33話 勇者
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吉岡さんが叫ぶ!
「ゴブリンから何かドロップしましたよ!」
全員が振り返り1点を凝視した。そこには布らしきモノが1枚落ちている。その横には小さな黒い石も落ちているが全員布に注目していた。
「片山さん拾わないんですか?」
「ん……いや、俺は要らない…。」
「じゃあ、わたしが記念に貰ってよいですか?」
「え!? しかし、それは……良いですよ。ついでにそっちの黒い石がゴブリンの魔晶石ですよ」
吉岡さんは布とゴブリン魔晶石を拾い上げ嬉しそうに黒沢さんのところまで持って行った。
「黒沢、この布の鑑定頼む!」
黒沢さんが鑑定を唱えたが、ただの布となっていた。
変?……だなと思い俺は超鑑定を唱える。
《ゴブリンの腰布》
鑑定では分からないのか? 俺は超鑑定の能力の凄さを改めて思い知った。このことは黙っていることにしておこう。
「あ、そうだ。レベルが上がりました」
「私もです」
どうやらゴブリンを倒し3人ともレベルが上がったようだ。3人同時にレベルアップしたことを考え俺はある結論を出した。
レベルアップに必要な経験値は、パ―ティ―だとどうなるか分からなかったのだ。最後にトドメを刺した人に経験値が全て入る可能性もあった。
◇パ―ティ―全員に経験値が分配される
だが、まだパ―ティ―の定義がよく分からない。一緒に戦えば恐らくパ―ティ―認定されるような気がする。俺は3人に超鑑定を唱えた。
名前:水谷 守 32才
種族:人間
レベル6 → 7
HP F
MP F
力 F
防御 F
速さ F
運 E
【スキル】
剣術Lv1
名前:黒沢 勇次 32才
種族:人間
レベル6 → 7
HP F
MP F
力 F
防御 F
速さ F
運 D
【スキル】
鑑定Lv2
名前:吉岡 哲也 32才
種族:人間
レベル6 → 7
HP F
MP F
力 F
防御 F
速さ F
運 F
【スキル】
剣術Lv1
全員レベルが1つ上がってレベル7となっていた。他のステ―タスは上がっていない。これで少しはゴブリン戦が楽になるだろうか!? いや、まだ駄目だな。
「片山さん! も少しゴブリン狩りをお願いできますか?」
「もう少しなら俺は構わないですよ」
黒沢さんに聞かれ問題ないと答えたところで時を見る。午後4時か―。あと2時間くらいが限界だな。午後から潜っているが初の人型ゴブリンで精神的にだいぶやられているはずだ。吉岡さんは傷も負っている。
少し進むと単独のゴブリンと出くわした。
ゴブリンはこちらに気付いて直ぐに向かって来た。さっきと同じように俺が前に出てゴブリンに蹴りを入れる。
『グギャ――』
蹴りがヒットするとゴブリンが近くの木まで吹っ飛び倒れた。すかさず3人掛かりで攻撃を加える。この方法なら全員で安定して倒せそうだ。
しまった!フラグを立てたか?
吉岡さんがゴブリンの最後の足掻きと思える出たら目な攻撃を足に受けてしまった。
「吉岡! 大丈夫か」
「大丈夫だ、かすり傷だよ」
ゴブリンが光の粒子となって消えて黒く光るゴブリンの魔晶石が残った。今回は腰布のドロップは無かった。
吉岡さんがボロボロだがまだ行けると本人は言っている。目覚めが悪くなってもしょうがない。俺は吉岡さんを回復させることにした。
「吉岡さん、ちょっといいですか?」
「はい。片山さん何でしょう」
「ヒール!」
吉岡さんの体が僅かに光り傷が消えた。
「ええぇ――、何ですかこれ??」
「回復魔法です」
「回復って…… あのぉぉ――、ゲームとかの回復魔法ですか??」
吉岡さんが自分の体を確認しながら驚いている。他の2人も驚き固まっていた。
「みなさん! 回復魔法のことは秘密にしてください」
「分かりました。しかし……、回復魔法など聞いたことありませんよ! もしかして片山さんは、勇者なのでは?」
「はぁ―。違いますよ。」
何とか俺の回復魔法のことは内緒にしてもらうことになった。
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