20話 ダンジョンの裏ボス?
次話は23時10分投稿予定です。
『エクスオール・レイキャリバー──破壊不能の超硬金属とクリスタルで創られた大剣。あらゆる存在を断ち切る。固有技、ギャラクシオン・バスターが使用可能』
『アートリウス・コート──高次元エネルギーを凝縮し創られたロングコート。全状態異常を完全に防ぎ、あらゆるダメージを半減させ、再生能力を倍加させる』
モナドをセットしたその瞬間、僕の右手に黄金の持ち手と鍔を備え、柄には白く輝く宝玉。そして、蒼く透き通った幅広の刀身を持つ大剣が出現した。
「な、なんだこの剣! か、かっこいい……」
僕は思わず感嘆の声を漏らす。これが、最強の武器か……。防具も出現し装備しており、それは、ひざまである漆黒のロングコートの外観をしていた。
「力が沸いてくる……さらに強くなった気分だ!」
正直、このロングコートも黒ずくめで中二全開な感じでめっちゃ好みだ。
「アレ……? ナンカ、ズイブン似合って……ウン、カッコイイヨ……」
「おっ、そ、そうかい? 僕もこの剣とコート、かなり気に入ったから、それは嬉しいな」
僕はイルミにかっこいいと言われ舞い上がる。よし、この勢いに乗じてダンジョンを攻略していこう。
僕たちはダンジョンを進み、8層、9層と突破してゆく。道中の敵やダンジョンの外観はまだ変わらず、僕とイルミはモンスターを倒しつつ素材を回収し先に進んでいく。
……剣が、とても手に馴染む……こんな大剣を現実で振るう時が来るなんて……少女と肩を並べて共に戦うなんて夢にも思わなかった。ゲームの中だけのファンタジー……それが今、実存としてここにある……。
「お、10層への門が見えてきた。少し休憩していこう」
「ウン!」
ダンジョンの1層と5の倍数の層はモンスターが出現しないらしく、人の手によって拠点が作られている。ブローカーもいるだろうから、素材もそこで買い取ってもらおう。
そう思い、僕とイルミは10層への門に近づいた、その時……。
「あっ! いた〜っ! みつけたっ!」
門から急に羽根の生えた金髪の少女が飛び出し、僕を指差しながら甲高く透き通った声を張り上げている。
「うわっ! き、君は誰だ!」
「わたしは、このダンジョンの裏ボスってやつでねっ、それよりもさぁ、その剣とコートをかえしてよ〜!」
少女はいきなり僕の側まで羽ばたきながら詰め寄り、僕の顔をヌッと覗き込んできた。
ち、近いっ! 僕は思わず後ずさりをする。
「コノ武器と防具は、シオンの物のはずなんだけど……」
イルミは自称裏ボスと名乗る金髪の少女に歩み寄る。
「いやいや、それがね〜、この剣とコートはわたしのものだという理由があってね〜……え〜っと……あなたのなまえって、なんてゆ〜の?」
「ワタシは、イルミ……イルミ・アルトール……」
イルミは少女に名乗る。僕も、名乗っておいた方が良いかな。
「僕は、松武子温」
「なるほど〜、イルミちゃんにシオンくんだね、ばっちりおぼえたよ〜」
「な、なんかハイテンションで賑やかな子だな……ていうか、なんで羽根生えてんだ? 裏ボス? いや、人型のモンスターは存在すると聞いたけど、人語を話すなんて有り得ないと耳にはさんだんだけど……」
僕は勢いに押されながら疑問をつぶやく。
「えっ、わたし、にぎやかでかわいいって? んも〜う、ほんとのことだけど、あらためてそういってもらえると照れちゃうよ〜♪」
「か、可愛いは言ってない!」
羽根を生やした金髪の少女は顔を赤らめ、ほっぺたを押さえながら照れていた。僕の否定は全く気にしてないようだった。
「あ、わたしの自己紹介がまだだったよね、ききたい?」
少女は満面の笑みを浮かべながらボリュームのある金髪を揺らしている。
「ま、また返答に困る聞き方だな……そ、それじゃ、自己紹介をお願いするよ……」
「ウン、聞かせて……」
僕は軽くドン引きながら、イルミはいつものマイペースな感じに返事をする。
「わたしはローザ、よろしくねっ!」
ローザと名乗る少女は満面の笑みを浮かべながら羽根をパタつかせていた。
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