アリシアさん用の武器製作
この世界の金属加工技術はそれほど高くない。
アルミ等の軽量な物が無い為、軽量化が難しい。
俺が知っている金属類だと 銅・鉄、驚いた事に真鍮は存在していた。
異世界ということでアダマンタイトやオリハルコン、ミスリルと言った良く分からない物もある。
マンダムさんに特殊加工できる武器屋か加工屋を紹介してもらう事にした。冒険者組合だとバータ&ジャガーの店しか紹介してもらず、俺のアイディアを持っていったらあっさり断られた。
そんな難しい事は出来ないと
そんな訳で俺は今、ドワーフ地区の鍛冶屋に来ている。
トニーとマイがこの辺りの出らしいので、道案内係として同行してもらっている。
「鍛冶屋のドワーフは気が短いから注意しろよ」
と、トニーから助言を受ける。
ブンタの店と書かれた鍛冶屋に到着。
「こんにちわー!」
誰も出てこない
俺は再度
「こんにちわー!」
「ウルセ!聞こえてんだよ!ちょっと待ってろ!」
なんか出だし早々モメそうな感じだ。
「おおう、待たせた?ん? 人間族には用は無ぇぞ帰れ!」
一発目からこれか・・・まいったな。
「マンダムさんからこの店を紹介されて来たのですが」
「マンダムの野郎の紹介か?」
「ブンタのおっちゃん、俺の仲間なんだ、話くらい聞いてくれよ」
「んぁ?トニーのダチか?」
「ああ、いろいろ世話になってるパーティメンバーだ」
なんかトニーと知り合いっぽい。話が進みそうだ。
「あ、リックって言いますよろしくお願いします」
「おおう、リックか!おれはブンタだよろしくな!」
「で、何のようだ?」
「実はこんなものを作ってもらいたいのですが」という感じで俺は紙に書いたスケッチと構造それが何なのかを説明した。
「爆発の力で物を飛ばすのか!」
「はい、女性用なので軽く作ってほしいのですが、金属の選定等がわからず相談したいのですが」
「爆発力?とかがわからんと何とも言えんぞ」
試作で作成した薬莢を用意する。サイズは単三電池くらいの大きさだ。
工房の庭に案内してもらい、マイに着火してもらう。金属のフタが空高く飛んでいく。
「ほう!なかなか面白そうだな」
「薬莢の中身の材料をよこしな!俺が考え直して作ってやるよ!」
「中の材料の製造方法は秘密なんで」
「ゴチャゴチャ言ってるんじゃねぇよ。顧客の秘密は絶対に守るからよこしな!」
「ブンタのおっちゃんなら大丈夫だ、俺が保証する」
トニーが言うなら大丈夫だろう。まぁでもコピーは出来ないと思うが、一応秘密を守ってもらうことを条件にブンタさんに薬莢の材料を渡した。
「とりあえず10日後に使うネーちゃんと一緒に来いや!」
そして10日後
「おう来たな!!うぉ?!すげー美人連れて来たな!!!」
ブンタのオヤジは一瞬にしてデレデレになっている。
「このお嬢さんがこれ使うのか!まぁ物を見てくれ!」
表れたのはシルバーと白で装飾された美しいショットガンサイズのショットガン?のようなもの。俺の予定スケッチの基本的な部分は同じだが、まさかショットガンのような形状になっているとはおもわなかった。俺の知っている銃と違うのはトリガーが無い事。
魔力を薬莢に流し込んで発火させる為そのような機構が無いのだが、それでは第三者が勝手に破裂させる事が出来てしまうので、ブンタのおっちゃんはきちんと指先から魔力を流して、触れている金属を経由して発火させるように薬莢からすべて改良してくれたようだ。
長さは1メートル程で、重さが2キロ程度、薬莢サイズは単三電池サイズから、単2電池サイズ位の大きさに変更されている。弾頭には通常の金属性から魔法が込められた魔弾と言う物もあるようだ。元々は弓矢の先に付けて飛ばす物の応用品だとか。
魔弾は主に攻撃系が多いが、回復系や補助魔法も込められるらしい。そんなもの当たった死ぬだろう?と思うが、回復系や補助系の魔弾は着弾と同時に吸収される為、大丈夫という事だ。
ただし、敵に当たっても同様の効果があるので普段はあまり使わないとか。
「こんな便利な物があるんだな」と俺がつぶやくと
アリシアさんが「OK大丈夫」みたいな表情をする。魔弾作れるのかな?
「あんちゃんそれじゃ、試し撃ちするか!」
「あ、俺は魔力が無いから使えないですよ」
「珍しい奴だな」
「じゃ、ネーちゃん持ってみな!、使い方教えてやるよ」
「はい、お願いします」
アリシアはブンタのおっちゃんから色々と説明を受けている。
薬莢装填の仕方、排莢の仕方。撃ち方等
そしてブンタのおっちゃんが試しに撃ってみる
「パン!」と言う音と共に弾頭が発射され
30メートル位先のツボがコナゴナに吹き飛ぶ
「おお!!!」
ブンタは銃本体をスライドさせ排莢させる。
「カッコいいな!」
「ネーちゃんはこの弾使いな。ネーちゃんやってみろ」
アリシアさんはブンタから銃と弾を受け取り、銃にセットする。
「ストックは必ず肩にかけて使え!反動でケガするぞ、魔力を送る部分(トリガーに相当)には発射寸前まで指をかけるなよ、間違って魔力かけると発射するぞ!」
「はい!」
アリシアさんは若干緊張気味で銃を構える
「よし撃ってみろ!」
アリシアさんはトリガー相当の場所に指を当て魔力を込めると
「ポン!」という音と共に弾頭が発射される
ん?さっきよりも音が軽いな。威力は弱い感じがする。
弾頭はそのままツボに命中し、今度は軽い爆発を起こした。
「これが、爆発系の魔弾だな。魔力は凄く抑えてあるが、工夫次第で強い発射力がなくても十分な攻撃力になると思うぞ!」
「おお!アリシアさん当たりましたよ!初めてなのにすごいですね!」
「はい!これなら私にも使えそうです!」
「よし大丈夫そうだな!あの例のパウダー量を調整して発射力を調整してくれ、あんまり入れすぎると反動が強くなるから注意しろよ!あと、この武器の装弾数は5発だ!実践の時は弾数は注意しろ、弾切れには気を付けるんだぞ」
それから数日間、アリシアさんはブンタの店に通い、銃の練習と+弾の作り方を教えてもらう。
ちなみに薬莢の筒自体はブンタの店から購入する感じとなる。
ブンタのおっさんも美人と一緒で大喜びだったようだ。
異世界ガンナーの誕生である。
力の弱い彼女の活躍の為に武器を作成してみました。
異世界の遠距離攻撃なら弓だろうと思われますが、実際私自身で弓を経験するとメチャクチャ難しいので
アミューズメント施設に有る的当てゲームを想像して書いた方が簡単かなと安易な導入です。




