会議
闇からの侵攻があってから2日が経った。
私はリハビリのおかげで、力を取り戻し、神龍の羽衣を扱えるようになった。
ついでに、狐耳も取れた。やっっっっと。
そして、最もうれしかったのは...
「仕事が大好きな人みたいになってるわよ?」
そう。リティスが光の国での体に適応し、天界に認められたことで、晴れて光に国の住人に戻ることが出来たのである。
「なんかリティスがいると昔に戻ったみたいな感覚になるわ」
リティスが初めて封印されたのは遥か900年前。まだ私たちが生を受けて100年ちょっと経った頃である。
私たちの百年は、人間でいう10歳から12歳ぐらいのころ。
...そのころに封印されるなんて、大した悪行を犯したものだよ。うちの盟友は。
呆れと安心が混じったため息をついて、仕事を進める。
しばらくの間終わりの見えない仕事を進めていると、フィルスが呼びに来た。
「暗黒王への対策の会議を開くので来てほしい、とクリス様が」
「わかったわ、報告有難う。フィルス」
暗黒王への会議はここ二日だけで、6回も開かれている。
...こんなに細かく開いて何の得になるのやら。クリスのこういう綿密すぎる計画を立てるとこはあんま好きじゃないのよなぁ。悪いことではないけど。
と、クリスに悪態をつきつつ、暇な会議をやり過ごすために、リティスを巻き添えにすることにした。
「リティスー?一緒に会議行こ?」
「なんかすごい圧を感じるけど、いいわよ」
心の中でガッツポーズをしながら、私たちは会議へと向かった。
――――――――――――――――――<移動中>――――――――――――――――――
今更かよって感じだけど、うちの城迷路すぎん??????
まさか移動に10分以上かかるとは思ってもいなかった。
...これは早急に転移装置が必要になる予感。
と思いつつ、私は会議室の扉を叩く。
扉が開くと、そこには全分家の当主がそろっており、ものすごくピリピリしている様子である。
...全当主が集まるなんて聞いてないじゃん!!
私は口に出したい気持ちを押えて、社交的な笑みで部屋に入る。
扉を開け、リティスが部屋に入ると、リティスに軽蔑や恨みの目線が向けられるのが分かった。
...マジ世の中ってめんどくさいね。別にいいじゃん。天界に認められたんだから。
私とリティスが席に着くと、クリスが口を開く。
「皆様、今回は私の呼びかけに答えてくれたこと、心より感謝しています」
私は、渡されたお茶に毒が入っていないことを確認して、お茶を啜る。
どうやら私の血縁者全員が呼ばれたようで、マティア、ランプル、フォトスも会議室の隅で、椅子に座っている。
「今回は暗黒王への対策と、その目的についての考察が主な目的になります」
...あいつの目的なんぞ知るか!と言ってしまいたいところだけどね。
世の中そうもいかないのだろう、と仕方なく思っていると、リティスのお茶に違和感を感じた。
...ん!?あれ、闇の粉末では!?!?
さすがにまずいが、流石にここで叫ぶと面目がつぶれるので、お淑やかに行きましょう。
私は一回息を吸って発言をする。
「ちょっといいかしら」
「なんだい、ソレイユ」
この一言だけで息が詰まりそうなほどに視線が私に集中する。
「議題について反論はないのだけれど、リティスのお茶に毒を入れたのは一体誰なのかしらねぇ」
その場の緊張感が一層高まったのが分かった。




