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溺愛は最上級爆裂魔法のあとで〜ちびっ子従者は運命を巻き戻す〜  作者: 撫羽


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4/8

4ー戻す前の出来事

 何かに引っかかっているみたいで、なんなんだ? と思って力任せに進もうとすると、ボヨヨ~ンと身体が何かを突き抜けた。

 あれれ~? と思っていると、片翼に激痛が走った。

 人間に射られたんだ。矢が刺さった翼では飛べず、フラフラ~と地上に降りたところを奴隷商に捕まった。

 あっという間に魔力を抑える魔道具を着けられ、拘束されてしまった。

 ヤベッ! マジかよ! なんて思ったけどもう遅かった。魔力を封じられてしまうと、ただのちびっ子だ。抵抗もできない。

 その時ついでに前世の記憶らしきものも思い出した。頭の中にピロローンと一瞬で、魔法のない竜人なんていない世界に生きていた自分の記憶が戻った。

 便利なあれやこれや、好きだった唐揚げやハンバーグなんて思い出した。よくあるラノベみたいに事故にあった記憶はない。ちょっとその辺はあやふやなんだけど。

 とにかくその時に、そんなことを思い出したってなんの役にも立たない。マジであの時は焦った。

 それから奴隷商の檻に入れられ、貴族に売られた。ちびっ子なのに可愛げのない俺は不興を買い、暴力を振るわれた。

 何の役にも立たないし、こんな可愛げのない奴は返品だと、奴隷商に出戻った。

 それで瀕死の状態だった俺を買ったのが、親父だ。お嬢の家の執事をしている。

 なんでお貴族様の家の執事が、王都の下町のあんな場所にいたのかは知らないけど。俺を見た時に、この子を助けなければと思ったらしい。直感ってやつだ。

 実は親父には半分竜人の血が入っている。だが半分だからドラゴン化はできず、当然空も飛べない。

 魔力を解放すると、ドラゴンにはなれないが純白の鱗が頬や身体に現れ、黒目の瞳孔がゴールドに変化する。

 竜人がドラゴン化すると、瞳が変わるんだ。皆瞳孔がゴールドになる。そして純白の鱗ということは、白龍の血統なのだろう。

 どうして白龍の血統が人と交わったのか知らないが、ドラゴン化できないから人の世界で育ったらしい。

 そのドラゴンの血が、直感でそう告げたのかも知れない。

 親父と呼んでいるけど、ゲイブ・ジェフィティという。

 俺もこの国では親父のジェフィティの家名をもらい、ベルトート・ジェフィティと名乗っていた。皆からはベルと呼ばれている。

 この頃の親父は、一応51歳のアラフィフだ。白髪混じりのグレーの髪をいつも丁寧に撫で付けていて、執事なのに体術や剣も使える。

 どうして()()なんて言うのかというと、親父も長命種であるドラゴンの血を半分でも継いでいるからだ。

 ドラゴンほどではないが、人の数倍は生きる。だからきっと親父の年齢も、本当は倍くらいなのだろう。

 冒険者をしていた若い頃に先代の公爵様と知り合って意気投合し、それから世話になっているそうだ。

 その時も親父の直感で公爵様のピンチを助けたらしい。今はお嬢の父親で現ホルハティ公爵家の当主に仕えている。

 普段は執事らしく丁寧な所作をしているくせに、俺に対しては口が悪い。しかも容赦ない。

 この親父に体術やら剣やらを教わることになる。まあ、今はまだちびっ子だけど。

 婚姻していなくて子供もいないからと、俺を本当の子供みたいに育ててくれた。俺も親父と呼んで信頼している。




「んん……」


 重怠い身体と熱い息で目が覚めた。ここは……ああそうだ、親父の部屋だ。懐かしいな、買われてから数年は同じベッドで寝ていたんだっけ。


「気が付いたか?」

「お……おやじ」

「おう、魔道具は外したぞ。後は自分で回復できるだろう?」


 ああそっか、魔法を封じる魔道具さえなければこっちのもんさ。

 俺は自分の中の魔力を集める。ああ、この感じ。なんだか懐かしく感じてしまう。

 使えるようになった魔法で、自分の身体を一瞬で回復させる。身体がペカーッと光ったら一丁上がりだ。

 ドラゴンってドラゴンブレスだけじゃないんだぞ。魔力量だって無尽蔵で、生物最大量だと言われている。俺に使えない魔法なんてないぞってくらいだ。

 だけど何度も言うけど、今の俺はまだちびっ子だ。人化していると3歳児なんだよ。

 自分に回復魔法をかけて、ベッドの中でゆっくりと体を起こす。スッキリとした身体をグググッと伸ばしてみる。うん、ちゃんと動くな。


「おやじ、おぼえてるか?」

「おう、何故か未来の記憶がある」


 そっか、親父はあのパーティーに付いて来ていなかったから、何があったのか知らないんだ。


「おやじ、おじょうが」

「何かあったのだな?」


 巻き戻す前のことを思い出しながら、親父に話して聞かせる。

 あの時、第2王子がお嬢に婚約破棄だと言い出して、あの場にいた貴族の皆が思ったんだ。

 この王子はとうとう頭がいかれてしまったか? てな。


「そりゃそうだろう。お嬢様が殿下の尻ぬぐいをされていたのだから」


 親父がそう言うように、第2王子はお嬢がいないと執務の一つもまともに進められないと有名だった。

 人の機微が読めないんだ。全くと言って良いほど、人の気持ちを汲み取ることができない。

 ドラゴンの俺でさえできるのになんでだよ? なんて思っていたものさ。

 だが、あの王子は生まれながらの天才だった。勉学は飛び抜けてできる。国の教育機関の課程を15歳で全て履修したほどの天才だった。


お読みいただきありがとうございます!

本日2話目です。

やっと名前が出てきました。

今回の主人公はベルちゃんです。

よろしくお願いいたします( ᴗˬᴗ)⁾⁾

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