表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/107

21話 美少女天使ローザ現る

次話は21日の7時10分投稿予定です。

「よ、よろしく……」


 僕は状況を飲み込めず、とりあえず当たり障りのない返答を返す。


 少し落ち着いたところでローザの様子を見てみると、この子も異常なほど可愛らしい外見をしていることに気づいた。


 腰まであるストレートロングの金髪に頭のてっぺんからアホ毛が2本伸びており、パッチリとした金色の瞳を持ち、天使のような真っ白な羽を生やし、丈の短い白いワンピースを着た愛らしい少女だ。


 顔立ちは整っていて幼く、白めで綺麗な肌だ。

 声は甲高く透き通っており、背は160ちょっとだろうか、イルミより10センチほど高いように見える。


 幼い顔立ちとは裏腹にグラマラス気味な体つきで、健康的で神秘的な印象を僕は持った、が……。


「あ、ちなみにねっ、剣がないときのわたしの第二武器はスターゲイザーっていってねっ、わたしのこころのようにまっしろな持ち手と黄金白色にかがやく刃をもつ十字槍で、星の観察者って意味で、これも、ものすんごい武器なんだよぉ〜」


 ハイテンションで喋りまくり、落ち着きの全くない様子は、むしろギャグマンガに出てきそうな女の子であり、せっかくの神秘性は台無しになっている。


「そ、そうか……それは、凄いな……それだけの武器を使いこなせるってことは、ローザさんはどのくらい強いんだい?」


 僕は少し引きながらも何とか話を合わせようとしてみる。


「それはもう、わたしのパンチやキックは、いっぱつで隕石をくだいて、じょうぶさは核ミサイルの直撃でもへいきで、不老で不死身でたおされても1分でかんぜんになおってもとどおりなんだよ、すごいでしょ」


 ローザは首をメトロノームのように左右に振り、ボリュームのある金髪をワサワサと揺らしながら陽気に話を続けてくる。


「そ、それは凄い! さすがはダンジョンの裏ボス、信じられない強さだ……」


 僕の返しが白々しくなってきた。にしても、本当にこの子、ダンジョンの裏ボスなんだろうか? とてもそうは見えない。


「でしょ〜! わたしってば、つおい♪ あ、そうだ、わたしのことは、さんづけしなくていいよ、ふつうによびすてで……よんでも……いいかな〜ってかんじで……」


 どうしたんだろう……? なんか、様子がおかしいな、急にモジモジし始めたぞ。


「ローザ、ドウシタノ……?」


 イルミはローザに心配そうに声をかける。


「ねえ、イルミちゃん、シオンくんとは、ど〜ゆ〜かんけい?」


「カンケイ? ン〜、一緒にいて安心する人、カナ……」


 イルミは人差し指を口にあて、少し考えて答える。安心する人か……そう思ってくれてるのは嬉しいな。


「やったぁ〜、恋人ってわけじゃあないんだねっ、んじゃ、わたしがシオンくんの恋人になっても、だいじょぶってかんじだね〜」


 ローザはバンザイをしながらピョンピョン飛び跳ねている。


「……な、な、な、何を言ってるんだこの子はーっ!」


 僕は思考が数秒停止したあと、思わず絶叫する。


「だってだって、シオンくんとはなしてると、見た目としゃべり方と、声と性格が可愛くてわたしの好みにばっちりってことにきづいてねっ、もっ、ど〜しよ、シオンくん」


「そんなこと、いきなり言われても!」


 あまりの超展開に僕はうろたえてしまう。


「エット、ドユコトカナ、ローザ……?」


「わたしはシオンくんを好きになっちゃったってことなんだよっ」


「スキ……」


 イルミは胸に手をあててつぶやく。


「そう、好き。いまからわたしはシオンくんをワシッてハグして、あたまナデナデして、チュ〜をするから、見ててねイルミちゃん、これが好きってことなんだよぉ〜」


 ローザは羽根と両手を広げて僕に笑顔でにじりよってきた。


「ちょっ、ちょっと待ってくれ! 確かにローザはとても可愛いと思うけど、訳が分からないし、なんか怖いし、僕は混乱してるし、それに……とにかく待ってくれ!」


 僕は両手を突き出して後ずさりする。


「だいじょぶだよ、シオンくん。こわくないよ、さあさあ〜、わたしの愛をうけとって〜」


 ローザはさらに僕に迫り、抱きしめようとした。


「……ローザ、チョット、待ってだよ……」


 イルミはローザの左手首を掴んで、僕への行為を制止した。



ここまで読んでくれてありがとうございます。

もし少しでも、面白そうだったり、先が気になると思っていただけましたら、

ブクマと★を入れていただけますと、励みになりますし、とても嬉しいです。


広告下から入れられますので、よろしければお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