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「あ、これじゃないですか??」
民間人向けの仕掛けは、ほどなく民間人であるブランによって発見された。
床にはめ込まれた金属製のフタをあけると、そこにはハンドル式のバルブが2つあった。
「ふむ……おそらく片方がお湯が流れ込むのを止めるもの、もう一つがお湯を抜くものでしょうな。ブラン君、どちらかを適当に回してもらってよいかな??」
後ろからのぞきこむポッテヌに促され、ブランは右側のハンドルに手をかけた。
「くっ………!!」
長い年月がたち、錆び付いているため、回すのにはかなり力を込める必要があったか、ブランはありったけの力で、ハンドルを時計と反対回りにまわしていった。
「あ、お湯が!!」
ミミの指差す先では、壁穴から「とい」へと流れ込むお湯が少しずつ細くなり、やがてそれは、完全に途絶えた。
「ふむ。後はもうひとつのバルブを回せば、お湯が抜けますな」
ポッテヌの言葉に、ブランが、額の汗を拭い、左側のハンドルに手をかけようとしたがー
「なんじゃ小僧!!体力がないのう。どれ、かしてみんか!!」
明らかにブランへの気づかいではなく、自分が回してみたいオーラ丸出しのガンダルガが、ブランを押しのけハンドルに手をかけた。
「無理すんじゃないよじじい。腰がもげるよ」
「なんじゃと!?おのれアリババ、賢しいことばかりぬかしおってぇぇ」
アリッサに焚きつけられた老戦士は、筋肉を盛り上がらせ、全力でハンドルを回しにかかった。
「うぉぉりゃああああ!!!」
バキッ
「あっ!!」
ガンダルガ渾身の腕力が災いし、ハンドルはポキリと折れてしまった。
「………………」
「………………」
「うぉぉりゃああああ」
「ガンダルガさん。ハンドル折れたのみんな見てましたから」
再びハンドルを回すふりを始めたガンダルガに、ブランが適切な突っ込みを入れる。
「まあ、かなり錆びついていたようだしな………どうしたものか」
ポッテヌが眉間にシワを寄せ、白い口髭をなでた時である。
『なんとか、してみよう』
ブランの首から下げたドクロの目が光り、極めて低い声が部屋に響き渡った。




