2話
茂みから飛び出してきた奇妙な小動物。
頭にはネズミのような耳と鋭い角が生えている。顔や体はうさぎに似ていて、でも尻尾は狐のような長くてふさふさなものだった。
闇の中に浮き出た真っ白なその体は、竜也を恐怖に追い詰めるには十分だった。
「なに、これ、、」
ただでさえ暗闇の中ビクビクしていたところに出てきた見たこともないような生物。
「やだ、うっ、、帰り、ひくっ、たいよ、うぅ」
泣き出した竜也に驚いたように謎の小動物は草の中を音を立てながら来た道を戻っていった。
「なんで、ひくっ、、だれかたすけて、ここ、どこ、」
その時またしても、ガサガサッ、という草を分ける音が聞こえてきた。
しかしさっきと違うところがあった。
小さな炎のような光と声も聞こえるからだ。
「…ぃ……おーい…どこ行ったんだー?」
その声を聞いた瞬間、恐怖でパニック状態になった竜也はついに大声で泣き出した。
「うぁぁぁん、やだぁこわいよぉ…ううぅ…たすけて…」
一瞬止まった声と草の音は泣き声に気づいたらしく竜也の前に姿を表した。
声の主は、綺麗な銀髪をサラサラと揺らす青年だった。
「キミ…どうしたんだこんなところで!!」
「ひっ!やっ、こわい、」
竜也を見つけるとすぐに駆け寄り、驚いたような声を上げた。それに怖がる姿に気づくと冷静になったようですまない、と謝ってから優しく、安心させるような様子で竜也が落ち着くのを待っていてくれた。
「ご、めん、なさい…」
少し落ち着いた竜也がヒクヒクとしゃくりあげながら声をだす。
「いや、そんなことよりだ。キミはなんでこんなところに1人でいるんだ?」
「わかん、ない、、こわいよぉ」
青年は困ったように竜也を見つめ、少し考えたあと竜也の手をとり光源である野球ボールくらいの大きさの光る玉を前にかざす。
「俺について来な。街に出よう。ここじゃあ不安だろ?」
はじめて会ったはずなのに優しい笑顔を向けながらそう言う青年に、コクン、と頷くとフラフラと立ち上がる。
「よし、こっちだ。」




