表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

505/747

13:リンネ vs ルドラの呪い


『あれがルドラの呪いですか・・・』



 フェニックスに乗り、いくつかの転移を経て、ついに私は宇宙にある、ルドラの呪いへとたどり着いた。


 ルドラの呪いは、不気味に黒光りして見える、ごつごつした巨大な岩のような小惑星だった。


 

『ここら辺りに着陸するわよん!』



 そう言うとフェニックスは、小惑星に接近して着陸を開始する。


 

『とう!』



 小惑星に降り立つと、その地面はとても固く、まるで岩のようだった。

 土魔法で成分を調べると、その多くに鉄を含んでいるのがわかった。

 まだ私のいるほんの周囲しか調べられてはいないが、おそらくこの小惑星は、ほぼ鉄で出来た小惑星なのではないかと考えられる。


 そこに重力は全く存在せず、足から地面への魔力の流れをとけば、途端に地面と足との吸着源を失って、暗い宇宙へと投げ出されるだろう。


 宇宙に光る星々が私の周囲を照らし、妙に明るく感じる。

 そこはまるで夜空に照らされた、岩山のようにも思えてくる。

 


『ワタシはしばらく転移装置のある場所まで撤退しているわん。何かあったらよんでちょうだい』



 そう言うとフェニックスは、転移装置があると思われる場所に、飛び去って行った。


 

『リンネ。どうやらルドラの呪いに到着したようだね?』



 ルドラの呪いに到着してしばらくすると、聖獣キリンの声がしてきた。

 とはいっても宇宙空間であるここは、まったくの無音なので、それは頭の中に響く念話のようなものなのだが。



『どうしましょう? 何処を爆破すれば上手いこと小惑星の軌道が変えられますかね?』



 私は聖獣キリンに、最良であると思われる、禁呪の起爆個所を尋ねた。



『なら今から誘導する場所に向かってくれ』



 そう言うと聖獣キリンは、まるでこの場所が見えているかのように、目的の場所への案内を始めた。



『この場所に土魔法で穴を掘って、そこに呪いの石を、仕掛ければいいんですね?』



 私は聖獣キリンの指示するままに、呪いの石を、穴を掘ってその中にセットした。



『嬢ちゃん、起爆時には壁を何重にも重ねるんだぞ! 絶対に油断するなよ!』



 すると次に、クマさんの声が響いてきた。



『大丈夫ですよ。そこは抜かりがありませんから』



 爆風から身を護る訓練は何度も積んできているし、今更失敗することもないだろう。

 私は起爆個所から、ギリギリ起爆できる位置まで離れると、練習どおりに、爆発の衝撃が防げるように、地面に穴をあけ、その中に入って、さらに何重にも重ねた蓋をする。



『それでは禁呪による起爆を開始します・・・』


 カッ!!! ゴゴゴゴ・・・・


 

 起爆すると音はしないが、凄まじい衝撃が、肌でピリピリと感じられてくる。

 その圧力はとても恐ろしく狂暴だ。

 今にも巻き込まれそうで、とても恐怖を感じる。


 穴の中にいてこれなのだ。

 地上にいれば間違いなく吹き飛ばされて、ばらばらになっていただろう。



 クワッ!!



 まずい! 地上の衝撃を感じるのが手一杯で、足元の気配を感じるのを怠っていた!


 その時地面に亀裂ができたかと思うと、その亀裂の間に、巨大な目玉が見えたのだ。



『アイテール・・・やはり貴様・・・生きていたのか・・・・』



 すると聞き覚えのない、恐ろしい感じのする声が聞こえて来た。


 そして・・・・



『ひゃ!!』


『リンネどうしたの!?』


『嬢ちゃん無事か!? 何があった!?』



 気付くと地上に押し出され、私はふわりと地面から離れようとしていた。

 とっさに魔力を流して、地面との接触を行う。

 だが、何かそこで違和感を感じた。



『あ・・・あ・・・・』



 な・・・なんだこれ、なんだこれ!!! 手も足も・・・もう・・・・


 見ると私の手足が、体の下半分が、黒く染まり、炭化し、まるで見る影もない。

 私は真下から、何か熱のようなものを浴びせかけられ、こうなったに違いない。



『気づいたら焼けてて・・・黒くなっていて・・・。もう指も手も・・・真っ黒で・・・枯れ木みたいで・・・・。あ、足もお腹も・・・・黒くて・・・真っ黒で・・・もう・・・』


