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亜人とモンスターの街

ジェットの勧めで亜人街の中でも、比較的人間種に近い種族の集まるエリアに案内された。ジェットの話によると体格の違いで建物や道具の大きさが全く違う為なるべく同じ種族で集まった方が、生活が楽なんじゃないかという配慮もあるらしい。


「リックさん、結構人間が居るのですね」

「どうやってここまで来たのか謎だな。ふつう死ぬよな」

「私もそう思います。」

「ン?それについでダガ、ここに居る人間は上層で捨てられていた人間たちダ。大人はモンスターに適応が難しく比較的恐怖耐性に強い子供が生き残って大人になった感じダナ」


 どうやらジェットみたいな高位のモンスターが時々巡回を行ってダンジョン内のパワーバランス調整を行っているついでに生き残っている人間を保護しているようだった。

ちなみに、高位モンスターの恐怖レベルは非常に高く、恐怖耐性の少ない大人では、であった瞬間に逃げ出し恐怖のあまりショック死する事もあるとか。時々迷い込んだ冒険者や犯罪者も保護する事もあるが犯罪者に関してはこの街に来ると大体更生するらしい。


「モンスターって人間よりもやさしいのね!」

「マ、全部がオレたちみたいなのジャねぇけどな」


話の感じからすると、ここにいる人間は餌奴隷かおとり奴隷、でも気になるのが俺は犯罪奴隷扱いだったが、LV鑑定では犯罪歴無になっていた事が気になる


「リックさん、それは領主や奴隷管理人達が勝手に決めている事なので多分だまされて、そうなったのだと思いますよ」


あのクソ村長が!!


さっきから気になっていたが、ジェットのような大型モンスターの数が比較的少ない。大通り等には点々と見かける事が出来たが、生活の拠点としては見かけなかったような気がする。それについてジェットが答えてくれた


「この階層は人間種に近い種族が多く集まる階層ダ」

「今階層と聞こえたが、こんなところが他にあるのか!?」

「アア、まだオマエたちには詳しく説明する事は出来ないが、オレの居住層は別の所にある。この階層には巡回の仕事で来ているからナ。」


そんな話をしているうちに、人間族の多く住む場所に到着した。


人間に会うと

「お!新入りか!久しぶりだな!」

「ウヒョ!女じゃねぇか!ヨロシクな!」

いきなりフレンドリーな奴らだなとは思ったが外の世界で奴隷扱いされていた俺たちからすると非常に温かさを感じる対応だ

少し歩くと、少しだけ大きな建物に到着する。

「マンダム!居ルカ!」

いきなりジェットが叫んだので少し驚いたが、マンダムとやらを呼んだらしい。

しばらくすると50代くらいの男が現れる


「ジェット殿お久しぶりです。本日はどのような御用で」

「人間3人つれてキタ。面倒をみてやってほしい」


マンダムと呼ばれる男を紹介された

マンダムは人間族集落の代表で、人間族集落の管理運営を行っている人物らしい。

マンダムを紹介したジェットは仕事に戻るという事で何処かに行ってしまった。

「人間族の代表をやっている、マンダムだ。ヨロシクな!」


「「「よろしくお願いします」」」


「3人はどんな関係なんだ?一応住む場所なんかも考えなくてはならないからな」

「んー元奴隷仲間?」

「じゃ別々に住むか?ここなら安全だから一緒に居る必要も無いからな!」

「私はリックさんと一緒が良いです」

「アリシアが一緒なら私も一緒が良い!」

「アンちゃんモテモテだな。普通は奴隷同士自由になると別れる物だけどな」

「まぁこの数週間で死線を何回もくぐり抜けて来た仲間だからね」

本当に数週間しか経ってないけど、この世界で俺を信用してくれる数少ない仲間だと思っている。


「この街での生活方法について説明しておくぞ」

一応働かないと生きて行けない事は外の世界と同様で、冒険者組合に加入してモンスターや魔獣の捕獲、鉱物採取等の業務で生計を立てたり街の中で仕事を探したりしても良いらしい。冒険者組合や職業組合で仕事の斡旋相談等も行っているという事だ。

気になったモンスターや魔獣の討伐や捕獲についてマンダムさんに聞いてみる


「この街がモンスター達と共存しているのになんでそんな事をしているのか?って事か」


マンダムさんの説明によると

魔獣の場合、低位の魔獣はモンスターと違い生態系が異なる為、共存不可の関係にあるらしい

同じく低位のモンスターも同様のようだ。知能レベルが低い奴らは同族も平気で攻撃する為、街に危害を加えそうな奴らは討伐対象となっている。

ちなみに、過去に更生を試みた事もあるらしいが更生施設内で殺し合いを始め、最終的には共食いを始めるか、ある程度統率が取れる段階になると、施設内で暴動を起こし大被害を起こした事もあるらしい。

また、モンスターと魔獣はコアと呼ばれる物質から生まれ、コアが大気中の魔素を取り込み成長するらしいので討伐してコアを回収し、新たな魔獣やモンスターが発生しないようにする感じだ。


