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『神』のゲームの主人公~突如巻き込まれた異世界ゲームで、最高のエンディングを目指します~  作者: トランス☆ミル
第一章 チュートリアル編

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第4話 大冒険の始まり

「街までは私が案内するわ。ちょうど前に山が見えるでしょ?あの山を越えた先に目的地の街『オリン』があるわ。」


マヨの案内で草原を歩く3人。周りには野生のスライムがピョコピョコと跳ねている。


「のどかだなぁ〜。」


「スライムさんがたくさんいる〜!」


ド田舎で育った俺は、少し故郷を思い出しながら、異世界ならではの自然溢れる景色を堪能していた。


そんな中、マヨは俺に話しかけてくる。


「そういえば、この冒険の目的は世界を知ることと、全盛期の力を取り戻すことって言ってたけど、それってバグに対処するため?」


「まぁ、そうだな。バグがなんなのかまだわかんないけど、不定期に現れる厄災だって言うんならいつでも対処できるようにしておかないと。世界を冒険したいのは完全に俺の趣味だけどな。」


「ふ〜ん。なんでもいいけど、身分だけはバレちゃダメだからね。騒ぎになるから。」


「わかってるよ。」


そんな話をしながらも、俺たちは楽しく歩き続けた。




しばらくして森に入り歩き続けていると、突然狼のような魔物が2体、茂みから現れた。


毛の色は赤黒く、大きな2本の牙が見える。


「ブラッドウルフ!?」


「なんだ、こいつらヤバいのか?」


「ヤバい訳ではないけど、とても狂暴な種族よ。」


「そうか。ちょっと、ここは俺に任せろ。」


俺はそう言うと、おもむろに魔物の元へ駆け出した。


「え!?ちょ、は!?」


驚くマヨを横目に進んでいく。ダンジョンで体を動かし足りなかった俺は、少し試したいことがあったのだ。


「大丈夫、ちょっとした肩慣らしだよ。」


俺は全身に魔力と神力しんりょくを巡らせ強化した。


(魔力と神力で全身を強化するイメージを...)


そして俺は風のように駆け抜け、飛びかかってくる魔物に、


「そりゃァッ!!」


と、力を溜めた拳で一撃を入れた。


すると魔物は、


――バキィ!!


と、すごい衝撃と共に豪快にぶっ飛び、木にあたって動かなくなった。


「よしっ!いけるな!」


俺はそのままの勢いで、もう1匹の攻撃を華麗に避け、2体目も蹴っ飛ばし見事魔物を倒すことができた。


(昔ヤンキー漫画に憧れて、独学で総合格闘技をやっておいた成果がこんな所で出るとは。)


マヨとミリアは、おぉ〜っと拍手をしている。


「テンにぃかっこいー!」


「ま、まぁ、体術は戦いの基本だからねぇ。」


(しっかし、体がいてぇ!少し出しゃばりすぎたか...!)


俺は腰を抑えながら、少し鼻を高くして答えた。


マヨはそんな俺をシカトして、魔物の死体を観察してる。


「コイツの牙と毛皮は高く売れるはずよ。」


「そうなのか?ちょっと見せてみろ。」〔解析〕


俺はとりあえず魔物の解析を始めた。



【Blood Wolf】Lv.10


MP:150/150

HP:200/200


〈〈詳細〉〉最もメジャーなウルフ種族。スピードと攻撃力に特化しており、耐久性は低い。かなり狂暴な肉食獣で、タンパク質を多く蓄えているため、能力者の食用にも適している。



(おぉ、なんか表示できる項目が増えてるぞ!)


そんな風に1人で盛り上がっていると、


「なに、その画面?」


「なんか色々書いてある〜。」


と、マヨとミリアがステータス画面を覗き始めた。


「え、え!?これ、見えてんの!?」


「見えるわよ。バカにしてんの?てか、これってステータスじゃない!?」


マヨは画面を見るなり、驚いた声を出す。


どうやらステータス画面が見えているようだ。


しかも、それについて心当たりがある様子。


「な、何か知ってるのか?」


「知ってるも何も、人の役職やステータスって、普通は解析、鑑定の能力を持った魔水晶で測るものなのよ。その魔水晶は数が少なくて、尚且つ一度に使える回数に制限があるからとっても貴重なの。


だから、魔水晶は各地にある神聖な教会にあって、半年に一度、能力者が自身の成長を確認し、プロフィールを更新する時や、能力に目覚めたばかりの覚醒者の"スキル天授の儀"でしか使わない代物なのよ。」


「へぇ〜。」


「『へぇ〜』じゃないわよ!知られたら騒ぎになるレベルなんだから。」


「そ、そうなんだ。気をつけます。」


(なんだ、この世界にもステータスとか言う概念あるのか。ちょっと安心した...)


