第24回配信「雨乾都市」
「ラジオの前の皆様、こんにちは
さちです。」
「・・・・・・ノワよ。」
「本日のウィッカラジオ、放送始めて行きますよ。」
「最後まで、よろしく。」
「さて、前回からほとんど間は空いてないわけですが
無事に雨乾都市ザルバナへやって参りました。」
「前回が、ちょっとイレギュラーな、放送だったからね。」
「そうですね。何もない宿泊小屋で機材の準備をしだした時は
一体何だろうかと思いましたよ。」
「結果的には・・・・・・放送して、よかったと言う事で。」
「その辺りはどうなんでしょうね?
私の個人的な話ばっかりで皆様退屈だったんじゃないでしょうか?」
「つまり、感想が欲しい、と・・・・・・。」
「い、いえ、そう言うわけじゃないです
むしろ感想ならラジオ全体とか各コーナーへのお便りとかそう言うのにして下さい。」
「まぁ、いつも通り、気軽に送ってくれると、嬉しい。」
「今日は宣伝早いですね。」
「言える時に、言っておく。」
「では、そろそろ平常運転に戻して
ウィッカラジオ、スタートですっ。」
「さて、無事に目的地まで辿り着けましたので、旅の行程と現地紹介に行きます。」
「南端の港町で準備した、私たちは、とりあえず大陸の南端である、ケプホ岬を目指した。」
「特別何かある場所ではなかったですけど、右も左も海で絶景でしたね。」
「後は、航海の目印になるよう、灯台があった、くらい。」
「とりあえず大陸の端まで来たって記念だけで十分です。」
「そう言うもの、なのかな?」
「そこからは南端の港町から続く街道へと移動して、平原地帯を進んでました。」
「この季節は、雨が少ないから、草もほとんど生えず、見渡す限り土の地面ばかり。」
「後はところどころ点在してる低木ぐらいでしたね。」
「道がなければ、確実に迷ってた・・・・・・それぐらい何もない。」
「見晴らしが良い分魔物や盗賊から不意打ちを受ける心配がなかったのは大助かりでしたけどね。」
「まぁ、それでも、襲ってこないわけではない
・・・・・・むしろ、遠くからでも見えるから、意外と魔物が、集まってくる。」
「人間2人なんて肉食の動物や魔物からしたら、狩りやすそうな相手ですからね
あ、勿論こうやって放送してるからには食べられたりしてませんよ。」
「身体能力では劣っていても、そもそも近付かせなければ、いいだけ。」
「そんな感じでノワさんが遠距離魔法で大体迎撃してくれました。」
「夜はその辺り、遠目に気付く事が出来ないから、危険。」
「だからこそ前回放送をした場所のように、街道沿いに宿泊小屋が建てられてるんでしょうね。」
「外敵から襲われないのと、日が沈むと低下する気温に対応できる、便利な建物。」
「本当に家具とかもなく最低限建物が建ってるだけって感じでしたね、それでも助かりましたが。」
「そう言ったものを使って、休みながら、平原を抜けて着いたのが、この街。」
「雨乾都市ザルバナですね。」
「雨季と乾季、季節ごとに大きく気候が変わる地域。」
「現在は晴れ間続きですし、水不足で平原の草も枯れてるようですから乾季のようですね。」
「そう・・・・・・この季節は、ほとんど雨が降らないから、生活用水も、大変。」
「宿のお風呂も利用制限がかかってました。」
「水不足は、密接に、生活に関わるから、無駄遣いは、出来ない。」
「お風呂は無駄じゃないと思いますけどね・・・・・・。」
「数日入らないでも、死にはしない。」
「えぇ、言ってることは分かりますが。」
「たっぷり使いたければ、自分で汲みに行く?」
「汲めるところとかってあるんですか?」
「乾季でも、水が完全になくならない、一部のくぼ地などから、組んできて、使ってるらしい。」
「なるほど。むしろ汲みに行かないと水が手に入らないって状況は辛いですね。」
「この辺りの地域なら、当たり前・・・・・・と言うか、旅の途中は、そこまで潤沢に、水はないでしょ。」
「野営の時に近くの川とかから組んで来てますね
まぁそれは分かりますが、街単位でそうなるって言うのはほとんど見た事ないですから。」
「基本は一緒・・・・・・汲みに行く手間を考えて、節約する。」
「えぇ、たしかに一緒ですね。」
「その分、水を節約しての生活法や、この時期水場に集まる動物の狩猟、調理法
他にも、乾燥に強い植物の栽培法など、独自に発展した分野も、多い。」
「凄いですね。土地に合わせて適応する人間の知恵は。」
「そうね・・・・・・北から南まで、これだけ幅広く適応してる生物は、たぶん少ない。」
「それで、そんなこの地方独自に発展したもので面白そうなものは何かないんですか?」
