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第40回配信「帝都」

「ラジオの前の皆様、こんにちは

 さちです。」


「・・・・・・ノワよ。」


「今日も張り切って放送したいと思いますウィッカラジオ

 今回はついに帝都サイエジックからの放送です。」


「・・・・・・さち、今日は、テンション高いね。」


「何と言ってもついに噂の帝都とやらに到着ですからね

 このわくわく感は隠し切れませんよ。」


「最初、この国に、入った時は、散々文句言ってたのに・・・・・・。」


「文句は言ってませんよ、ちょっと怖そうな国だとは思いましたけど

 でも実際街や村を回ってると普通の国と変わらないと分かりましたからね。」


「結局、さちの偏見が、問題だった・・・・・・と。」


「まぁ、たしかに帝国って響きに偏見があったのは否めません。」


「とりあえず、誤解が解けたなら、良かった。」


「では、とりあえず番組を開始していきましょうか?」


「・・・・・・そうね、始めましょう。」


「では、ウィッカラジオ

 本日もスタートですっ。」






「改めましてこんにちは、ウィッカラジオです

 本日は帝都サイエジックより放送をお届け中です。」


「さて、お待ちかねの、現地紹介の、時間。」


「えぇ、それでは早速紹介していきましょう

 この帝都サイエジックは名前の通りスティルグルド帝国の首都です。」


「街の規模は、今までに立ち寄った街でも、最大級

 あの心臓都市よりも、下手をすると、大きい。」


「この大陸で最大の国家の首都である心臓都市よりさらに大きいって

 そろそろ都市の規模のインフレも激しくなって来ましたね。」


「微妙に、何か、おかしい気がするけど・・・・・・。」


「とりあえず、これだけ大きな街ですけど何から紹介していけばいいんでしょう?」


「そうね、まず最大の特徴として・・・・・・魔道器技術が、他の国より、圧倒的に発達している。」


「ふむふむ、ノワさんの専門分野のようなので解説はお願いします。」


「と、言っても、そこまで説明するような事は、ないけれど・・・・・・

 さちは、町の様子を見て、何も、感じなかった?」


「うーん、何でしょう?

 とにかく整った街並みだとは思いましたけど。」


「そう、主要な道はタイル張り、そこら中に、魔力をエネルギー源とした街灯が立ち並ぶ

 文明レベルとしては、かなり、進んでると思うわ。」


「えぇ、たしかに言われてみるとそうですね

 まるで別の世界に来たかのような街並みです。」


「それだけ、発展が、著しい・・・・・・と言う事ね。」


「なるほど。魔道器技術でこれだけ変わるんですね。」


「この放送機器もそうだけど・・・・・・突き詰めれば、普通の道具では、出来ないような事も、容易にこなせるわ。」


「魔道器に限らず魔法は使えると使えないじゃ全然出来ることの幅が違いますからね。」


「まぁ、一概に、優れている、と言うわけではないけれど・・・・・・。」


「あれ? てっきりそれだけ使いこなしてるノワさんですから

 魔法さいこー、とか言うのかと思ってましたが。」


「たしかに、便利なものでは、あるわ

 ただ、私は生まれつきだから、いいけれど、これだけ使いこなすには、時間と労力が、かかりすぎる。」


「以前私も断念しましたしね・・・・・・。」


「だから、それなりの魔法の、代用となる道具が、発達したけれど

 これはこれで、結局、仕組みを覚え、作るための、時間と労力が、膨大になって来る。」


「何事も楽にはいかないって事ですね。」


「単純に言ってしまうと・・・・・・そうね。」


「と、なるとこの街はどうなのでしょう?

 それだけ時間や労力がかかる魔道器で溢れかえっていますが。」


「これだけの物を作るための、職人を揃える、時間や労力は、相当かかっているだろうし

 それを整備、維持するための、人手も必要・・・・・・

 さらには、動かすための、動力として、資源も膨大に、使用される事になる。」


「えぇ、とりあえず分かりやすくまとめると?」


「帝国の、規模があったから、これだけの事を、成せたのでしょうね。」


「小さい国だと人も物も足りないって事ですね。」


「まぁ、大体、そんな感じ。」


「なるほど。それでノワさん的にはここの技術ってどうなのですか?

