世界の救い方と番組コンセプト
新しくスタートした仕事も順調。
各事業は基盤となる基礎機能を手に入れてさらにどんどん拡大成長している。
グループ全体としては現実世界にも大規模シェルターを建築することを決定済みだ。
表向きは超大型リゾートの建築施工。
実際には完全自給自足の独立活動が可能なコロニーの構築である。
それを北海道、東北、関東、中部、関西、中国、九州にひとつずつ作る計画だ。
とはいえ実際に作るのはひとつだけ。
あとは各エリアの誰もいない山にでも土地だけ抑えておけばいい。
Xデーに高い壁をセットしてあとはコピーすればいいんだからなんとかなる。
問題は最初の一つを魔法を使わずに作らなければいけないってことだ。
そしてエリアの収容人数は多ければ多いほどいい。
必要なのはまず居住区。
そして農業、酪農、畜産。
あとは病院、教育、レクリエーション。
ここまでが最低限必要な機能になる。
箱だけがあっても意味がない。
中で働く人々も必要なんだけどそれはまた追々考えるしかない。
まずは箱づくりだ。
おそらくは普通の工期を使えるほどの時間の猶予はない。
ちょっと思いついたのは千葉にある巨大テーマパークの存在。
周辺のホテルは公式・公認のものだけで4万人ほどの収容能力があるという。
まだまだ周辺には居住区に使えるスペースはあるし、ホテルをコビーすれば10万人以上は……いやもっと避難できるだろう。
真ん中のパーク部分に公園や病院、学校なんかの公共施設やレクリエーション施設を置けば避難所としてならば成立すると思う。
てかパークをまることコピーしたらいいのか。
でもその場合に足りないのは自給自足。
これがないと長期的な維持が出来ないので致命的だ。
それをどう成立させるか、オリジナルプランとパークコビーパターンの両軸で検討して早期のうちに決定することにした。
課題は多いが、保険もある。
目指すものは見えた。
――――――
大型シェルターについての会議に続いては、シシTVで流すユキナとミズホのコンテンツ会議だ。
中心になっているのは掛川くん。
もともとは敏腕プロデューサーなので実に頼りになる。
科学班と新会社での激務にも関わらず、このプロジェクトにも参加してくれている。
「身代わりくんを使うんですから第三者のゲストは使えないですよね」
「そうなんだよな。まあ初回はスペシャルってことで誰か呼んでもいいけどさ」
「それもなんだかなあ。ユキナはミズホとふたりがいいなあ」
「ミズホもー」
「シシTVって水着とかどうなんだっけ」
「健全で必然なら◯です」
「まあ無いよな。そもそもそういうことじゃないし」
「シシくんと田城さんはどこに刺さったの?」
「ミズホのオリジナルMVにユキナ出演」
「めちゃくちゃいいじゃないですか!」
「いや制作としてはだな、その少し斜め上をいかなきゃダメなんだって」
「それは追加企画でやってくださいよ。もうMV企画しかボクはやりたくないです」
「おいおい」
「そもそもミズホちゃんのMV、全部撮り直したかったんですよね! いや、これまでの作品も良いんですよ? でも引き出しはそこだけじゃないっていうかね。それをユキナちゃんで撮れるなんて夢のようだ!」
「「かけっち落ち着けー」」
「相手役が必要だよなあ」
「「ウミさんがいい」」
「あーね、ウミくん!」
「「まあウミくんでもいいや」」
「あとは……サチさんにも出てもらおうか」
「それいいなー! サチ、女優さんより綺麗だもんー」
「間違いない。なんでタレントやってないのか不思議だよね」
なんだか話がどんどん進んでるぞ。
ちな私は出ないからな。
あれこれぼんやり考えていたらふと思いついた。
別に目新しくもないよくあるアイデアだけど……以外にアリかもな。
「やっぱり単なるMVの新撮だけじゃつまらないな」
「いいじゃん」
「楽しみだよ」
「……映画を撮ってみないか」
「「「え?」」」
「楽曲に合わせた映画だ。映画じゃなくてもドラマとかショートムービーでもいい」
3人は顔を見合わせて叫んだ。
「「「やばーい!」」」
一気に話が盛り上がる。
「映画、いいですね。クリエイトを使えばどんなロケだって組める」
「新天地ならドローンも魔法新技術も使い放題です」
「てかさ、リュカ! ウミミとウミミーノも!」
「ハチもゴブもおっくんも小川も!」
「あー、確かにな! いずれ来るファンタジー世界との融合を示唆するってことか。断然アリだな!」
「キターーーーー!」
おい、いつ来た三花くん。
異世界をもっと本格的に流行らせるか。
モンスターの悪い先入観も壊しておけるかもしれない。
コンセプトは決定だな。
さてどんな映画を作ろうか。




