↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
99/241

前夜3

 「包帯と湿布それから…」


 ここは警察署内の医務室。御子柴が装備品の整理をしている。

 そこへ、


 「チエちゃん!薬箱を整理してんのか?」

 「あら高倉さん!えぇ、イザというときに備えてね!」

 「そうか、医療関係者はチエちゃん1人しかいないからな…もしもの時は、頼りにしてるよ!」

 「えぇ、もっとも、出来ることなら1日中暇である事を祈ってるよ、祭のときみたいに…」

 「だな…」


 地域の祭で、怪我人が出た時等に備え、医療関係者が指定の場所でスタンバイしている。かくいう御子柴も、地域の祭の時、スタッフとして待機していた経験がある。最も、これまで出番があったことはなく、大概手持ち無沙汰を感じていたが…


 「しかし今回はそんなふうにも言ってられんだろな…」

 「えぇ、もしもの時はベストを尽くすは!」


 御子柴は力強く宣言した。


 「頼りにしてるよチエちゃん!」

 「えぇ、ところで三船さんは?」

 「あぁ、ヤツなら例の戦車をいじっとるよ!」

 「まだやってたの…本当好きね…」

 「全くだが…もしかしたら、今回は大いに役に立つかもしれないぞ!あの戦車、結構強力だしな!」

 「そうね、映画とかでも意外な人物が予想外の強さを見せるパターンもあるからね!」

 「あぁ、まあ兎も角、どうなるか分からんが、生きて帰って、また飲みに行こう、3人で!」

 「えぇ、そしていつもみたいに、酔いつぶれた2人を介抱するのご、お決まりのパターンだからね!!」

 「ハハハ…何時も迷惑かけてたな…」

 「でも、大変だったけど、今はとても懐かしく感じるわよ…」

 「チエちゃん…」

 「帰りましょうね、平凡だけど平和な日常に!」

 「ああ‼」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 同時刻、所代わりここは見張り場。最後まで気は抜けないと、見張りは続けられている。

 因みに今は、警察署に身を寄せていたメンバーの中で、辰馬に次ぐリーダー格の者達数名が見張りをしている。明日の備えて、多くのメンバーに体力を温存させるため休ませているのだ。

 最初は辰馬が


 「俺が夜通し番をする、皆は明日に備えて寝といてくれ!」


 と、言い出した。が、


 「お前1人にさせられるか!」

 「1人で背負い込むな!」

 「寝不足で、大将のアンタに何かあったらどうするか⁉」


 と、皆が反対した。

 というわけで、数名が交代交代で最後の見守りをする事となったのだ。

 その中に、1人だけ、辰馬達のグループとは違う人物がいた。


 「……」


 双眼鏡を手に、無言で外を真剣に眺めている女性。

 齋木紫苑である。

 夜間の蚊様子を見たいと、見張りに加わりたいと申し出たのだ。

 大阪の夜空を飛び交う蚊を観察している。時折、片手で側のメモ紙にメモをとっている。

 そんな彼女の横で!


 「おい、交代の時間だぞ!」

 「ああ、もうそんな時間か…」

 「それじゃあ、後は頼んだわよ!」

 「おう、お疲れ!」


 時間通り、見張りを交代に入っていた。


 「ねぇ、あの人はどうするの?」

 「あの人…あぁ、地下から来たあのネーちゃんか…そうだな一応、声かけとくか…」


 そう言って、休憩に入る内の1人が、紫苑に話しかける。が、観察に全神経を集中させているのか、彼女(紫苑)の耳には聞こえなかった。


 「聞こえてねーみたいだな…」

 「どんだけ集中してんのよ…」

 「はぁ…しゃあないから、ほっとこうぜ。トイレ休憩位、自分で勝手にするだろしな!」

 「だな…」


 そう言って彼等は交代し、休憩に入った。

 それと同事に、


 「!!」


 紫苑は何かに反応した。そして、双眼鏡のツマミを回しレンズを動かして、倍率を上げた。

 倍率の上がった双眼鏡であるものを食い入るように見た。そして、


 「あれは…」


 と、彼女は小声で呟いた。

 しかし、余りにも小さな声だった為、近くにいた者達に聞こえる事はなかったのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。