覚醒ラッシュ
ファミリーが増えた。
世界を救うにはまだ足りないのかもしれないけれど、全員が信頼できる仲間だ。
きっと成し遂げてみせる。
そのためにも親睦をはかってみんなを覚醒させなければいけないな。
というわけで歓迎会をしたわけたが……その翌日、事件が起きた。
ウミ(覚醒)
ユキナ(覚醒)
ミズホ(覚醒)
古杉
三花
親父
サチ(覚醒)
そうなのだ。
サチが覚醒したのだ。
ギルが見えたことで発覚した。
まさかと思ったのだがステータスも出た。
覚醒は私との距離感、関係値によるものだというのは間違いない。
その上で、付き合いの「長さ」よりもどうやら違うものを基準にしているらしい。
おそらくは「深さ」だということが証明された形だな。
男女になったわけではないけれど、親愛や友情よりも愛情なのか?
ということで、ここまでスキップされると古杉くんと三花くんの凹みっぷりはヤバかった。
特に三花くんだな。
何を思ったか私にキスしようとしたからな。
やめてくれ。
多分そういうことじゃない。
「ボクも抱いてください」と叫んでいたがそもそも誰ともそんな関係にはなってないからな!
ふたりにはそこんところをきっちりと伝えておいた。
親父は大爆笑していた。
とはいえだ。
身を守るという意味では男性3人にも覚醒はしておいてほしい。
ギルに聞いてもわからないと言ってたし。
「循環」は間違いなく有効だと言うのだが、それを言うなら女性3人とは関係を持っていない。
なのでそんな法則も関係ないと思うのだが……。
あ。
たまに記憶なくして朝を迎えるけど……。
まさかな。
朝起きたらたまに3人がくっついて寝てるあれな。
いやまさかな。
いや。
なんかあり得る気がしてきたぞ。
「おいギル。お前さ、アイテムボックスの中から外のことってどれくらい見えてるんだ?」
「ん? どういうことだ?」
「いやそのまんま」
「中にいたら何もわからないぞ。外を覗けばもちろんわかるぜ」
「あのさ、たまにあいつらに魔法かけられてオレが記憶なくすときがあるんだけど」
「あーあれな。まあノーコメントだ」
おい。嘘だろ。
「え、まさかそれって『おい!』」
「それ以上は何も聞くなよ。オレが殺される」
なんじゃそりゃーーーーーっ!!
―――――――
3人を呼び出して問い詰めたところ白状した。
寝かしつけてから1時間交代でハグしてたそうだ。
アレコレはさすがにしてなかった。
それだけは先々順番が決まっているそうだ。
出会った順番で。
ユキナ、ミズホ、サチの順らしい。
それもどうかと思うのだけど。
私の気持ちはどこに?
ということは三花くん……。
これがバレたらえらいことになるな。
3人にはそれをバラしたらもう家を追い出すと言ったら猛省していた。
でもハグを止めるのは無理だと開き直りやがった。
強くなって自分の身を守れるようにならないとウミさんの弱点になる。
それだけはなにがあっても嫌だと言われてしまった。
真剣な顔でそう言われるとさすがに何も言えなくなった。
なんでこんなに愛されてるんだろう。
不思議でならない。
今月50のおっさんだぞ。
その日の夜。
閉店後に親父の店に集まった。
覚醒についてはまだ条件が不明。
だが私のことが好きだと公言してる女性ばかりが対象になっているのでおそらくは私への親愛が鍵になっていると思われることは仮説のひとつとした。
三花くんが毎日愛の告白をすると言ってきたので断固拒否しておいた。
あとはもしかするとなのだがひとつ可能性がある。
私の魔力に触れている時間の長さ。
彼女たちは私の魔力で作った屋上リゾートに住んでいるのだ。
この説にはギルも反応した。
「あるかもな。マスターの濃い魔力にあてられたってのは筋が通る」
ならばとレッスンフロアをまたまた改装。
ちきしょう、一度も使わなかったぞ。
真ん中に温泉とサウナを配置してそれを囲むように部屋を配置した。
とにかく濃密な魔力をイメージしながらのクリエイトだ。
そこにしばらくマネジメントコンビと親父にも泊まってもらうことにしたのだ。
なお、親父の部屋はほかのふたりより広くてマッサージ機もつけた。
毎日仕込みから頑張りすぎてる。
ちょっとでも疲れを取ってもらおう。
さてどうなるかな。
結果――。
大正解だった。
翌朝、3人ともギルを視認できたのだった。
三花くんは常軌を逸した踊りを披露していた。
現在のファミリーステータスはこんな感じだ。
咲良ユキナ
HP→700
MP→550
攻撃 →150/2200
防御 →500
魔法→600
スピード→750
運→999
固有スキル/剣豪
【肉体強化】(弱)
【魔法属性】雷、水、風、聖
【語学】
一ノ瀬瑞穂
HP→550
MP→250
攻撃 →1100
防御 →600
魔法→250
スピード→700
運→999
固有スキル/格闘家
【肉体強化】(弱)
【魔法属性】炎、土、聖
【語学】
里山さち
HP→50
MP→500
攻撃 →20
防御 →20
魔法→500
スピード→50
運→999
固有スキル/慈愛
【肉体強化】(微)
【魔法属性】聖
【語学】
鈴木吾郎
HP→50
MP→800
攻撃 →30
防御 →80
魔法→900
スピード→90
運→999
固有スキル/賢者
【肉体強化】(微)
【魔法全属性】
【語学】
【魔力回復】
古杉 章
HP→700
MP→50
攻撃 →700
防御 →1200
魔法→50
スピード→100
運→999
固有スキル/タンク
【肉体強化】(弱)
【魔法属性】炎、土、水
【語学】
【鉄壁】
三花 剛
HP→300
MP→600
攻撃 →300 /1000
防御 →100
魔法→450
スピード→200
運→999
固有スキル/弓
【肉体強化】(弱)
【魔法属性】風、雷、炎
【語学】
【飛行】
見事にタイプがわかれたな。
サチは白魔法。
親父が賢者。
古杉くんはタンク。
三花くんは遠距離攻撃。
そして私たちがアタッカーだ。
なかなかいいバランスに思えるのだがどうだろう。
男3人はまだ覚醒したてなのにそれぞれ属性に合わせて数値が長所として表れている。
本人の資質に合わせて能力が開花した感じだよな。
先行してたユキナとミズホも数値は上がってる。
実戦もまだなのに確実に成長しているんだな。
ともかくこれで全員が目覚めた。
少しは安心できる。
ということで魔法袋をコピーしてプレゼントした。
中身もあれこれ入れておいたぞ。
武器についてもそれなりに考えていたようだ。
古杉くんはタンクだけに盾がほしいと言ってきた。
三花くんの教科書を調べて攻撃もできるものが気に入ったそうだ。
盾なんて普通は売ってないからな。
機動隊が使うようはのは目じゃないヤツをしっかりクリエイトしてみたぞ。
三花くんは迷わず弓とアーチェリーをチョイス。
あとはハグレだ。
次にどんなモンスターが現れるのか。
強いアラートが来たのはそんなことをみんなで話し合っていた最中だった。




