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「ハー?」
変な男が間抜けた声を上げ、太った男と顔を見合わせる。
ズゥン。
ズゥン。
ズゥン。
次々続く重低音。
一撃必殺のはずの地雷の爆音、それが足音のように徐々に近づいてきている。
お?お?と太った男の肉が揺れる。
バキ、バキ。
メリメリメリ。
継いで、まるで重機が無理矢理押し通るかのような破壊音。
変な男が窓に駆け寄り、ガラリと開ける変な窓。
その窓枠に、粉々に叩き壊された警備ロボット。
ガシャリとばかりに投げつけられる。
「ナッ!ナンジャアアリャア!?」
窓から見下ろす庭園の光景。
闇の中。
月明かりに照らされた半裸のサイボーグがひとり。
黙々と群がる警備ロボットを鉄屑に変えている。
ポカーンと立ち尽くす変な男。
その脇を疾風のように鎧が駆け抜け、窓から跳び出していく。
「(あの人…いま笑ってなかった?)」
美女が首を傾げた数秒後。
飛翔音を立て、ミサイルの雨が降り注いだ。




