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ブラッディ・モスキート  作者: Mr.ゴエモン
作戦開始2
100/206

前夜4

 ちょくちょくと書き続け、100回目になりました!

 署内のある部屋にて、


 キュイーーン‼キュイーーン‼


 と、少し厳つい感じの機械をいじって、機械音を立てている1人の男がいる。


 「これでどうだ⁉」


 機械に付いているツマミを片手で回し、側面の小さな画面に並ぶ数字をチビチビと動かしている。

 同時にもう片方の手で、アンテナを微調整している。


 ガーー‼ガーー‼


 しかし、機械に繋がったヘッドホンからは、少々耳障りな音しか聞こえてこない。


 「駄目か…」


 男は諦めたのか、ヘッドホンを外し、機械の電源を切った。


 「あれブライアンさん、何やってんすか?」

 「‼あぁ、君たちか…」


 そう、機械をいじっていたのは他でもない、FBI捜査官のブライアン・カーターである。

 そんなブライアンに話しかけたのは、走と正一だ。

 先程の一触即発しかけた一件のあと、就寝しょうとしたが、緊張しているのか2人共寝付けず、気晴らしにと署内を散歩しているのだ。

 勿論、既に寝ているものもいるので、静かに足音を出来るだけ立てないように歩いている。

 そんな最中、変な機械音が聞こえてきたので、その音の方へとやってきた。

 そしたら、機械をいじって音を出している、ブライアンを見つけたのだという。


 「こんな時間に何やっているんです?それにその機械は?」

 「ああこれかい、コレは…」


 ブライアンは立ち上がり、機械に軽く手を添えた。


 「無線機だよ!」

 「無線⁉」

 「そう、無線機!」


 ブライアンがいじっていたのは、無線機だ。

 かのサバゲーマニアの鹿川が、趣味の一環で無線の類にも、それなりに詳しくなった。で、現在の大阪では、携帯電話の類は使えないなので、トランシーバーと共に彼が何処かから調達してきた。

 それが今、ブライアンがいじっていた物だ。


 「そういうわけだ。あっ、ちゃんと彼等から了承は得ている。まあ最も、元々彼等の物ではないみたいだけどな…」


 ブライアンが手短に説明した。


 「無線は分かりますけど、いったい何処に?」


 正一が聞いた。

 対してブライアンは、


 「特に宛はないよ!兎に角、何処かと連絡が取れないかと思ってね!」

 「随分とアバウトにやってたんですね!」

 「まぁ、何とかFBI本部のあるアメリカに連絡できたらいいんだけど、流石に無理だから、他県の警察にでも繋がれば、そこからアメリカに伝言してもらえるよう、頼めるたら!と、思ったんだが…」


 結果は、彼の顔を見れば聞かずともわかった。


 「はぁ~!…」


 ため息を漏らすブライアン。


 「ブライアンさん、余り気を落とさずに…」 

 「あぁ、ため息すると幸せが逃げるって言うしな…」

 「そうですよブライアンさん!!」

 「「禍福己(かふくおのれ)による」とも言うからな!」

 「なんすかそれ?」

 「幸せは運次第でなく、自身の心がけしだいだという意味のことわざだ、知らないのか?」

 「いやいや、初耳っすよ!よく知ってるな…」

 「本当、ブライアンさん、アメリカの人なのに詳しいですね⁉」

 「ああ、元々日本は好きだからな!日本食もヘルシーで美味い。まぁ、納豆や生魚、梅干は苦手だが…」

 「でしょうね…特に納豆は日本人でも好き嫌いが分かれますし!」

 「でも、祖国のフィアンセは好きなんだよこれが…」

 「へー、好きなんですか、ブライアンさんのフィアンセの人…って、えっ!」

 「「フィアンセ!!」」

 

 走と正一は揃えて叫んだ!。


 「ああ、刺し身や梅干なんかも気に入っててな、日本食のレストランで働いていた。」

 「いやそうじゃなくて、ブライアンさん、彼女いたんですか?」

 「えっ、ああ将来を約束しているぞ!」

 「そこまで進んでんすか…」

 「まぁな!」


 ブライアンは少し自慢げに言った。


 「でもその割に、新堂さんにちょっかいしてましたよね!」

 「うぐ!」


 ブライアンは、痛いところを疲れたと言った顔をした。


 「いやあれはだ、彼女を元気づけてあげようと思っただけで、本命は祖国のフィアンセだ!」

 「どうだか!」

 「本当だって!無線を試したのも実のところ、彼女な無事を伝えたいからだ!」

 「ふーん、まぁ、そういうことにしときましょう!」

 「信じてないだろそれ…」

 「まぁ兎も角、ブライアンさんにも生きる目標があるということですね⁉」


 と、正一が尋ねる。


 「そうだ!FBI捜査官としても、1人の人間としても、生きてアメリカに帰らなくてはならないんだ!」

 「なら明日の作戦は、是が非でも成功捺せなくちゃならないっすね!」

 「ああ!」

 「FBIの人なら、腕の方も立つんでしょ⁉」

 「まあな、これでも腕には自信あるぞ!その為に、日々ジムで鍛えてるからな!」


 と、ブライアンは腕まくりをした。服で隠れていたが、かなり鍛えられた体をしている。


 「頼りにしてますよ!」

 「おう!」


 こうして、それぞれが思い思いに夜を過ごした。

 そして、

 運命の日の朝を迎えるのだった。


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