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「あのぉ」
階段を上りながら交わされる魔術師同士の会話にブランが口を挟む。
「魔法使いの方って、皆さん異常に長生きなんですか??」
ブランの疑問には何も答えないまま、ロジ・マジはアリッサに質問した。
「アリッサよ。こやつはお前の弟子なのか??見たところ何も魔力は感じられんのだが…」
「いえ、僕はアリッサを担当している介護士です」
ブランがあわてて訂正する。
「カイゴシ??それはどんな術を使うんじゃ??」
「そうですねぇ、まあ清拭とか、あとは食事介助に入浴介助とー」
「アホが。んなこと言っても通じんだろうが」
アリッサにたしなめられ、ブランはあわてて言葉を選び直す。
「ええっと……とにかく日常生活を一人で送る事が困難な人を手助けする仕事です」
「ふむ。なるほどのぅ」
三百年間石になっていた老人にどこまで伝わったかはわからないが、ロジ・マジは何やら納得した様子で頷くと、あらためてブランの最初の疑問に答えてくれた。
「魔導師の寿命というのはな…」
魔法使い、魔術師、魔導師に魔道士……呼び方は色々あれど、もちろん血の通った人間である以上、寿命というものが存在する。
彼らのうち九割以上、ほとんどの者たちは普通の人々と同じ位の年月しか生きる事ができない。
しかし、特に強い魔力を持った者……俗に「大魔導師」などと呼ばれる者達は、数百年、時に数千年の命を持つにいたるという。
(アリッサさんはどうなんだろう…)
そもそもブランがロジ・マジに先ほどの質問をしたのも、そこが気になったからであった。
入所時に提出された書類が正しければ、現在彼女は74才である。
話の流れでアリッサに直接たずねようかと悩んでいると、ガンダルガの声が耳に飛び込んできた。
「おおっ!!見えてきたぞっ」
いつの間にか三十段ほど先に、湯〜ゲルンの浴槽底につながる青い扉が現れていた。




