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3話

自分の大きな手をギュっと握り、恐怖で膝を震わせながら涙目で一生懸命ついて来る竜也の姿を、不謹慎ながらかわいいと思ってしまった青年がいた。




10分もしないうちに森を抜けると、目の前には大きな門があった。そのすぐ下には門番らしき人が2人。



「この中が街だよ。まだ10の鐘は鳴っていないから、街に入ればきっと明るいぞ。もう少し、頑張れ」


そう言ってしっかりと握った手をひいて門番の男に話しかける。


「久しぶりだなユーリ!お勤めご苦労さま。」


門番の男の1人はユーリというらしい。

そういえば、お兄さんの名前知らないな…。

竜也かそんなことを考えているうちにも話は進んでいた。



「お前がこんな時間に街の外に居るなんてめずらしいな。」


「あー…ちょっとペットが脱走してね、あはは…じゃなくて!はやく中に入りたいんだ、通してくれないか?」


「そういえば、不思議な子連れてるもんな。ちょっと確認しよう。」


そう言って腰についていたバックからタブレットのようなものを取り出して何かの表を開いた。


「キミの名前と、何歳かだけ教えてくれるか?あ、私はユーリだ。」


ユーリ?名字は無いのかな、と思いつつコクンと頷くと、合わせるように自分も名前の方を名乗る。


「僕は竜也。15歳です。」


「なっ!?」

「えぇ!?」


2つの驚く声に驚いた竜也はビクッと肩を揺らしてしまう。


「すまん、驚いてしまってな。この身長で15歳か…いたか?」


「リューヤ、リューヤ…うーん、戸籍登録されてないみたいだ。リューヤ、自分がどこから来たかわかる?」


「あの、僕迷子で、気づいたら森の中で一人になってて、こんな大きな門なんて初めて見たし、変な生き物までいたし、」



思い出してまた泣きそうになっていると、大きな手が頭に乗ってぽんぽんとあやしてくれてる。


「泣かない泣かない、俺はクレイシス。レイでいいぞ。」


「レイ…」


「そうだ。安心しろ、俺が助けてやろう。」


「…!!うん!」



お兄ちゃんみたいだ!と思い、リューヤが初めて笑顔を見せると、照れたように焦って話を進めだす。



「ユーリ、一先ず街に入れてくれ。もう夜も遅いし、みんなにもリューヤのことを紹介したいからな」



「あぁ、そうだな、今門を開けよう。」


そう言って開き始めた門を見ているとレイが手をはなしてなにかゴソゴソと顔に着けている。

バンダナみたいなものを口元を隠すように巻いているみたいだ。



「…マスク?」


「ん?あぁ、そうだよ、一応変装ってところかな」


「レイお兄ちゃん、有名人なの?」


「おにっ、、そ、そうだ、この街では俺はちょっとした有名人だな。」


「そうなんだ!かっこいいね!」



突然のお兄ちゃん呼びにレイは喜びを隠しきれずにいたが、門が開いたことで少し冷静になったみたいだった。



「ユーリ、ありがとうな。」


「いいや、これも仕事だ。リューヤのこと、何かわかったらまた連絡するから」


「いいのか?じゃあよろしく頼む。よし、行くぞリューヤ。」



僕はまたレイお兄ちゃんに手を引かれながらユーリさんにお礼を言って街の中に入っていった。






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