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カポ〜ン
「ふぅ……」
お湯につかりながら、ブランは深いため息をついた。
彼が今いるのは、湯〜ゲルンの地下にある薬湯「癒やしの湯」である。
湯〜ゲルンの一階の一部と地下には、温泉施設の名に恥じない様々な風呂が用意されている。
天然温泉を利用した大浴場に露天風呂、体の症状に応じた何種類もの薬湯、泡の出る風呂に蒸気風呂、季節の花を浮かべた風呂など、とても一回では入りきれない種類の多さだ。
時刻はもう深夜を回っている。
豪勢な夕食と、それに続く男性部屋でのどんちゃん騒ぎの飲み会、さらには就寝直前のスタッフミーティングと、ブランには怒涛の夜だったが、それもようやく一段落ついたのだった。
フリント、メディナと行ったスタッフミーティングで、ブランは、アリッサが壊される前にもう一度だけほこらを見に行きたがっている事を伝え、明日の午前中に別行動で「ロジ・マジのほこら」に彼女を連れていけないかと提案してみた。
「フリント、明日午前の予定って何だっけ?」
「えっと……湯〜ゲルン近くの建物で陶芸体験っすね」
「だったら、構わないんじゃないの??ネルガさんにはあたしらから伝えとけば……ねえ?」
「そっすね」
とまあ、あっさりと提案は受け入れられ、ブランは胸をなでおろしたのだった。
カポ〜ン
鮮やかな緑色のお湯からは、絶え間なく湯気が上がっている。
「明日は、どうなるんだろうな」
温泉の薬効を体に感じながら、ブランは、誰に話すこともなくつぶやいた。
『ほんとにな』
「わっ!!」
突然顔の下から声がしたため、ブランは悲鳴をあげざるをえなかった。




