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田舎の町興しにダンジョン民宿を提案された件  作者: マルルン
2年目の秋~冬の件

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徐々に2層目を突破するチームが出始める件



 さて、再び護人とミケと妖精ちゃんのアダルトエリアである。2層目のアスレコースに挑む一行、まぁ奮闘しているのは護人ただ1人なのだが。

 そのコース攻略も、途中までは順調に進んでプロレスリング(?)の仕掛けも突破した。残り時間は約半分ほどで、コースとしては半分以上は進んだ感触がある。


「このまま妙な敵が出て来なかったら、このコースも時間内にクリア出来そうだな……それでも、連続して2層も3層もアスレコースに挑むのは骨が折れるよ。

 出来れば、姫香辺りと交替して貰いたいモノだよな」


 そう肩の上のミケに愚痴(ぐち)る家長に、ミケは割と知らん顔で毎度のスルースキルを発動する。こんな日常は当たり前なのだが、肩を借りてる人間が飛んだり跳ねたりは嬉しくなさそう。

 そんな訳で不機嫌なミケは、今の所は出て来る敵に八つ当たりして鬱憤(うっぷん)を晴らしている状況。護人もそんな愛猫(ミケ)の機嫌には気を使って、さっさとアスレコースを終わらせたくて仕方がない。


 とは言え、目の前には連続ウエイト上げからの通路開通のコースが。これも体力を奪う仕掛けで、年長者の護人には思いっ切り辛い作業である。

 それでも段々重くなるウエイトを、なるべく時間を掛けずに4つ連続でクリアする。息が上がるのを無理やり抑えて、護人は次の仕掛けを見定める。


 お次はどうやら、5センチしかない壁の出っ張りを伝って、次の浮き島へと移動する仕掛けらしい。それも意地悪な事に、出っ張りがアクロバティックにあちこち飛び回っている。

 それを見た瞬間、護人は仕掛けの正統クリアをキッパリ諦める事に。まぁ、最悪こちらには《奥の手》もあるし、薔薇のマントも手伝ってくれるだろう。


 それも自分の能力の内だと、心中で護人は言い訳モード全開である。ダンジョンの道理に従って、全て進めて行くなんて冗談ではない。

 それこそ、サスケに出場している常連のアスリートでなければ無理なコースの登場に。プッツン切れた護人は、とにかく安全第一にコースに挑むモードにシフトする。


 それで向こうからクレームが来るとしたら、それは文句を言う方が頭がおかしい。そう開き直った護人は、時間を確認しながらその仕掛けに挑み始める。

 もちろん《奥の手》は発動済み、向かうは数十メートル先の浮き島である。


 ――かくして護人は、見えて来たゴール地点を目指して進むのであった。





 暖炉側の壁から出現した、ヘラジカの剝製(はくせい)ゾンビはかなりの巨体だった。その相手はボクがするゼと、茶々丸は元の仔ヤギの姿に戻って角を振り回して楽しそう。

 それならと、萌は立派な執事服を着たマンドリルと対峙する。ルルンバちゃんは、手にした水鉄砲で3体のメイドゴーストを始末に向かっている。


 香多奈もみんなに声援を送りながら、油断なくそれぞれの戦況をチェック中。もし押され気味な所があったら、2号ちゃんに加勢に向かって貰う予定。

 特にヤン茶々丸の対戦など、傍目から見ても不安しかない。ちなみにヒバリは、萌にくっ付いてボスの足元に猛攻を仕掛けて勢いだけは一人前。


 萌も華麗な槍(さば)きで、妹分のフォローに余念がない。肝心のマンドリル執事だが、杖を振り回して仔竜の攻撃をいなしてなかなかの腕前なのは確か。

 ただし、萌の圧力を気にし過ぎてヒバリの攻撃は素通しである。チビッ子の仔グリフォンだが、野生のパワーは意外と(あなど)れない。


 (くちばし)の突っつき攻撃は、普通に皮膚に穴が開くレベル。そして途端に動きが鈍る、マンドリルの執事に萌の『黒雷の長槍』での突きが見舞われた。

 杖(さば)きの秀逸な敵だったけど、これで完全にダウンしてお亡くなりに。他の戦いの状況だけど、ルルンバちゃんはソツなくメイドゴーストを全て水鉄砲で退治し終わっていた。


