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「そいつはすまんかった。魔法使いよ」


老人は、アリッサの態度に怒る様子もなく、飄々とお詫びと訂正をした。


「なんだい」


「わしゃどのくらい石になっとったのかのぅ??」


「まあ、ざっと三百年てとこだね」


「三百年」という言葉で、老人の正体に気がついたブランは、思わず声を上げてしまった。


「えっ!!じゃあ、あなたはまさか…」


「ロジ・マジだ。なんじゃ、そうとわからず呼び戻したのか??」


偉大なる老魔導師は、あごに手をあて意外そうな顔をした。


「ふむ……」


「あんたがかつて、ここの長老に残した伝言は、この娘の代には、ほとんど失われちまってたのさ」


「……なるほどのう」


「こっちは色々と苦労させられてんだ。あんたが何でこんなややこしいことをしたのか、聞かせてもらおうじゃないか」


アリッサの問いに、ロジ・マジはあっけなく頷いた。


「よかろう。ただし…」


「?」


「その前に皆でひとっ風呂浴びようではないか」


そう言うと、魔導師は軽やかに手を動かした。


「うわぁぁ!!」


急に自分の身体が浮き上がったため、ブランは悲鳴を上げた。


まわりを見れば、他の面々も空中に浮かび上がっている。


次の瞬間、何かものすごい力で引っ張られるのを感じたブランは、思わず目を閉じた。


「え?」


数秒の後に目を開けたブランは、自分が温泉につかっている事に驚愕した。


それは、どうやら同じ部屋の隅にある、ロジ・マジがいたものに比べれば幾分小ぶりな、エメラルドグリーンのにごった温泉であった。


「いやぁ、素晴らしい湯加減じゃ!!」


ご機嫌な声を上げるガンダルガをはじめとする他のもの達、そしてロジ・マジ本人もしっかりと湯船につかっている。


服はといえば、どういう手妻か、近くの岩場に皆の着ていた服がきちんとたたまれ置かれていたのだ。


「これが、温泉魔法…」


思わずブランはポツリとつぶやいた。


「さてさて、それでは何から話そうかのぅ」


老魔導師が、あらためて一同を見渡した。


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