俺は認識通りの異世界であることを再確認し、少し嬉しくなった。


「よしっ、コイツらは今日の晩飯だな。」


そして俺はナイフを取り出し、皮を剥ぎ身を取り出す。


「やった〜!今日のご飯はオオカミさんの丸焼き!」


「店のご飯も美味いけど、自分たちで狩った獲物も美味いぞ!」


そう言いながら、身を取り出し終えると袋に詰め、皮や牙も別の入れ物に保管した。


「そろそろ日が暮れるわね。」


「じゃあ、今日はこの辺でキャンプできる所を探すか。」


それから俺たちは、日も傾き始めていたので、今日のキャンプ地を探すことにした。




――少し歩いたところに小川があったので、そこに火を起こす。


「...なぁ。前に少し言ってたけど、結局バグってどんなやつなんだ?」


俺は火に薪をくべながら、マヨに質問する。


「う~ん、古い文献によると、バグは不定期に訪れる厄災よ。その規模や場所は様々で、バグが発生すると予兆として魔物が凶暴化し、次にバグによって生成される『ゴースト』が現れ、最後に、『アレス』と呼ばれる怪物が出現するの。まぁ、ほとんどの場合、アレスが出現する前に自然消滅するみたいだけどね。」


「なるほどな...要するに消滅まで耐えるか、アレスっていうやつを倒せばいいってわけね。」


(バグが発生するのは不定期...そもそも不具合の原因ってなんだろう...)


先の見えなさそうな話に俺は頭を抱える。


「まぁ、難しく考えなくても大丈夫よ。」


「それもそうか。よしっ、飯でも食うか。」


だが、マヨの言葉で気持ちを切り替え、みんなで晩ご飯を食べる。




その後、晩ご飯も食べ終え、就寝の時間になった。


静かな森に、サラサラと流れる川のせせらぎとパチパチという火の音が吸い込まれていく。


「明日は山を登るから、できるだけ休んで体力を回復させとけよ。」


俺がそう言うと、


「フワァァ...テンにぃは眠らなくて大丈夫なの?」


と、ミリアは眠たそうに、あくびをしながら話しかけてくる。


「俺は大丈夫だ。それに、いざという時に対処できるようにしておかないといけないし。」


「そうよミリアぁ。我が国の魔神王様は、竜天神りゅうてんじんだからぁ、丈夫なの...」


マヨも眠たそうな声で話し始めた。


「えっ、そうなの?竜なの、おれ?」


俺はマヨの言葉に少し驚いて質問を返したが、すぐに2人の寝息が聞こえてきた。


(...2人ともお疲れだったよな。)


自然の静寂に包まれた俺は、ふと2人の方に目をやる。


(そばに可愛らしい異性が2人...無防備に寝ているこの状況...はぁ、何考えてんだ俺。)


異世界モノでは典型なこの状況も、いざ目の前にするとドギマギしてしまうのは当然のことだ。


「...おい、スピーカー。」


俺は退屈しのぎと気をそらす目的で、スピーカーに話しかける。


〈はい。〉


「今追加できる能力の一覧を出してくれ。」


〈了解しました。〉


スピーカーはそう言うと、前のように能力一覧が表示された。


「え〜っと...オオカミ2体じゃさほどレベルは上がらないか。よしっ、神力を温存するため魔法にしよう。」〔能力創造スキルクリエイト:雷魔法〕


〈能力の追加が行われました。


追加能力サブスキル:雷魔法


認証しました。〉


「おっけい、これで一安心だな。」


能力を追加すると、俺は寝転がり空を見上げる。空は満点の星空だ。


俺はその後も1人考え、夜が更けていくのを静かに眺めていた。




朝になり、冒険者の街オリンを目指して今日も歩く。


切り立った崖のそばを進み、途中で襲ってきた鳥のような魔物を討伐しつつ、どんどん歩いていく。


「2人のレベルは、マヨが1アップ、ミリアがあと少しで1アップだな。


しかし、レベルが上がるにつれ、少しづつレベルアップのペースが落ちてきているな...」


現在2人のレベルはマヨが29、ミリアが32だ。


(俺のレベルは41か...)


俺はスキルを追加することでも、レベルが上がっているようだ。


「レベル上げは問題ないようね。オリンに着くまでに少しでも強くなっておきましょう。そうすれば、貰える仕事も増えるわ。」


「がんばろー!」


「まっ、テンコがいれば問題ないでしょうけど。」


そんな話をしながら山を越える。




そして3日目。ついに、遠くにオリンの関所が見えてきた。


「おぉ、あれか!!」


「やっと着いたわね。」


「うわぁ!まちだー!」


俺たちは希望を胸に、街へ向かって再び歩き始めた。


少しでも、


「面白い!」「展開が気になる!」


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〈主な登場人物〉


テンコ:神のゲームの主人公に選ばれた、普通の高校生。性格は厨二病で、抜けてるところもあるが、意外と頭はいい。


マヨ:大魔ミルキーウェイ神皇国の第一皇女。性格は真面目だが、皇女として過ごしてきた反動で素が出る場面もある。意外と間が抜けている。


ミリア:獣人の少女。とても活発で食いしん坊。強い。

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