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ありがとう  作者: 檸檬
19/19

Nineteen




体育祭当日ーー...



「瑠羽さん...」



志紀はいない。



「...大丈夫。ちゃんと出る」



志紀が一人で頑張ってるんだから、

私は待たないといけない。



「瑠羽ちゃーん!!こっちこっち!!」


「歩夢、暑苦しいよ」


「むーっ昴涼しそうじゃんか!!」


「暑いよ?」



テナントに入ると、

本を読みながら歩夢の相手をしている昴。

昴に突っかかってる歩夢。

なんか死んでる白崎陽。

椅子に座って寝てる稜。



「.....自由」



千年はさっき女に囲まれてるのを見た。



「瑠羽ちゃーん」



語尾にハートが付きそうな勢いで

歩夢が抱きついてきた。



「...暑い」


「今から障害物リレーなんだぁ!

出るから見ててね!!」


「ん、わかった」



返事をすると、元気に走っていった。



「......」



目線を下にやると、指輪が目に入って

グッと苦しくなる。



「...瑠羽」


「......」


「海道を信じろ」


「っ....」


「必ず帰るって約束したんだろ?」



なによ、寝てたんじゃないの。

なんでわかるの、私の不安が。



「...分かってる」



それでも時々思ってしまう。

家族の問題が解決したら、

そのまま戻ってこないんじゃないかって。



「あいつはお前を裏切ったりしねぇ」



稜はそれだけ言ってまた寝はじめたから

私も歩夢の競技を見た。



「たっだいまー!!見てた?!見てた?!」


「おかえり。うるさいよ歩夢」


「昴はどうでもいいの!!

瑠羽ちゃん、見てた??」



まったく...なんていいながら本を読む

昴は完全にお母さん。



「...速かったね。でも怪我してる」



頬が切れてて血が滲みかけてる。

そこに触れると歩夢が真っ赤になった。



「あ、わ...っ///」


「.....?」



今日は暑いし日焼けした?



「///ほらほらっ瑠羽ちゃん行かなきゃ!!

500mリレー並んでるよ!!」



ぐいぐい押されて日向に出された。



「.....暑.....」



ずっと日陰にいたからか、

急に暑くなってクラクラする。



《パンッ》


第一走者が走り出した...確か私のクラスは、

臥龍の幹部補佐の旭。


私はアンカーにされた。



「暑、い....」



この炎天下の中突っ立ってるとか死ぬ。



「....やっと」



やっと私の前の列が戻ってきた。


バトンを受け取って走る。

暑いから本気じゃないけど、

一位だから問題ない。



「瑠羽ちゃん速ーい!!」



どっかから聞こえてきた声は多分歩夢。


一位のままゴールした。



「っ、はぁ...」



ちょっと体がヤバイけど。



「あ...」



視界が暗くなっていく時に

臥龍の皆が焦って走ってくるのが見えたの



ーーーーーーーー....



「...ん.....」


「よかった...起きた」


「ーー..ぇ、」



目を覚ますと保健室で、



「ルー...ただいま」



隣にいるのは待ってた人。



「っー...志紀...っん...」



触れるだけのキスをして抱き寄せられた。



「倒れた原因は栄養失調、睡眠不足、過労

それに精神的に不安定だって?」


「.....」



こんなに喋る性格じゃないのに。

怒らせた?



「...臥龍と仲良くなってるし」



いつからいたの?



「...他の男に触るし」



歩夢に触った時?



「...ルーは俺のなのに」


「んっ....ふ、ぁ...ッ..」



唇が離れた時はもう酸欠状態で、

頭は真っ白だった。



「瑠羽が族潰し毎晩やってるって聞いた」



....どうせ皐月あたり。



「何も食べないし寝てないって」



食べてない事もないし、2、3時間寝てる。



「そんな事してたらルーの体がもたない」


「...志紀がいないとダメ」



食べないって言っても喉に通らないから

仕方ない。

寝ないって言っても眠れない。



「これからはずっといる」



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