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09:アルフォンスとの再会

 第三者視点~



「アルフォンスさん! 今日もよろしくお願いします!」



 リンデルは木剣を構え、アルフォンス王国最高騎士団長に向けた。


 その日の早朝、リンデルはいつものようにアルフォンスから、剣の指導を受けていた。

 ただその日の剣の稽古は、いつもと違っていた。


 ニコニコと笑顔を浮かべる、幼い少女がその剣の稽古を見つめていたのだ。


 それはもちろんあのリンネであった。


 アルフォンスはよく鍛え抜かれたまっちょな体系で、金髪で髭面(ひげづら)である。

 髪はぼさぼさで、どこかの山賊のようにも見えるが、その整った(ただず)まいが、彼が騎士であることを主張していた。



「相変わらずだねアルフォンスくんは?」


 カン! カカン!


「それはどういう意味だリンネ?」



 久々に会った2人の会話は、そんな簡素な内容から始まった。



「いや~。頭とかぼさぼさだなと思って」


「ほっとけ! これが俺のスタイルだ!」


 カンカン! カカカン!



 アルフォンスはリンデルの木剣を受けながらも、余裕の様子で会話に応じていた。



「100年は会えねえって言っていたのに、急に現れやがって! こっちの身にもなってみろい!」



 アルフォンスは少し涙ぐみながらもそう口にした。



「それについては謝罪申し上げます」



 リンネはその言葉に、ニコニコしながら謝罪した。



「はあ、はあ・・・。えっと・・・アルフォンスさんは、なんでリンネとそんなに親しげなんですか?」



 そんな2人の会話に、気になったリンデルが、稽古を中断して問いかける。



「ああ。リンネとは昔からの腐れ縁なんだ・・・」


「そうそう。腐れ縁だよ腐れ縁・・・」


「昔からって・・・いつの話だよそれ?」



 リンデルが予想するに、リンネの昔とは、6歳以下のさらに幼いころの話である。

 そんなもの心つくかつかないかの時分の話をされても、呆れしか感じないリンデルであった。



「リンネはよお・・・もう20年以上も、あの姿のままなんだぜ?」



 アルフォンスはそんなリンデルに、唐突にそう切り出した。



「はあ!? そんなわけないじゃないですか! そんなのいたら化け物ですよ!」


「まあ。普通はそう思うわな・・・・」



 アルフォンスはそう言うと、ゆっくりと木剣を、リンネに向けるのだった。





 リンネ視点~


 おじさんになったアルフォンスくんが、私に木剣を向ける。

 しかし次の瞬間、私の頭上にその木剣が振り下ろされる未来が見えたのだ。


 

 ブオン!!



 私がその振り下ろされる木剣をノロノロと躱すと、木剣が風切り音を上げながら、私のすぐそこを通り過ぎる。



「酷いなアルフォンスくんは・・・。当たったらどうするの?」


「当たらねえだろ? お前には・・・」


 

 そしてそんな私達をリンデルは、信じられないような顔で見ていた。



 シュン! シュシュン! ブワッ!



 アルフォンスくんは、続けて木剣での乱れ打ちを開始するが、そのどれもが正直に、どの位置にくるのかを私に伝えてきた。


 私はその攻撃を全てノロノロと、紙一重で躱す。



「な、何なんだよリンネのその動きは・・・・?」



 その私の動きに、リンデルが驚愕する。



「長い年月修行を積んだ真の剣の達人には、相手の攻撃が来る前に、その動きの全てが見えていると聞いたことがある。リンネは姿は幼いが、動きは剣の達人のそれだ・・・」


「嘘だろ!? だとしたらリンネは本当に・・・!?」



 アルフォンスくんは次に上段に構え、私を見据える。

 まあたぶん私の場合は修行の成果ではなくて、スキルラーニングという見たものを瞬時に記憶するチートスキルと、魔力感知の未来視のせいなんだけどね。



「その上段・・・ショウヘイ坊やの技ですよね?」


「ああ。まだ不完全だが、これが今の俺の最高の一撃だ!」



 アルフォンスくんの上段は、過去に私の頭を打ち据えた、ショウヘイ坊やのあの上段だったのだ。


 いや・・・正確にはそれは完全な1撃とは言えない。

 なぜならアルフォンスくんの未来の動きが、私には見えてしまっているからだ。

 確かにその兜割りの速度は達人級と言えよう。


 でもただそれだけだ。

 どんなに早くても、タイミングから振り下ろされる位置まで見えてしまう私には、それは取るに足らない攻撃でしかない。


 ショウヘイ坊やの上段ならば、無心で放たれるために、その未来の動きすら、直前まで捉えられないのだ。


 ただ問題は、その後の攻撃だろう。



 スカンッ!!


