神の力 クリス視点
...!?
俺は勢いよく城の方向に振り返る。
そこに見えたのは、書物でしか見たとこのない「神龍の羽衣」をまとい、塔の上で舞うソレイユがいた。
...ああ...帰ってきてくれたんだな。俺の最愛が。
恐らく、ソレイユが待っているのは動き的に冬の舞、一般的には『雪舞』と呼ばれる舞だろう。
その姿はまさに美の女神のようであった。
なめらかな白い肌に、透き通る海のような蒼き瞳。そしてそれを引き立てているのが、七色に輝く羽衣であった。
宙に浮きながら舞うソレイユが魔力を振りまくと、先ほどと同じような光の輪が広がってくる。
舞うソレイユに見とれていると、背後から、断末魔が聞こえてきた。
「ぐあああぁぁぁぁ!!」
闇の軍団が、光の輪に焼かれていた。
残ったのは、暗黒王のみ。
「ははは!!これはおもしろい!!」
突然笑い出したかと思うと、
「もう一度、体勢を立て直すとしよう」
そういって消えていった。
「っ!」
捕まえようとしたときにはもう遅く、闇の靄と化していた。
悔しがる俺を照らすかのごとく、暖かい光が降り注いだ。
その光の中に立っていたのは、
「クリ、ス」
蒼い瞳を潤ませながら、やってくるソレイユの姿があった。
俺はうれしさのあまりソレイユを強く抱きしめ、
「 おかえり。」
というと、
ソレイユは笑顔で、
「 ただいま。」
そう答えてくれた。
ソレイユはまだ大量に使ったばかりであろう、魔力を使って俺の疲れと傷を癒してくれた。
「ちょっとだけ、後片付けをしてきても、いい?」
「...分かった」
そういうと彼女は空に舞い上がり、魔力の凝縮を始める。
フォトス、マティア、ランプルも戻ってきたようで、ソレイユの帰還を喜んでいる。
ソレイユが唱えている呪文の最後だけが聞こえた。
「闇を払い、打ち破るための力を我が手に」
魔力を放つと、先ほどとは比べ物にならない大きさの光の輪が広がっていく。
その光の輪は、光の国全体にまで至り、光の国の秩序を正した。
それはまさに
「守護神の力」
そのものだった。




