ミッション『病に苦しむ少女』クリア(2)
青髪の少女と、ミアは未だ言い争っている―――というか、青髪の少女が一方的に文句を言っているだけのような感じもするが。
口論する二人を横目にすり抜け、俺はモアへアイテムを譲渡した。すると、モアが『ありがとう……これで助かるよぅ……』と呟いた。
同時に、俺の手のひらにあったアイテムが『がしゃあん』という音を立て、塵となった。続いて、モアの頭上に付いていたカーソルのようなモノの色が変化して(病気状態が治った、とかを表現しているのだろうか)、ミアのそれと同じ色合いになった。
ぱんぱかぱーん。ミッションクリアー。
《病に苦しむ少女》クリアー。
無機質なサウンドが鳴り響き、味気なく俺を祝福した。
青かった目の色が、メラメラと燃えたぎる赤に変化している。
「ちょ……ど、どうやってそのアイテムをドロップさせたんですっ……!?」
さっきはミアの胸ぐら掴んでいる背中しか見えていなかったので、顔は初めて見る。まん丸い眼鏡をかけた魔法使い調の少女は、背後から見た時の推測通りローブのようなものを着ていた。なんか華奢な身体に、ぶかぶかのローブはアンバランスだな。
それはそうと胸ぐら掴むのはやめてほしい。華奢な少女のものとは思えないパワーで、スケルトン・アーマーという鬼ダサい服を着た俺の身体は、段々と宙に浮いて来ている。く、苦しい。
「ぐぅえあああ……く、苦しい……」
「早く言えと言っているのですよ! どうやって……あの『負けイベント』をクリアしたのです……か……って、そ、その火炎放射器は!? あれはダンジョンに入る前の限定アイテムじゃないんですかっ!? それに、そのダサい『スケルトン・アーマー』を着ているということは、まさかあのボスを!? いやその前に、火炎放射器をどうやってアイテムストレージに格納したのですっ!? 詳しく教えてくださいっ!」
「は、離して……」
この子話し過ぎだろ。第18話の俺のセリフ量よりも多い文章を、一度のかっこで話し切ったぞ。