 

 その状況に猛烈な恐怖を感じ、一瞬錯乱しかける。

 涙も出てきて、宇宙空間をシャボン玉のように散っていく。



『くっ!』



 だがここで恐怖して縮こまっていては、私はその油断をつかれ、殺されてしまうだろう。


 彼奴に・・・


 幸い儀式の効果なのか、私はそんな状態になりながらも、生きているのだ。

 それに痛みもまるで感じていない。


 そしてあの地面に出来た亀裂から見えた目玉の正体はおそらく・・・



『貴方・・・ルドラ(・・・)ですね?』



 私は無残に倒れながらも、今感じている脅威にそう尋ねた。



『それ以外に何があるというのだアイテール・・・・やはり生きていたのだな貴様は・・・・』



 すると脅威は・・・いや、ルドラ(・・・)は、念話でそう私に返してきた。


 原初の者達に葬られたと思われていたルドラは、化け物に姿を変え、この小惑星の中で、生きていたのだ。


 どうやらルドラは、私をアイテールと勘違いしているようだ。

 これは仮説だが、おそらく6000年前にアイテールを殺したのはルドラだろう。


 アイテールも先ほどの私のように、禁呪の衝撃に備えていたに違いないのだ。

 その合間に先ほどの熱による、謎の攻撃を受けたのだろう。


 

『ルドラだって!? リンネ! そこにルドラがいるのかい!?』



 それを聞いた聖獣キリンが、まくし立てるように私にそう尋ねてきた。



『目の前にはいません。たぶん彼は・・・この小惑星のどこかに潜んでいるのでしょう・・・』


『嬢ちゃん逃げろ! そいつは危険な原初だ!! そんな状態では戦えねえ!』



 クマさんが私に撤退をよびかける。

 きっと彼らの目の前にある、私にそっくりな白い像に、何かの変化が起こり、私の状態を知ったのだろう。



『駄目だよクマジロウ。まだルドラの呪いはアースから軌道を逸らしていない・・・』


『なんでだ!!? 嬢ちゃんがあんな思いしているのに、なんでルドラの呪いはそれねえんだ!?』



 衝撃的なことに、先ほどの禁呪では、ルドラの呪いの軌道は逸らせなかったようだ。

 だがもしかしたら、この小惑星に潜むルドラを倒せば、何とかなるかもしれないと、私は直観的にそう思った。


 私は魔力感知を使い、ルドラの、先ほどの巨大な目玉の気配を探る。

 そして奴の位置を捕捉した。


 奴の動きから予測するに、奴は再び私の真下に移動する算段のようだ。

 おそらく再び私の足元に亀裂を発生させて、強烈な熱攻撃を浴びせるつもりなのだろう。

 私が奴を狙うなら、その時だ。


 だがあの強烈な熱攻撃を再び受ければ、私の命もないだろう。

 ここは慎重に対処せねばなるまい。


 私は魔力を腕の形にして、自らを地面から押し上げ、地面から浮遊する。

 


『土剣・・・』



 そして土剣を発動すると、黒焦げた腕に持たせ、魔力で操作して地面に向けた。


 続けて神気と龍の魔力をその土剣に流し込む。

 すると土剣の先が巨大な金の龍の頭となり、メキメキと私の腕が、金の鱗に浸食されていく。

 


『こんどこそ死ね! アイテール!』


『いいえ・・・貴方の負けですルドラ! 神龍砲!!』


 ドピュウゥゥゥ~!!!!


 

 私は地面に亀裂が入り、巨大な目玉が見えたその刹那、あのオレイカルコスをも消滅させる、神龍アトゥム最強の攻撃、神龍砲を放ったのだった。


【★クマさん重大事件です!】↓


 お読みいただきありがとうございます!

 ほんの少しでも・・・・


 「面白い!!」

 「続きが読みたい!」

 「クマさん!」


 と思っていただけたなら・・・


 ブックマークと

 画面下の広告下【☆☆☆☆☆】から評価をお願いします!!

 【★★★★★】評価だと嬉しいです!


 いつも誤字報告を下さる方、ありがとうございます!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