FILE28 祭りの終わりとこれからの道
短い期間でしたが、俺と後輩の珍道中を楽しんで頂けたでしょうか?
ここでひとまず、完結にさせて頂きます。
これからも色々と書いていけたらいきたいと考えているので、ぜひ応援して言ってください。
気がついたら太陽が既に沈みかけていた。
正直にいうと、まだ一日が終わっていないのかという印象すら受ける
大会の結果はなんと麗奈が掻っ攫っていた
どうやら、来栖と一緒に倒された時、ダメージをかなり受けてはいたのだが、彼が盾となっていた為に致命傷となるダメージを受けず、そのまま静観していたらしい。
「ヘッヘ〜ん。どうです?先輩私見事に優勝しちゃいました。」
「ハイハイ。凄い凄い」
「...まさか、あの時に既に仕留め損ねていたとは」
と目に見える形で落ち込む圭介
そりゃまぁ落ち込むわな、あんなカッコよく登場したのに優勝奪われたら...
ってか、こっちもそのつもりでいたから、正直恥ずかしいところ沢山あるんだけどな。
「でも...嬉しかったです。まさか私が先輩に託した拳銃でフィニッシュを決めてくれるなんて...」
「実際、あれしか俺に打つ手が無かっただけだ。一回こっきりの切り札だよ。」
まぁ結果は見ての通り、俺は優勝は出来なかったが、まぁ結果は残せただろう。
最悪の結果は回避したし、約束を果たせなかったのは正直思う所はあるが...まぁ何とか出来るだろう。
そんなことを考えていた時、天宮がこっちに近づいてきた。
「あの...有難う。」
「べ、別に気にするなよ。俺は俺のためにやっただけだからな」
俺は自分の本心を伝えたつもりだ。
正直な気持ちもあるが、今までのことを考えるとちょっと恥ずかしい所もあるが...
そんなことを考えていると、くすっと笑う天宮の姿が見えた。
「...なんとなくは分かっていたわ。多分来栖が頭首じゃないって事くらいは...」
「そういうものなのか?」
「えぇ...私も似た様な所がたくさんあったし...」
多分、彼女にも思う所は沢山あるのだろう...
俺と彼女は歩んでいる道のりが全く違うといっても良い。
ただ、偶々その歩んでいた道と重なっただけ。
「別にお前が気にする事じゃ無いんじゃないか?」
「へ?」
「人の幸せが何なのかはよくはわからないが、少なくとも、あいつは圭介の元で働けて誇りには思ってたと思うぞ」
そういう事だ。
彼女と彼の場合は根本的には違うが、
あんな風に自分を盾にしてでも、誰かの為に戦っている奴に対し良くないだなんて思うのは逆に失礼な気がした。
結局本人にしか分かり得ないのだ。幸不幸の話は...
その話を聞きながら、天宮はつぶやく
「じゃあ、もし私が今の立場から連れ去ってと言ったらどうしてくれる?」
「全力で連れ去る」
嘘偽りの無い本心からの言葉が咄嗟に出てきた
出来るかどうかは分からないけど、それくらいの覚悟くらいは訳ないだろう
そう考えながら話を続けていたら、天宮はフフと笑いながら、こう言った。
「...じゃあ、その時が来たら私を連れ去ってね。礼治くん」
「任しとけ」
そういって、天宮は後ろの執事のような人に呼ばれて、去っていった。
まぁ表彰式に出る理由もないし、見る意味もそんなに無いか
と思いながら、場を去っていった。
「ところで、お前は何しにここにいるんだ?」
「あ、バレちゃってたか」
「バレバレだっつうのお前の考えてる事くらい」
「おおよそ、お前も蹴っ飛ばして欲しかったんだろ?お見合い話」
こいつの性格の都合上結婚なんて面倒くさいと思っているのだろう
多分こいつの願い事ってのも同じようなものなのだろう
...相変わらず、どいつもこいつも
「...案外、そうじゃないかもよ?」
「何か、他に理由でもあんのか?」
「さぁ?とっとと行こうぜ、表彰式に」
と言いながら会場へと歩いて行った
少し圭介の足取りが軽いように見えた。
会場への表彰式の際、優勝者はちょっとした有名人となる。
理由は簡単。ここで選ばれた人間は基本的に運含め何かしらの能力が高いという証明になるのだ
そのためメディアへの期待値もわりかし高い。
表彰式の一番高い所に立った麗奈は周りに笑顔を振りまきながら、観客の心を鷲掴みしていた。
流石は女優の卵。常にアピールを忘れない謙虚な部分が垣間見える
そんなことを考えながら表彰式の台に立っていると一人の老人が壇上へと近づいていく
圭介は妙に緊張した顔つきで彼を見つめていた。
あいつの知り合いなのだろうか?
