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三十七話 気にはなっても
「能美野さんですよ!能美野さん!」
「だから…誰?」
「ファミレスであった彼が気になっている様に見えるんですが…」
「はっ?それ?何の話?」
「ほら…私のバイト中に…」
「あぁ…で、どうして早苗が彼の名前をしってるの?」
「えっ?だって先輩が言ったんじゃないですか…ノミノシンゾウって…」
「へっ…?あっ!あれはね、気の小さいたとえで言っただけで、名前は知らないわよ…」
「…名前しらないんですか?…」
「知らないわよ………あっ…確か…ケンジとか言ってたような…」
「先輩は、また会ってみたいとか…思いますか?そのケンジさんに…」
「遠慮するわ…私は、一人の方が気が楽だし…こんな私に、恋人なんて…」
「私にはお似合いに見えたんですけど…」
「もし、そうだとしても…私…AV女優よ…」
「先輩、仕事とプライベートは別だと思うんですけど…」
「そう、思いたいけど…彼に迷惑がかかるから…」
私の脳裏に一瞬、彼の困り顔が現れて、そして消えていった。
「先輩!迷惑かどうかは本人に直接聞いた方がでも良いと思うんですけど…」
「そんなの無理よ…だいたい連絡先を知らないし…」
「ですよね…普通なら…」
そう言って早苗はポケットからハガキ程の紙切れを取りだし私の目の前に置いた。