 この放送機材とかと比較してどれぐらい凄い物なのでしょう?」


「ここ数日、街を見た感じだと、この放送機材は、まだまだこの国の技術レベルを超えているとは、思うけれど

 様々な、施設で使われていた、大型の魔道器になると、私一人では、とても作れないほどの、規模では、あるね。」


「ノワさん一人じゃ作業の限度がありますからね、機材の整備だけですら大変そうですし。」


「そうね・・・・・・だから、魔道器職人と、呼べるような人間が、大量に育成されているであろう、環境は

 私一人が、知識を蓄えるよりも、ずっと素晴らしいものだと・・・・・・思うわ。」


「私達冒険者も強い冒険者一人よりも数名でパーティーを組んで役割分担した方が良かったりしますものね。」


「えぇ、一人では、カバーし切れない、分野にまで、手を伸ばせるのは、強い。」


「さて、そんな感じで色々進んでる帝都ですが、ずばり名物はなんでしょう?」


「分かりやすく、他では手に入らない、魔道器の類・・・・・・だろうね。」


「それは名物って言うんですか?」


「便利な道具から、魔法仕掛けのおもちゃまで、色々あるから、物によっては?」


「たしかにそれならお土産と言っても問題ないかも。」


「後は、魔道具による、自動照明で、昼と夜を再現した、室内での、野菜生産施設。」


「むっ、そっち系にまで魔道器の恩恵があるんですか。」


「温度や、日照等、作物ごとに、適した条件を再現して、作ってる施設が、あるとか・・・・・・。」


「つまりそれがあると環境問わず好きな野菜が食べ放題。」


「理論上は、そうなるね。」


「本当に発達した魔道器って凄いんですね。」


「術師を必要とせず、燃料さえあれば、魔法が使えるという事になるから、休みなく稼動

 みたいな分野になると、人力よりも、強いかもね。」


「そんなに凄いとなると、何で他の国にまでそこまで広がらないんでしょうね?」


「製作や整備に、専門知識が必要なのと・・・・・・単純に、燃料の問題だと思う。」


「えぇ、そう言えば燃料ってどう言うものが使われるんですか?」


「魔力を持った、宝石やら結晶やら、そう言った類の物。」


「・・・・・・それって、冒険者が数時間採集作業を行っても10個も見つかるかどうかぐらいの奴?」


「まぁ、この世界に、どれぐらい存在してるのかは、分からないけれど、希少であることには、違いない。」


「前の世界でその手の採集も経験したことありますけど

 はい、色々と出回らないわけが察せました。」


「この帝国でも、帝都以外で、そこまで魔道器を見なかったのは、その辺りの事情も、ありそうね。」


「他の町にまで回すほど燃料に余裕がないとかなんですね。」


「推測に過ぎないけど、これだけ大掛かりに使っている設備や、点在する街灯等

 日々の消費量は、並大抵ではないと・・・・・・思うわ。」


「想像のつかない世界ですね、はい・・・・・・。」


「私も、街一つ分の、設備となると・・・・・・想像できないわね。」


「あれ? そう言えばこの放送機材の燃料って毎回どうしてるんです?」


「あぁ、それね・・・・・・さっき言ったような道具は使わずに、私が手動で、充填してるのよ。」


「えぇ、普通に放送しているように見せかけてそんな事までしてたんですね。」


「発生はさせられないけど、溜め込むことの出来る装置を使って、一回の放送時間分ぐらいは、持つようになってるの。」


「それを毎回放送の度に充填してるわけなんですね?」


「そうね・・・・・・。」


「何だか全部やってもらって余計に悪い気がして来ました

 あんまり多くはないですけど私の魔力を使ったりとか出来ません?」


「よっぽど、道中で大型の魔法を、連発した日でもない限り、充填ぐらいなら、余裕があるから

 ・・・・・・気持ちだけ、受け取っておく。」


「じゃあ、困った事があったら何でも言って下さい。」


「困ってる事ならあるわ。」


「何でしょう!?」


「・・・・・・毎回どう言ったコーナーをするか、悩む上に、さちが、体を張ってくれない。」


「・・・・・・。」


「・・・・・・言ったけど?」


「さて、そろそろ話が脱線してるので現地紹介は終わりますか。」


「・・・・・・逃げたね。」






「さて、長々と現地紹介をやってたらかなりいい時間になりました。」


「じゃあ、次回の、予定ね。」


「そうですね、ずっと帝都に滞在ってわけにもいけないですし次に行きましょう。」


「と、言っても・・・・・・ここからなら帝国の様々な地方へ行きやすいし

 まだ、領地の半分すら回ってないから、ルートの候補はいくらでも、ある。」


「つまり次回はどのルートで進むか未定って事ですね?」


「そうね、何にせよ、次の街や村に、着いたら放送する。」


「その辺りはいつも通りですね

 ラジオの前の皆様も気長にお待ち下さいますようよろしくおねがいします。」


「ついでに、移動の間に、またお便りを、募集。」


「現在募集強化中のお題は

 今年になって自分のここを変えたい場所

 冒険の疲れを取るための視聴者さんお勧めの方法

 ノワさんの女子力をどうやって上げたら良いか

 の、3つとなっております。」


「気軽に、送ってくれると、嬉しい。」


「では、今日はこんなところにしましょうか。」


「そうね、お疲れ様。」


「はい、ノワさんもここまで聴いて下さった皆様もお疲れ様です

 お相手はさちと。」


「・・・・・・ノワでした。」


「次回もお楽しみにー。」


「・・・・・・またね。」


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