そんな事を考えていると近くにいた実況者が声が聞こえてくる
「それでは、今大会の主催者の第一人者である天宮平五郎氏による記念品贈呈を送って頂きたいと思います。」
なるほどね。天宮のお祖父さんって訳ね。
そりゃ、圭介もビシッとするわな。そう聞いた俺も一気に緊張してきたけど
天宮平五郎といえば、天宮グループの現社長だ。
名前に似合わず他人にも自分にも厳しいと聞く
圭介の行動を見る限り、どうやら、火が無いところに煙は立たぬという言葉通りどうやら噂通りの人らしい。
「御目出度う氷川麗奈君。それでは早速聴かせて頂こうか。君の願いとやらを」
「はい。それでは言います」
まぁ、彼女のことに関しては大体見当がついている。
おそらく、彼女の夢に関してのことだろう。
正直いって、かなり難しいかもしれないが、天宮グループの事だ。
チャンスの一つくらいは作ることが可能だろう。
そこからは、彼女の実力次第だが、きっと彼女なら、その夢を叶えることができると信じている。
「と言っても、私の場合は願いというより、一つの決意なのですが...」
「構わないよ。それを叶える為のサポートを我々が全力で行おう。」
と言って、俺の方に向けられる麗奈の手
俺にも関わる事なのだろうか?
「ここに居る常盤礼治先輩と婚約関係にして下さい」
「よし、了承しよう」
その瞬間、一気にワァと叫ぶ観衆の面々
しかも、あの爺さんも満足げににっこりしてる。
というか、一番喜んでる。
俺は急なことに対応できず、麗奈の方を向く。
麗奈はニマッと笑いながら、こっちの方を見つめていた。
「ってか、なんで俺?お前なら、もっといい人が見つかるだろ?」
「前に言いましたよね。私は先輩のことが好きです。だから、どんな形であれ、私の方に振り向かせてみせます。」
「良くぞ言った。娘さん。我が孫娘を誑かしたそいつとくっついてくれたらこっちは万々歳じゃ」
成る程、どうやら他人と自分限定で、孫娘は論外ってか
俺かなりこの老人に嫌われてるのね。どうやら、越えるべき壁はかなり多かったらしい。
そして、平五郎さんは俺の隣を見て告げる。
「言っとくが、小僧。貴様にも渡すつもりなど鼻っからないわ!!思い上がるのも大概にせぇ!!」
「....はぁ」
どうやら、俺の創造とは違う意味で厄介な人だったようだ。
そして、この爺さんとあまり関わりたくないから、天宮は表彰式を見なかったかのようにも感じた。
「これからも宜しくお願いしますね♪先輩」
「...はぁ」
どうやら、俺の人生は俺が決めた道だ。
これまで一度も後悔した事なんてないし、これからもそういう道を歩んでいきたいと思っている。
ただ、なんとなくわかってきたことも一つだけある。
俺自身はこいつの事は嫌いになれない。
...こういう所がある奴だってのは初めてあった時から、知ってたからな。
でも、正直楽しいと思っている俺自身もいる。
だから、この先も続いていくのかもしれない
俺とこの後輩の前には珍道中があるという事を




