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第七十五話 マクシノール殿下に言葉で想いを伝えるわたし

「今までも、あなたのダンスは素敵だと思ってきました。でも今日はもっと素敵なダンスをしていただきました」


 マクシノール殿下は微笑みながら言う。


「マクシノール殿下こそ、今までも素敵なダンスをされておりましたが、今日はそれ以上だったと思っております」


「わたしは今日、クラデンティーヌさんに対する好意がだんだん高まってきているということをダンスという形で表現をしながら踊っていました。そういう気持ちが、いいダンスにつながっていったのだと思います」


 マクシノール殿下は、少し恥ずかしがりながらそう言った。


 マクシノール殿下の方も、わたしに対する好意が高まってきている。


 わたしはうれしくなった。


 それとともに、胸のドキドキも大きくなってきていた。


「わたしの方も、マクシノール殿下に対する想いが高まってきていることをダンスという形で表現をしようとしていました。それが、マクシノール殿下が今おっしゃったのと同じように、いい結果につながったのだと思います」


「お互いの好意が高まってきている結果だと言えますね。先程の皆さんも、『お二人の愛を感じることができる素敵なダンスでした』と言ってくれましたし」


 マクシノール殿下はそう言うと、恥ずかしそうに微笑んだ。


 これは、マクシノール殿下に「好き」という言葉で想いを伝えるチャンスだ。


 今も、


「マクシノール殿下に対する想いが高まってきている」


 とは言ったものの、表現としては弱いものだ。


 きちんと「好き」を言わなければ。その想いは伝わっていかない。


 わたしは決意した。


 ここで、わたしはマクシノール殿下に、「好き」という強いを言葉で伝える。


「マクシノール殿下、わたしはマクシノール殿下にお話ししたいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」


 わたしがそう言うと、マクシノール殿下は、


「なんでしょう?」


 と応えてくる。


 わたしは一瞬、恥ずかしさに襲われる。


 ここは、無理に「好き」だと言う必要はないのでは?


 そういう弱い気持ちも湧いてくる。


 しかし、そんな気持ちを持ってはダメだ。


 今日だって、既に何度も言うことができないでいる。


 言うべき時に言わなければ、相思相愛になるチャンスを失ってしまうかもしれない……。


 それは嫌だ。


 わたしは心を立て直し、


「わたしはマクシノール殿下のことが好きです。もう好きで好きでたまりません。愛しているのです。これからは、恋人どうしとしての意識として、お付き合いをしていきたいです」


 と熱意を込めて、一気に言い切った。


 しかし、マクシノール殿下はわたしの言葉を聞くと、黙り込んでしまった。


 いや、黙り込んだというよりは、悩み始めた気がする。


 わたしは、その瞬間、結論を急ぎ過ぎたと思った。


 マクシノール殿下は、つい先日、わたしの態度が急に変化したことで、どう対応していいか悩んでいるところだった。


 まだまだ悩んでいるであろうところに、わたしから「好き」という気持ちを、熱意を込めて言われたのだ。


 ますます悩みが深くなる方向に向かっていったという可能性もある。


 でも、わたしとしては、もうマクシノール殿下への想いは抑えられないところまできていた。


 マクシノール殿下にその熱い想いを伝えたかった。


「好き」という気持ちを言葉で伝えたことについての後悔はない。


 わたしは、マクシノール殿下の返事を待った。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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