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溺愛は最上級爆裂魔法のあとで〜ちびっ子従者は運命を巻き戻す〜  作者: 撫羽


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11ーぽよよ〜ん

 この国では国政を支える大臣という役目を、公爵家四家が必ず努める形になっている。

 そう決まっているわけではないのだが、どの公爵家にも過去に王族が降嫁していたり、婿入りしていたりする。

 しかもどの公爵家も、強大な魔法を使いこなす。そのため四家の力が強いんだ。

 そして四家を平等にという王家の思惑もある。一家に特出した力を持たせないためだ。

 この数十年は建国当時から続く四家の公爵家から、王族の妃も選ばれるのが慣例になってしまっている。

 だけど、それってどうなんだ? と意義を唱える家だってある。最近力をつけてきた侯爵家以下の集まりだ。

 侯爵家の下には子飼いのように、伯爵家や男爵家が連なっている。

 もちろん、四家ある公爵家に追随する家の方が多い。だから現在でも公爵家が大臣の任に就いている。

 要は派閥のようなものが、できつつあるということだ。王公派と貴族派と呼ばれている。

 そこに大聖堂の教皇派が絡んできたりして、最近は鬱陶しくなってきているらしい。

 だからこそ余計に第2王子の立場を、盤石にしておきたかったのだろう。

 ブレイズ様と並んで、二人同じように腕を組んで文句を言ってしまう。


ちぇいじょ(聖女)だって、ばかばかちい」

「あいつか。あれは、えせ聖女だろう」

ちゃいちょ(最初)から、あのえせちぇいじょと、くっちゅ()けとけばよくね?」

「おう、それはいい考えだ」


 お、珍しくブレイズ様と意見があった。ふふふん、と二人で悪い顔をしてにやける。


「あれは子爵家だっただろう? お茶会には呼ばれないぞ」

「……え」

「お茶会に招待されているのは、侯爵家以上だ」


 第2王子の婚約者候補を見つけようというお茶会だ。高位貴族の令嬢しか呼ばれないらしい。


「ベル、お前は考えが浅いんだ」

「ブレイズちゃまだって、いいかんがえだって、いったじょ」

「それはベルを試したんだ!」


 何を試すんだよ。プンとそっぽを向いているけど、あれは絶対に考えてなかったな。

 自分は聖女だと第2王子に言い寄った子爵家の令嬢、アユティ・ミファリファ。

 水属性魔法を持つ子爵家の令嬢だ。水属性特有の青系の瞳をしている。だがそれもベビーブルー色をしていた。大して魔力は強くない。

 俺からしてみれば、お前のどこが聖女なんだと言いたい。何故なら俺には人の大体の魔力量が見られるからだ。

 竜人は人とは比べ物にならない膨大な魔力量を持っている。魔眼と呼ばれる、人の能力を見ることができるスキルを持つ者がいる。俺もそうだ。

 その俺たちから見ると、どれだけ魔力量があるか、属性は何なのかがオーラのように見える。

 お嬢やこの家の人の魔力量は、人がこんなに膨大な魔力を持てるものなのか!? と驚いたくらいだ。

 それだけ魔力量が、普通じゃないくらい多いんだ。

 でもあの自称聖女は違った。水属性魔法に属する回復魔法が使えるからといって、自分は聖女様の生まれ変わりだと自ら言いふらしていた。

 確かに回復魔法は使えるかも知れない。だけど俺に言わせてみれば、使えたとしても小さな傷を治せる程度だろう。もしかしたら、さかむけ程度かも知れない。それくらいの魔力量しかもっていないから。

 しかも聖女の回復魔法は、聖属性だ。あの自称聖女は、聖属性を持っていない。


「きっとあれだ、おっぱいがおっきいから」

「お、そうなのか?」

ちょうちょう(そうそう)、ぽよよ~んって」

「おお、ぽよよ~んなのか?」


 ブレイズ様も男の子だね、おっぱいの話になると乗ってきた。だけど、ここで親父にげんこつを落とされた。ポコンってさ。

 やべ、怒られたと思って親父を見ると、ちょっと焦っていた。


「こ、この馬鹿息子が! 何を言っているんだ! お嬢様の前だぞ!」


 おっと、しまった。つい口が滑ってしまった。


「ふぇ……どうせあたちは、ちょんなにおっきくないわよー! えぇーん!」

「ネネ! ネネは存在しているだけで尊いんだ! そんなこと気にしなくていい!」

「おじょう! おれはふちゅう(普通)ちゅ()き!」

「馬鹿、ベル! 何を言ってるんだ!」

「だっておっきちゅぎ(大きすぎ)るより、()おちゃ()まるくらいがちゅき」


 また親父にポコンとげんこつを落とされた。


「ベル! お前はもう黙ってろ!」


 ええー、そんなに怒らなくてもいいじゃないか。俺なりにお嬢を慰めてるんだって。


「えぇーん! ベルのばかぁーッ!」

「ええー! おじょう!」

「ベルなんかきらいッ!」

「ちょ、ちょ、ちょ()んなぁーッ! おじょう!」


 いやいや、どうしてだよ! 俺はおっき過ぎるのは好きじゃないって言ってるじゃん!


「ふっふっふ、ベルは馬鹿だな! お前は嫌いらしいぞ」


 ブレイズ様が勝ち誇ったように言うから、腹が立つじゃないか。


「ベルはもっと、女の子の気持ちが分かるようにならないと駄目ね」


 ええー、奥様にまで駄目出しされちゃったぞ。呆れられちゃってる。

 俺の何が悪いんだ? あれか? お嬢の前で『おっぱい』とか言ったからか? それとも『ポヨヨ~ン』か?

 だって本当なのだから仕方がない。あの令嬢、おっぱいがおっきいんだ。そのおっぱいを、王子の腕にこれでもかと押し付けていた。

 実はおっぱいだけじゃなくて、全体的に丸くて大きい。ギリふくよかだと言える程度には収まっている。

 だけど第2王子は華奢だから、令嬢の後ろに立つとすっぽり隠れてしまうくらいだ。


「だって、おっぱいを……」

「ベル、そこから離れなさい」

「あい、だんなちゃま」


 旦那様がとっても怖い目をして言った。なんだか分からないけど、おっぱいネタは禁句らしい。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


今日ももう一話投稿します!

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