 こちらも絶叫技や、はたき攻撃(受けるとMPを吸われる?)が少々ウザかった程度。香多奈が絶叫技を受けて腰砕けになった以外は、特に被害も無く戦闘終了となった。

 隣で心配そうな2号ちゃんの手を借りて、起き上がった末妹は最終室内を見渡す。動いている影は、残りの対戦カードの茶々丸VSヘラジカゾンビのみ。


 こちらも先程から、壮絶な角のカチ合わせでぶつかった音が響き渡って凄い有り様。仔ヤギの角の長さなど大したことは無いのだが、茶々丸は『角の英知』スキルで角の長さは調節可能と来ている。

 それによって、今の所は互角の突進合戦を繰り広げて、部屋に敷かれたカーペットは酷い有り様。幸い室内はそこまで広くないので、ショート突進の繰り返しで済んでいる。


 ただし、こちらも『突進』スキルを持っている茶々丸が次第に有利となって来た。向こうもゾンビだけあって、痛みの感覚は無いので相当にタフである。

 それでも茶々丸の闘志はいささかも衰えを知らず、むしろ楽しそうに角のカチ合わせを繰り広げる。そんな茶々丸に、再度の香多奈の『応援』が届く。


「頑張って、茶々丸っ……そんな干からびた、ヨボヨボノの剥製(はくせい)ゾンビなんかに負けちゃダメだよっ!

 他の子はみんな勝ったよ、後は茶々丸の勝ち待ちだからねっ!」


 その言葉を聞いた仔ヤギは、角の奥義の《刺殺術》を体内で練り上げる。それが末妹の応援と合わさって、ショート突進の威力が瞬間的に物凄い事に。

 体格には優れていたが、所詮はゾンビのヘラジカはこの暴威に耐えられず。自慢の角をへし折られ、あまつさえ脳天にまでダメージを喰らう事に。


 結果、この衝突が致命傷となって魔石へと変わって行くヘラジカ剥製ゾンビであった。それを見たキッズチームの面々は、やったと総じて嬉しそう。

 そして興奮して(ひづめ)を鳴らすヤン茶々丸を、皆で褒めそやすのだった――。





 赤い絨毯の敷き詰められた舞踏会場は、勇ましい音楽が鳴り響いて凄い有り様。そんな中、各地で戦いを繰り広げる来栖家チームの紗良と姫香&ハスキー達。

 敵対するのは、さっきまで踊っていたパペット達と、それから護衛のトランプ兵達だ。ついでに大物も混じっていて、獅子獣人やブリキのゴーレムは結構強そう。


 最初は『不思議の国のアリス』がベースだと思ったが、ブリキの兵隊やライオンが出てくるあたり、『オズの魔法使い』も混ざっているのかも。などと紗良が考えていたら、案の定カカシのパペットが乱入して来た。

 しかも奥の椅子に座る、女王の召喚だった様でその体躯はブリキのゴーレムより大きい。そして割と俊敏なのは、(わら)製の軽量さが作用しているせいか。


 それを見たレイジーは、女王とのタイマンに邪魔だと思ったのか炎のブレスで焼き払ってしまった。藁だけに派手に燃え上がるパペットは、それに構わず暴れ回る。

 これは大いなる誤算だが、何故か味方のトランプ兵まで蹴散らすバーニング藁パペット。燃やされてプッツン来たのか、その暴れっぷりは敵味方問わずで厄介過ぎ。


 その時、いきなり浮き上がって天井に張り付く藁パペット……よく見れば、ツグミが召喚したアビスちゃんが、指をクイッと上げて何やら術の行使中みたい。

 ナイスフォローと、改めてレイジーは王冠を(かぶ)っている女王へと対峙する。その正体だが、どうやら女性型のデーモンだったようだ。


 紫色の肌と立派な角は、階層ボスに相応しい雰囲気を(まと)っている。もっとも、獅子獣人も充分に強いので、どちらがボス級かは不明だけど。

 その隣では、コロ助がようやくブリキのゴーレムを倒し終えていた。紗良の召喚した烏天狗のカー吉も、ドレスパペットとトランプ兵の群れを順調に減らして行ってくれている。


「いいよっ、カー吉君っ……無理しないでいいから、コロ助ちゃんのフォローを頑張って。そしたらコロ助ちゃんが、残りの連中もやっつけてくれるからねっ!

