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ブラッディ・モスキート  作者: Mr.ゴエモン
作戦開始2
96/206

決意

 彼女の目元の涙の跡を見た辰馬。

 再び罪悪感に悩まされた。

 そして…


 「と、言うわけだ…」

 「そんなことがあったんですか…」

 「メグのやつ、人前では顔に出してないが、アイツの死を誰よりも悲しんでいるんだ。まぁ、実の妹なんだから、当然なんだがな…」


 辰馬は悲しげに呟いた。

 それを見て


 「でも、本当にその親友の人が死んだのは、辰馬さんのせいじゃないですよ!」


 と、大石が励ます。


 「そうだぞ辰馬、お前は1人で背負い込みすぎだ!」


 鹿川も言う。


 「あぁ、だがメグの…彼女の顔を見る度に、あの日の、アイツが死んでいく光景がフラッシュバックするんだ…」

 「「……」」


 その場の空気が一気に重くなった。

 

 「しかしだ!」


 その重くなった空気を払うかのように、辰馬は


 「何時までも、クヨクヨとしてても何も始まんないんだ!俺が今することは、後悔してヘムことじゃない、親友の忘れ形見とも言える彼女と、巳兎や他の仲間達を守り、生きてこの大阪から生還することなんだ!」


 と、熱く語った。


 「彼女を、皆を守り抜く!それがアイツの、死んでいった皆への1番の供養だと思ってるんだ!」


 そう宣言する辰馬。


 「あぁ、だからこそ、お前はこの脱出作戦に誰よりも心血を注いでいるんだよな!」


 と、鹿川が言う。 


 「お前が皆を守り抜く事を自身の誇りにかけ、覚悟を決めてることはココにいる皆が理解してるぞ!」

 「鹿川…」

 「だけどだ!」


 鹿川が少しためて、


 「さっきも言ったが、1人で背負い込むんじゃねーよ!」


 と、強めに発した。

 そして、辰馬の両肩を掴み、


 「これはお前1人の問題じゃないんだ!今生きている人間、全員の問題だ!」

 「……」

 「お前は1人じゃない!俺や嵐子、宇島に沢山の仲間がいるだろう!1人で背負い込まず、遠慮なく俺等を頼れる!相談しろ!」


 と言ったのだった。


 「鹿川…ああ、頼りにしてんぜ!」


 と、元気よく答えた。

 そんな2人を見て走達は、少し意外そうな顔をした。


 「⁉何だよ変な顔して…」


 鹿川も皆の顔に気付いた。


 「いや…その…鹿川さん…」

 「??」

 「意外と真面目なことも言うんですね⁉」

 「はぁ⁉」


 自分的に言われのない事を言われ、顔を崩す鹿川。


 「あぁ、随分と真面目なことを言ったなって…」

 「今までのイメージと違うと言うか…」

 「真面目なことを言うキャラには見えなかったよな!」

 「タダのミリタリーマニアじゃなかったんだな…」


 それぞれ軽く辛辣な意見を述べる走達。


 「オイコラ!俺が真面目なこと言っちゃダメなのか⁉」

 「ダメとは言わないけど…なぁ…」

 「キャラに合わないというか…」

 「だな…」


 と、再び辛辣なコメントを浴びせる一行。


 「おー前ーらーな!」


 キレそうになる鹿川。懐からエアガンを取り出す。


 「よせ鹿川!マナーをしっかり守る達なんだろ、お前は!短気は損気と言うだろ⁉」


 辰馬が静止し、なだめる。


 「ぐっ…!」


 ぐっと怒りをコラえ、懐なエアガンをしまう鹿川。

 側の辰馬の顔は、悩みから吹っ切れたかのか、何時もの頼りがいのある男の顔に見えた。


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