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汚穢  作者: ロベストラ
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人力スクリプト

俺の名は桑田翔。

冨田のことがずっと好きだった。

けど、俺にはポテンシャルを感じないらしい。

そう突き付けられ振られたが俺はあきらめなかった!


アイツの気を引くためになんでもした。

ある時、ブランドものの小物が欲しいと話しているのを耳にした。

バイトで稼いだ給料をつぎこんでプレゼントをした。

喜んでくれたのはうれしかったが、それ以上の発展はなかった。


どうにかして冨田を振り向かせたかった。


冨田は転校してきた奴が気に食わないみたいだった。

杉谷千尋という俺より背がでかくて何を考えているかわからない不気味な女だ。

俺は思った。冨田を振り向かせるために、こいつを利用できないかと。


こいつの能力は規格外らしい。

たしかに聞いた感じだと、明らかに俺たちとは仕組みそのものがちがう。


俺の能力は発火。

視界に入っていて、セーターなどの起毛部分の多い衣類であれば、

意識を集中することで燃やすことができる。

燃やすといっても片手で強く払えばその火を振り払うことができる程度だ。


事物・事象を弄りまわすことができる

あいつの能力に比べれば、ひどくお粗末だと思うかもしれないが、

能力というのは基本はこの程度のものなのだ。

あってないようなものといった範疇に収まる。

つまり、あいつだけが明らかに逸脱している。


化け物相手に最初は気後れしたが、冨田を振り向かせるにはこれしかないと思った。

俺は友人も巻き込んで杉谷に嫌がらせをはじめた。

こいつをいじめれば、冨田はよろこんでくれるだろうと。


俺はこれまでに、クラス、バイトと所属するコミュニティで、

気に食わない奴に対してイジメを行ってきた。

そんな経験から、杉谷はイジメてもやり返してこないと判断した。

俺は自身の直観ほど冴えわたるものはないと自負していた。


まずはアイツは能力で人を殺したことがあるだとか、

パパ活してるだとかあることないこと吹聴した。

人を動員するにはまず雰囲気作りが大事だ。


その後、友人と協力して学校のクラスメイトだけが

共有しているネット上の掲示板に、連日悪口を書き込んだ。

放課後、冨田に指示されて、歩いてるアイツの背中を思いっきり蹴ったこともあった。

うずくまるアイツにブスだとか吐き捨てた際はとてもスリルを感じて楽しかった。

冨田を振り向かせるためだったが、途中から俺も興が乗ってきて

イジメそのものにエキサイトしてきた。


そんなことを繰り返していたら、俺はクラスの男子連中から輪姦された。

杉谷の報復が始まった。犯されながら喉を潰され、

利き手の人差し指のみを残して、他のすべての指を切断された。


今現在の俺は、その時の詳細な様子を、残された人差し指を使って、

ネット上のあらゆる書き込みが行える場所に打ち込む人力スクリプトと化している。

愛犬の近況を共有するソーシャルメディア、

夫に不満を持つ主婦が集う匿名掲示板、

自作の曲をお互いに聞かせあうコミュニティサイト……

あらゆるところで書き込みを行っている。


こんなことしたくないと思っても、

俺の意識にも関わらず、俺以外の意識が介入してきて否定する。

そしてあたかも俺が望んでいるかのように仕向ける。


こんなことを繰り返しているうちに、

もうどこまでが俺の意識なのかわからなくなってしまった。

死にたくても死ねない。杉谷はそのようなことを許すように規定していない。

生きていける最低限の日常をこなした後、すべての時間をこの行為に捧げなければならない。












インスタやってます。→https://www.instagram.com/schwarzenegger/


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