「でもこの辺って滅茶苦茶強いのしか出て来ないですよね?」

「ゲートの内側は大丈夫だぞ。ゲートの外は俺たち人間種では即死だろうけどな」

「あの、ゲートの内側でも魔獣とか居るのですか?」

「農業地域や生産地域に低位の魔獣が発生したり森エリアにも居るぞ。滅多に住居エリアのここら辺は出て来ないけどな」


森もあるのか。


「この階層は凄く広いぞ。慣れて来たら資源採取等の依頼もあるから受けてみるといい。まぁ無茶して遭難するなよ。人間族は少ないから居なくなると淋しくなるからな」


「「「わかりました」」」


俺たちは一軒の家に案内された。現代風に言うとレンガと泥壁で出来た家だ。元々この街自体が遺跡の一部らしく、このような建物が沢山並んでいる。遺跡利用の一つのようだ。

間取りは部屋が4つ。

リビングと台所のような比較的広い共用スペースのような場所が一つとそこの部屋の半分位の部屋が1つ

納屋のような場所が1つ

トイレと風呂のような水場のような物が一つ

この地域の一般的な住宅で、ここで家族6人位が住めるとの事。


「ほとんど使われていない住居だから汚いけど、この辺はお前達で何とかしてくれよな!生活に慣れるまでは俺たち人間族集落でサポートするが、やれる事は自分たちで解決してほしい」

「マンダムの旦那!いるかい!」

「おお、タントか!速いな。」

「こっちのが新入りか!よろしくな、俺はタントだ」

タントの後ろには女性も居るようだ。

「こっちは妻のロテクだ、人間族同士仲良くやろうな!」

早速ご近所さんの紹介となった。

マンダムとタント夫妻は何やら話をしている。多分俺たちについての説明だ。

「新入りさん達、こっちに来て頂戴」

ロテクさんに呼ばれ、俺たちは外に出る。

「あなたたち大分苦労したみたいね。ここなら安心して暮らせるよ!」と話をはじめ

「第1層魔法・・起動【風の流れ】」

ロテクさんの手から風が流れ始め、住宅ゴミや埃を吹き飛ばし始める。

「エリアちゃんだっけ?家の裏に共用の井戸と水路があるからそこから水を汲んできておくれ」

「はーい!行ってきます」

「アリシアさんだっけ?掃除始めるよ!」

「あっ、はい。よろしくおねがいします」

「あとリックさんだね。家の旦那と一緒に買い出しだよ!」

「あの、お金持ってないのですが」

「大丈夫気にしないで!その辺の保護援助制度は、この街は充実してるからさ!」


タントさんと一緒に俺は街に出かける。

「あんた達ジェットに保護されたんだってな!凄いぞ」

「何か凄いのですか?」

「いや、ジェットは外で会うと怖いからな、大体普通の人間は恐怖で耐えきれなくなってショック死か廃人になっちまうんだよ」

「ほ、、本当ですか」


エリアとアリシアは良く平気だったな・・俺は何とも無かったけど、むしろ最初はゆるキャラサイクロプスだったから


最初の方が怖く無くて、今の方が怖い顔しているけど。

移動中、タントさんと色々な話をして街を回る

「んー、、とりあえずこんな物かな」

必要最低限の生活用品をそろえたタントさんと俺は自宅に戻る事にする。家具とかは買えないので、まだ自宅キャンプみたいな感じになりそうだ。



自宅に戻った俺達を出迎えたのはショートカットの赤毛の美少女だった


「リック!お帰り!」


どちら様で?


声の感じかするとエリアなのだけど、エリアってもっと細くて髪の毛は茶色だったよな

「リックさんお帰りなさい」

家から出てきたのはとんでもない美女?美少女?だ透き通るような銀髪にモデルのような体形。おそらく100人の中90人は美人と答えるような美女が居た。


どちら様で・・・・?


声の感じからするとアリシアなのだけど、アリシアってもっと病的に痩せすぎていたし、髪の色だって茶髪だった気がする。

そんなことを考えているとロテクさんが出てくる。

「おどろいたかい!すごい美人さんになったよ。私もびっくりだよ!」

ロテクさんに聞くと、まず街の救済組合からポーションが支給されているので、それを飲んで貰った

この町に来るような人間族はほとんどが死にかけなのでそんな救済処置があるということだ。

通常、中級ポーションを連続で飲むようなことは無く、それを知らずに飲んでしまった2人は健康状態が一気に正常値へ

(ここに来る前死にかけたため1本ずつ飲んでいる)

そのあとに風呂に入りサポン草(この時代の石鹸)を使ってよく今までの汚れを落として貰ったら、びっくり!美人が出来上がり


調子に乗ったロテクさんは人間族の女性を集めて、エリアとアリシアを魔改造

エリアは健康的で活発な赤毛の美少女

アリシアは銀髪ストレートなお嬢様風美女へと変わっていたのだった

※この世界の成人は17歳です。


「洋服は私たちのお古だけど、我慢してね」

「よーし、今日は新入り達の歓迎会だ!宴会の準備を始めるぞ!」


「「「「「「「「おーーーーーう!!」」」」」」」」


宴会中ここに居るほとんどの人間族は元奴隷だった為、すんなりと打ち解け良いスタートを切れたと思う。

しばらくの間は救済組合から食料が支給されると言う事なので、安心して仕事探しなどをして自立してくれとの事だ。


奴隷の彼女達をヒロイン役として昇格させました。キャラ設定を上手に書き込めないので表現がペラペラですがキャラをダメにしないように注意したいと思います。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 中級ポーション強すぎる! 健康状態(飢餓、筋力低下)も正常値に戻すって、何気にすごい技術ですね [一言] 一部、誤字報告させてもらいました。
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