「さちが好みそうなもので言えば・・・・・・乾燥に強い、特定のイモ類の栽培が多い
これらはひいて粉にして、それを練って主食にされる・・・・・・らしい。」
「まず食べ物の話ですか、たしかに嫌いではないですけど。」
「仕方ない。本の話でも出来たらいいけど、その辺りの文化については調べるにも時間がかかるし
旅の途中で購入出来ない、読む暇がない、と言った問題から、あまり向かない。」
「色々な国の本とか読んでみたいですけどね、かさばるので最近は全然買ってないですね。」
「そうなると、旅の娯楽は、自然と食の話に、移りがち・・・・・・。」
「えぇ、料理だったら各都市でその場で楽しめるから、毎回新しい街に行くたびに楽しみにはしてますけど。」
「だから、一番興味を惹ける、かと思った。」
「否定はしません・・・・・・。」
「そう言うわけで、イモ粉を練った食べ物が主流
後は、水があまり使えないから、素材の水を無駄なく利用できる、蒸し煮の類の料理が多い。」
「主食って言うと米や麦系統のイメージが強いですけど、そう言ったパターンもあるんですね。」
「米や麦は、栽培に水が多くいるから、どうしても下火になりがち。」
「やっぱり地方によって違うものですね、勉強になります。」
「あと面白そうなものとなると、乾燥による肌へのダメージを防ぐ、豆類の油で作った防止剤とか?」
「肌荒れは女性の天敵ですからね。」
「ついでに言えば、水分を生み出すことは出来ないから、乾燥ダメージは、魔法でも、防げない。」
「ノワさんにもその辺りに弱点がありましたか。」
「日照とかによる、肌への影響なら、遮れるけど・・・・・・その辺りで、限界。」
「なるほど。体の管理も旅する上では重要な要素になりますからね。」
「まぁ、ラジオは映像とかないから、多少の肌荒れなら、問題ないけど。」
「大有りです。ノワさんは身だしなみ含めて無頓着すぎます
外見は年頃の女の子なんですからその辺りもう少ししっかりしましょうよ。」
「そう言うわけで、豆類の油を合成した、クリームの類が、人気・・・・・・らしい。」
「腐らないでしょうし試しに良さそうなのを探してみてもいいかもですね
後は値段次第ですが・・・・・・。」
「流石に、そこまで詳しくは、知らないから、明日にでも、街で探してみて。」
「まぁ、何か目的があると買い物もはかどりますしそうしましょう。」
「さて、長くなったけど、これぐらいで、いいかな?」
「そうですね
あっ、そう言えば・・・・・・。」
「何か、あった?」
「この辺りの平原って今は草も少なくて地平線が見えるじゃないですか。」
「・・・・・・そうね。」
「だから日の出と日の入りが凄い綺麗なんですよ
ラジオだから写真とか皆様に見せれないのが惜しいぐらいです。」
「その辺りは、諦めるしか、ないね。」
「真っ赤になりながら地平線に沈んでいく太陽。説明し切れないのが惜しいですけど
何もない平原にはそれなりの風景の楽しみもありました。と言う事で一応ご報告です。」
「旅で感じた事を伝えるのも、ラジオとしての内容だから、そう言うのは、入れていってくれて構わない。」
「まぁ、そんな感じで現地紹介でした。」
「さて、今日は現地紹介だけで、すっかりいい時間。」
「では次の予定に移りましょうか?」
「そうね・・・・・・まぁ、方向性は、決まってはいる。」
「次はどんなところになるんでしょう?」
「灰原都市カサージ、平原のさらに奥にある、街らしい。」
「平原のさらに奥ですか、どんな土地が待っているんでしょうね?」
「さぁ、ここよりさらに厳しい気候か、ここがピークで、逆に肥沃な土地に変わるのか
行ってみないと・・・・・・分からない。」
「まぁ、都市があるって事は住める場所って事ですし、最悪の事態はないと思いましょう。」
「実際に、どんな場所だったかは、次回の放送を、楽しみに。」
「そう言うわけで、次回の放送は灰原都市カサージに着いたらになります。」
「それまでの間、また感想などを、待ってるわ。」
「現在募集強化中のお題は
今年になって自分のここを変えたい場所
冒険の疲れを取るための視聴者さんお勧めの方法
の、2つとなっております。」
「それ以外でも、気軽に送って・・・・・・欲しい。」
「ではでは、そろそろ締めに参りましょうか。」
「特別に、感想とかは、ないけど。」
「とりあえず今回も聴いて下さってありがとうございます
次回もよろしければこの番組を聴いてくれると嬉しいです。」
「聴いたついでに、何かあれば、感想機能から、返信をよろしく。」
「それでは本日はここまでです
お相手はさちと。」
「・・・・・・ノワでした。」
「最後までお疲れ様でした。」
「・・・・・・またね。」