 姫香ちゃんも、強い敵の相手で今は大変そうだし」


 そんな紗良の言葉を受けて、その通りに無理はしないマイペースの烏天狗である。元々彼の身長は、子供サイズで直接戦闘には向いてないのだ。

 それでもパペット兵や、雑魚のトランプ兵程度なら軽くこなせる能力は有している。ただし、トランプ兵もクイーンやキング札はやたら強いので注意が必要。


 コロ助もそれをわきまえていて、そいつ等相手にはハンマー(さば)きも慎重だ。それでも、ブリキのゴーレムを倒してからペースは完全にこちらに傾いた。

 いつしかドレスパペットとトランプ兵の数は、半分にまで減って戦闘もあとちょっと。紗良の声援を受けて、後衛の長女を守りながらの戦闘は続く。



 姫香とツグミのペアだが、獅子獣人との熾烈な戦いは続いていた。相手の剣(さば)きは秀逸で、しかも相手のペアのドレスパペットの支援が絶妙に効いている。

 姫香が目の前の敵に集中しようと思っても、強引に視線がパペットの衣装を見てしまう。この妨害スキルにより、姫香は獅子獣人から手痛い一撃を喰らう破目に。


 探索中の怪我は久々だが、訓練中にはザジから毎度ボコボコにされてる姫香は、その程度の痛みでは止まらない。逆にスイッチが入ったように、武器を振るう手数が増えて行く。

 この傷で理性が飛んだのは、実は相棒のツグミの方だった。紗良も慌ててるけど、逆上したツグミはドレスパペットに特大の《アビスドーム》をぶつけてやる。


 ほぼブラックホールと化したそのスキルは、パペットにぶつかると恐ろしい反応を示した。元の質量を無視して折り畳まれて行くパペットは、まるで折り紙のよう。

 ついでに暴風と化した姫香も、何とか獅子獣人を押し切る事に成功。最後には《剣姫召喚》を発動しての挟み撃ちだが、それを含めて武力には違いない。

 ただし、鎧越しに受けた肩口の傷はちょっと心配かも。



 一方のレイジーは、アビスちゃんとカー吉の支援を受けて女王デーモンと対峙中。この敵の厄介な所は、ハチャメチャで多彩なスキル使いだろうか。

 例えば、赤い絨毯を割って伸びて来る尖った岩の塊は、まるでツグミの『土蜘蛛』のよう。それを避けた後も、生えた岩が何故かトランプ兵に変化して行く。


 そうして増えた敵兵力は、こちら目掛けて突っ込んで来ると言う。術者ベースの階層主デーモンだが、近接では毒のブレスも厄介である。

 そんな相手に苦労しながら、レイジーも炎のブレスや(ほむら)の魔剣で敵に対抗する。産み出されたトランプ兵は、アビスちゃんとカー吉が担当してフォローはバッチリ。


 そんな戦局に、思わぬ所から援護が入ったのは果たして偶然か。天井で派手に燃えていた藁の塊が、レイジー目掛けて炎を(まと)って降って来たのだ。

 普通の生物は嫌がるこのアクシデントも、炎属性のレイジーにとっては燃料投下に他ならない。『魔喰』の恩恵もあって、途端に増強するレイジーの発するオーラである。


 そこからは一気呵成(かせい)の攻撃で、階層主の女王デーモンも為す(すべ)も無し。豪華なドレスごと燃やし尽くされ、王冠と魔石(中)を残してお亡くなりに。

 こうして、一際(ひときわ)派手な舞踏会は何とか終了の運びに。





 ――姉妹とハスキー軍団チームも、これで無事に2層目を突破。







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