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一方のニーゲルン…
氷狼たちは、アリッサの結界に触れることができないようで、うろうろと人間達の様子を伺いながら歩きまわっている。
「うわぁぁ!!助けてくれぇ!!」
緊張に耐えられなかったのだろう。悲鳴を上げながら労働者の一人が、結界を飛び出し、街の方へと狂ったように走り出した。
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!……ひぃぃ……たす……」
あわれな男は、たちまち氷狼たちに飛びかかられ、体じゅうに鋭い氷の牙と爪を食い込まされ、一瞬で絶命した。
「いゃああ!!」
氷狼には、殺意はあれども通常の狼のように獲物の肉を食す習慣はないようで、赤く染まったボロ雑巾のごとくなりはてた男の姿は、ミミのような少女が見るにはあまりにも酷であった。
このままでは、パニックに陥った皆が結界を飛び出すのは時間の問題であり、たとえそうならなくとも、そう長くかからずアリッサの魔力は底をついてしまうだろう。
ブランがそのような懸念におちいった時ー
「みんな聞きなっ!!」
再びアリッサがあらん限りの声で一同に呼びかける。
「今から結界を解除する!!一瞬やつの気を引くから、全力で逃げるんだ!!」
気をのまれた様子の一同だっだが、そんな事にはお構いなしに、アリッサはさっそく行動にうつった。
「5……4……3……2……1………今だ!!!」
アリッサが結界の印を解くと光のドームがいっせいに消え失せる。
すかさず彼女は、自由になった両手の指を同時にパチンと鳴らした。
『グギャァァ!!!』
たちまちアリッサ達に一番近い所にいた氷狼の足元から、炎の渦が巻き起こり、あっという間に獲物を包み込んだ!!
他の氷狼達も激しく炎に反応し、警戒しながら体をそちらへ向ける。
「今だっ!!逃げるんだ!!」
アリッサの絶叫を聞き、炎をポカンと見ていたガロンや男達は、ハッと我に帰ると四方八方へと全力疾走をしはじめた。
「ちょっ、ブラン!!何をするんだい!?」
ブランは有無を言わさずアリッサをおぶると、ミミの手をとり、元きた森の方へと駆け出した!!