「予測どおり躱したか!!」



 私がその、乾坤一擲ともいえる兜割りを躱すと、アルフォンスくんの体から、まるでタコのように、水の鞭が無数に、私に向けて無詠唱で発射されたのだ。


 それは1つ1つが予測不能な、ランダムな動きをする厄介な攻撃だ。

 その水の鞭が、私に向けて、複数で襲い掛かってきたのだ。


 だが相手が魔法を使うというのならば、私も魔法を使うまでだ。



 ブオオ~ン!


「うあ!!」



 私は風魔法を使うと、その水の鞭ごと、アルフォンスくんを吹き飛ばした。

 すると水の鞭もその全てが散らされて、複数の水玉となって散っていく。



「ふん!」


 ズザアアア!



 アルフォンスくんは吹き飛ばされながらも、上手く地面に着地する。



「か~! くそう! ショウヘイ師匠の言ったとおりか! リンネは上手いタイミングで、相手を風魔法で吹き飛ばすんだ!」



 アルフォンスくんは、悔しそうにそう口にした。


 確か昔ショウヘイ坊やと剣の稽古をした時、何度か絶妙なタイミングで転がしてあげた記憶がある。

 アルフォンスくんはそれをショウヘイ坊やから聞いたのかもしれない。



「それでは次は私の番ですね?」



 そう言うと私は、10本の木剣を浮遊させる。

 この10本の木剣は、最近新たに覚えた、魔力で造った見えざる手によって、握られているのだ。


 魔力の高い私は、多くの見えざる手を、同時に出現させ操ることが出来る。


 そして自らの両手にも木剣を握りしめ、2つの木剣を突き出すように半身に構える。



「げっ! 阿修羅2倍・・・!!」


「へ~・・。それもショウヘイ坊やから?」



 まあ昔と違うのは、土魔法の土球で木剣を浮遊させているか、魔力の手で浮遊させているかの違いだがね。

 

 要するに阿修羅2倍とは、魔法の力で実現した12刀流のことだ。



「あちょちょちょちょちょ・・・・!!!」


 ドバババババババババ・・・・!!!


「はっ!! ほっ・・・!! ぐあああああ!!!!」



 そして12本の木剣が、いっせいにアルフォンスくんへと殺到する。

 初めはそれに対応していたアルフォンスくんも、徐々についていけなくなり、無数の突きに飲み込まれていった。



「信じられねえ・・・・。アルフォンスさんは王国最強の騎士だぞ・・・」



 そう呟きながらリンデルは、ただ唖然とした表情でその様子を見ていた。



「はあ、はあ・・・!! くそ! まだ遠く及ばねえか! さすがギディオン団長やショウヘイ師匠を超えるだけはあるぜ・・・」



 そうぼやきながらアルフォンスくんは、息を切らせながら地面に転がる。


 ちなみにギディオンのおじさんも、アルフォンスくんに敗北した時に、王国最高騎士団長の職を辞したようだ。

 今では騎士の指導員のようなことをやっているらしい。

 ようするにソードマスター的な役職なのかな?


 ショウヘイ坊やに関しては、剣術と魔拳流を組み合わせた新たな流派、魔刀流を立ち上げ、ホウライ王国に帰って行ったそうだ。


 現在は身長も170を超え、優男のような風貌になっているらしい。

 ホウライ王国に行くことがあれば、ぜひ会ってみたいものだ。


 アルフォンスくんは新たに子爵位を賜り、パラディール子爵家を立ち上げ、アルフォンス・イーテ・パラディールと改名しているそうだ。

 奥さんのリオノーラ夫人とは仲睦まじく、4人の男女を授かったらしい。


 ボビーくんに関しては詳しくは聞けなかったが、現在第1騎士団の団長をしているということがわかった。

 今度遊びに行ってみるのもいいかもしれない。


【★クマさん重大事件です!】↓


 お読みいただきありがとうございます!

 ほんの少しでも・・・・


 「面白い!!」

 「続きが読みたい!」

 「クマさん!」


 と思っていただけたなら・・・


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