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龍人な少女の召喚記~一人一人が主役な舞台の世界~  作者: スカイア=ライメト
第二部:クラン編 第三章:誰かが描く贄の戦争
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第八十三話 準備は死屍累々

 ログイン完了!さて、皆はどこに居るのかな?お、装甲車を使って拠点を設営している。移動拠点かな?

「おや、鴉さん。丁度良いです。拠点設営の手伝いをして頂けませんか?」

 え?手伝えることなんて特に無いよね?どないせいっちゅうねん。

「いえ、使わないなから魔力の充填をしてほしいのですよ。到着後に始めて、既に残量が四割を切りました。設営や調節に使用していますので、ご協力を頂けたらなと。予備として魔石も用意していますが、出来ればコスト削減のため節約をしたいのですよ」

 コスト削減…断れねぇじゃないか!あれ?何か横になっている人がそこらじゅうに。成る程、俺と同じ犠牲者か。

「はい、こちらのケーブルをどうぞ。少しづつ魔力を流してください。倦怠感を感じるまで入れて下さい」

 おう、それは結構ギリギリな量だぞ?顔が青く、一部は土色に成りながらも生産陣に絞り採られたみたい。これが犠牲の下に成り立つ世界か。クソぅ!

「うっぷ」

「酔い止めはいかがですか?」

 多分、それだと治らないから別にいらない。気持ちわるッ!え?イベント始まるまで、ずっとこれなの?こんなの絶対可笑しいよ!ああ、現実は非常なり。ゲームだけどね。…寝れば回復するから、ベット貰おう。

「肩を貸しますので、こちらに」

 あ、有り難う!眠く、なって、きた、よ。スヤァ。


「鴉さん。後、数分で始まりますよ」

 はうまっち!

「焦りが生じていますが、寝坊はしていませんよ」

 急に起こされると吃驚するよね。一応意味が在るか分からないけど、体を解しておきますか。魔力の残量は…大丈夫そうだね。

「これが戦場か。滾るな」

「いや、奮い立つなや。現代人ならさ?」

「このゲームで色々と鍛練していたらな。大規模な争いは迷宮以外に、経験していない。それにこの世界の強さ、それを知りたくもある」

 物騒なこって。その危険な思考は仕舞っておけよ?リアルでやっちゃうと、犯罪者だし規制が入ると面倒だからな!皆を開戦前に呼んでおこうか。

「黄泉の灯火は導きの火と成る【召喚術・召喚:鬼火】、我が駆る馬は魔の(けもの) 黄金の心の臓を持つ獣なり【召喚術・召喚:バヤール】、全を癒したるは医術を操る魔の獣 白き癒し手よ癒し補い給え【召喚術・召喚:アスクレピオスの蛇】、可能性を秘めた子は 我が下にありて【召喚術・召喚:スライム】、動く姿は地を切り取り 踏み締める毎に地を鳴らす 堅牢さは地を表したかのよう【召喚術・召喚:タイタンタートル】、我に宿るは黒き四の切り開く力【召喚術・召喚:黒の武者】、」

我に宿るは白き四の守り抜く力【召喚術・召喚:白の武者】ッ!」

 ま、魔力も結構減るし口も疲れる。戦力増強になったけど、辛いことこの上ないよ。魔力の消費量を抑える為とは言え、流石に疲れ過ぎた。

『名前は決まったかい?』

「ああ、勿論だよ。君は(たまき)だ。これからも宜しくね」

『良い名だなぁ!気に入ったぜぇ。仕事はぁ何だい?』

「俺達は敵を殺すこと。それだけを専念すれば良いよ。あ、白蓮は味方の回復だけね」

 武者達はこの拠点を守る事に専念させようか。後で命令権を移譲しないと。…ルカハかアディルさんで良いか。生産陣以外で戦闘可能な人達は、自分の術で精一杯だろうしね。

「チッ」

 おい、舌打ち聞こえたぞ。何する気だよ。

「いや、私も参加しようとしただけだ。折角、藍紗と試したのにねぇ?」

『!』

 クソぅ!藍紗にねだられたら、俺も嫌とは言えねぇだろ!

「分かったよ。治療は優先的にしてくれれば、文句は言わない」

「感謝するよ」

「疎かにはするなよ?」

「仕事はきちんとするさ。先のは(ほぼ)趣味みたいなものだからな」

 だったら良いけど。魔力も回復はしてきているな。三割が四割になった程度だけども。あまり変わりはしないけど、無いよりはまし?この調子だと開戦時に、八割切ってそうだから魔力回復促進薬(オドポーション)を飲むか。魔力を回復する薬って、回復速度を速める以外の物がないのよねぇ。

 即時回復系の物が欲しい今日この頃。体力とか傷は在るのにね。医薬品類は魔導学的物含めて、苦いのが嫌だよ。もう少し飲み易くしてくれないかなぁ。

 回復してきたし、回復腕輪の改良版を嵌めとこうか。迷宮の頃に出た問題点も改善されただろうし、どんだけ便利になっていることやら。

 俺の役割は遊撃とサポート。サポートは武者達で生産陣と遠距離二人組の護衛、白蓮が回復担当だな。さてはて、魔術士に成ろうとしている魔術使いが半数を占めるけど、後方で攻撃する人が二人だけと言う。あれ?術士は後衛じゃなかった?…気のせいかな。

 まぁ、身体強化系が使えるだけでも、動きが結構違うからね。それに、結界を応用すれば三次元移動も可能らしい。確か、烏頭が試していた筈。派手な動きが好きだからなぁ、あれ。格好いいポーズとかやるしな。まぁ、それが似合うアバターだから、何ら問題は無いけども!

 (さま)になるのがムカつくと言うか。何と言うか。俺のアバターだと、背伸びしている感じがして、違和感がするんだよねぇ。これじゃあないって。他にアバターは作れないし、大幅な変更も出来ないからね。これはこれで気に入ってるから、問題無し。負け惜しみでも無し。

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