際にはそうはいかない。
どんな冒険や賭けも、結果を考慮しなければならない。
方源は早くから衝動的ではなく、運命の寵児を自称する賭け事をしない。運命に寵愛されていると思っている者は、通常運命に弄ばれる。
「私は一人で、親しい友達の助けはない。生活を支え、蟲の餌を買うために石を残さなければならない」彼は少し計算し、基本的な保障の後、最大七つの化石が買えることになった。
「この石は紫金が星のように点々としているが、平らなお餅のようだ。中に癞土蟇蝶はいないだろう」
「この紫金の輝きはあるが、拳の大きさしかない。もし癞土蟇蝶がいるなら、少なくともこれより三成大きいはずだ」
「この紫金の化石は大きいが、表面が極めて滑らか。癞土蟇蝶の石はザラザラしている。明らかに違う……」
方源は不断に観察し、除外して選別する。
蟲が封印されて沉睡した後の化石は一体となり、世の中の大半の探査手段を絶つ。残りの探査方法はほとんど強力すぎて、使うと中の一縷の命の蟲を直接殺してしまう。
そのため蟲師は石を選ぶ時、推測し、経験に頼り、運に頼り、偶然の閃きに頼るしかない。
そうでなければ、ここは賭場と呼ばれないだろう。
もちろん世の中には不思議なこともあり、少数の温和な探査手段があって蟲師が事前に石の中に蟲がいるか知ることも、排除されない。
方源は前世にそうした噂を聞いたが、後に検証して嘘であることが分かった。
方源は考える。「もしこのような手段が存在するなら、秘伝で極少数の神秘的な者だけが掌握しているに違いない。賭け業界全体に影響を与えることはない」
青茅山周辺はまだ良いが、東に行くほど賭場は盛んになる。白頭山地域では、每家の山寨に賭場がある。一部の大型山寨には大型の賭石林が林立し、賭石で遠近に名を知られる三大山寨——春寨、古寨、蒼寨には、超大型の賭石場がある。
これらの超大型賭石場はそれぞれ千年以上の歴史があり、今でも繁盛し、賭け事の客は絶えない。一度も破壊されたことはない。
現在方源がいるこのテントは、せいぜい小型賭場に過ぎない。
だが他の十五歳の少年がここに来たら、これらの化石に目を眩まされ、選ぶのは純粋な当てずっぽうになるだろう。
だが方源は違う。
まず彼は事前に一部の答えを知っているため、選択範囲は三十個以下に絞られる。
もちろんこの十数個の化石から唯一のものを選ぶのは極めて難しい。
だが方源には五百年の経験があり、その厚みのおかげで、彼はしばらく観察して最も条件に合う六つの紫金化石を選び出した。
彼は八成の確率で、この中の一つの紫金化石の中に癞土蟇蝶が沉睡していると確信している。




