第一話「反董卓連合・・・不穏な空気」
この章は、一刀と圭吾が活躍します。
あと自分ごとで申し訳ありませんが、この小説と同時に他の小説も執筆を始めました。
おそらく、「小説家になろう」では投稿しないかと思いますが、更新が遅れるかもしれません。申し訳ありません。
一刀SIDE
一刀「うーん・・・」
夜中、蝋燭の明かりだけが灯る部屋で、俺は腕を組みながら、袁紹が各諸侯に配られた書簡と睨めっこしていた。
内容は省くが、"董卓を討とう"というものだ。
朝方に届き、すぐに会議を開いた。話し合いの結果、連合に参加することになったのだが・・・。
一刀「朱里の言う通り、この戦いは暴君董卓を討つだけじゃない」
俺の浅い頭でも分かる。霊帝の死後、最終的に権力を握ったのは董卓だ。
董卓を潰すために、「洛陽で暴政を働いている」とデマを流して、袁紹が連合を作ろうとするのも頷ける。
しかし、俺の知識にある董卓は暴君。民が圧政に苦しんでいるという情報は、あながち嘘でもコジつけでもない気がする。だが確証はない。
一刀「今はやるしかないんだ」
今の桃花達には、まだ名声が必要だ。
この連合に参加して功績をあげることで、人材は集まってくる。
それに、苦しんでいる民がいるかもしれない状況を、桃花達がほっとけるはずがないからな。
一刀「・・・ふぅ。もう寝よう」
明日は連合の集合地点に赴かなければならない。
そこには、黄巾党の乱であった曹操や、英傑と顔を合わせるんだ。
そして───
一刀「もしかしたら俺と同じで、この世界に来た奴もいるかもしれない」
居たところでどうするのか、なんて言われたら返す言葉はないけど、そんな淡い予感にドキドキしながらも眠りについた。
しかし、翌日・・・
麗羽「おーほっほっほっほっ!」
反董卓連合に集った各諸侯のトップが参加する会議に、女王様の笑い声が響く。
腰に手を当て笑っている金髪ドリルは袁紹。
麗羽「では、劉備さんの推薦により、不肖、わたくし袁本初が総大将ということでよろしいですわね?」
華林「私は構わないわ」
冥林「こちらもそれで構わない。では、失礼させていただく」
天幕から諸侯達が出ていき、残ったのは袁紹とその傍で控えている顔良、文醜。
そして俺と桃花と朱里の六人。
麗羽「それでは劉備さん。劉備さんの推薦で、わたくしは総大将という面倒な立場になったわけですけど」
いやいや、あなた大将やりたくてウズウズしてたでしょう・・・。
麗羽「そんな劉備さんには、ぜひ先陣を切ってもらおうと思うのですけど」
桃花「先陣、ですか・・・?」
麗羽「それくらいはやってもらいませんと」
チラッと桃花が後ろに控えている俺と朱里に目配せをしてくる。
朱里は困ったように、顔をしかめていた。
桃花が口を挟んだ時点で責任は発生し、断ることは無責任な言動。それが追々、尾を引くかもしれない。
・・・と、朱里は考えていると思う。
なら、取るべき道は一つしかない。
一刀「分かりました」
桃花・朱里「「っ!」」
麗羽「・・・わたくしは劉備さんと話しているのですけど」
一刀「言っとくけど、その劉備の主が俺だ。それなら話に加わっても問題はないだろう?」
毅然に・・・毅然に対応するんだ。ここで怖じ気ついては、さらに良いように使われてしまう。
大丈夫。曹操よりは気分は楽だ。
麗羽「生意気な・・・それで? 先鋒は受けてくださるのですね」
一刀「それは袁紹さんの気前次第です」
麗羽「なんですって?」
一刀「この戦いに勝利すれば、反董卓連合の総大将の袁紹さんの名声は高まります。つまり総大将に推薦した劉備には、多少なりの恩赦があっていいかと」
麗羽「なんて虫のいい話を・・・」
一刀「そうですか。では推薦は撤回して、違う人に声をかけるとしましょう・・・曹操さんなら、みんなも納得するでしょうね」
あからさまに肩を落としてみると、袁紹は焦りと嫉妬が混ざった表情を浮かべた。
麗羽「華琳さん・・・ですって。分りましたわ! 何でもおっしゃいなさい!」
・・・チョロイ
冥林SIDE
冥林「お酒を飲まず、よく待てたな雪蓮」
雪蓮「ぶーぶー、何よその言い方ー」
何とも阿呆らしい軍議から、自分の天幕に帰ってくると雪蓮が退屈そうに頬杖をついていた。
本来、軍議には雪蓮が出るはずなのだが、彼女は腹の探り合いは合わないし、彼女自身が嫌うところ。
必然と私が出なければいけない。
雪蓮「さぁって」
冥林「行くのか?」
雪蓮「ええ。劉備のとこの御使い、気になるもの。冥林も来る?」
冥林「いや、私にはやる事がある。劉備のもとへ行くなら、明命を連れて行け。薫の護衛から外されて、力を持て余しているはずだ」
雪蓮「そうね。じゃあ行ってくるわ」
雪連は手をひらひらとさせて出て行き、私は天幕に一人残された。
冥林「さて、この戦いを独立への足がかりにせねばな」
袁術がいることから薫は連れては来れなかった。
本人は来たがっていたようだが、今は独立に向けて動いてくれている蓮華様と祭・・・そして包と共にいる。
冥林「戦場は汜水関と虎牢関、か」
いかなる状況下で、且つ袁術に勘付かれず功績を上げるか・・・と、思考を巡らせていると天幕から思春が入ってきた。
冥林「どうした?」
思春「冥林様。曹操殿が面会を求めています」
冥林「なに?」
愛紗SIDE
天幕の中で私と鈴々、雛里が長机を囲むように立ち、ご主人様達を帰りを待っているのだが・・・
愛紗「・・・遅い」
ご主人様達が軍議に行ってから、だいぶ時間が経っている。
もう帰ってきていいはずだが・・・
愛紗「遅いっ!」
[バンッ!]
雛里「ひぅ・・・!」
鈴々「愛紗、雛里を怖がらせちゃだめなのだー!」
愛紗「うっ、すまぬ、雛里」
雛里「い、いえ・・・確かに、遅いですね」
愛紗「・・・もしかしたら、どこかで危険な目に!?」
鈴々「あ、愛紗!? 待つのだっ!!」
雛里「あわわっ、い、今は私情で動いては・・・」
雛里の忠告は耳に入らず、天幕を飛び出した。
後ろから鈴々、雛里と付いてくる。
部下1「あっ、関羽将軍っ!」
愛紗「むっ? どうした、手短に話せ」
すれ違った部下は、小覇王と謳われている孫策が来客として見えられたと言った。
こんな一大事だというのに・・・!
愛紗「分かった。私が対応する」
周瑜と曹操、関羽と孫策・・・二つの衝突が連合内で、不穏な予感をもたらす。
そしてここまで姿を見せない圭吾は、一体どこにいるのか・・・。
波乱が波乱を呼び、波乱の渦に運命が生誕する。
反董卓連合・・・董編の開幕である。




