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ミミが絶叫をあげるのも無理はなかった。
おそらくそのショックは、不気味な蜘蛛の怪物を見た時や、その怪物に自分の祖父が捕らえられているのを見た時よりはるかに大きかっただろう。
「ああ!!!ああ!!!お父さんっ!!!!!」
それだけ叫ぶと、ガクッと力が抜けた彼女は後ろに崩れ落ちてしまったため、あわててそばにいたメディナがその体を支えた。
気の毒なこの少女は、わすが半日で一生分の緊張と恐怖を味わいつくしてしまったのだ。
(ミ……ミ……)
無数の手の中心にいるガロンの様子は、今は亡き傭兵のドースが見た時よりも、いっそうおぞましいものとなっていた。
彼の下腹部は、異常なまでに膨れあがり、いまにもはちきれそうであった。
わずかに波打っている様子から、その腹の中には、大量の液体……つまりは、犠牲者達の血液やら体液やらがつまっているのだろう。
(ミミぃぃ!!!!!)
ミミを認識した胸部の巨大な瞳は、すさまじい憎悪の波動を放つと、再びあまたある手でその姿を覆い隠し、ミミや太陽の家の者たちの方へ突進を始めた!!
「危ない!!」
ブランが思わず声を上げた時である。
ブンッ
怪物の身体が半球状の光に包まれ、その動きが無理やり押し込めらたれように止まった。
光の中でジタバタともがく蜘蛛の周囲は、いつの間に現れたのか黒いマントとフードの者達がぐるりと取りかこんでいた。
彼らは一様に右手を怪物の方へ向けて突き出しており、その手のひらは鈍く光っていた。
「これは……結界??」
「そうです。みなさん、お下がりください」
ブランの問いに答えたのは、これまたいつの間にか彼の近くに現れていた、魔道サークル会長のキャトであった。




