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「……はぁ…まぁ、要約するとお前は死ぬ。」by 怠惰なカミサマ 前編

「世界はどこまでも広い。」

「それ故に見つめ続け、必要最小限の手出しで安寧を保たねばならない。」

「だが、その責務を果たさぬ者には、それ相応の責務を課さねばならない。」


by 観測者の天使


「おーい!大丈夫か〜?ケガはないよな?」

「いや……アンタそんな強かったのかい?なら尚更……何ベッドでゴロゴロしてんだい。冒険者にでもなりな。」

「儂もそう思います。」

「私も。」

「僕も!」

「何でだよ!ベッドは平和の象徴なんだよ!寝させてくれよ!」


なんだか、よくわからないことになってるから、巻き戻して何があったか見てみよう。

もしかしたら、何か面白い事が見れるかもね。


〜3時間前〜


真夜中。月の光に紛れ、近づいてくる集団があった。その集団はスケルトン。アンデットと呼ばれる魔物に属している骨の魔物。俗説では魔物に操られているただの骨等と言われている。


「………何か寝付けねぇな……」

「んだってこんな時に嫌な予感がするんだよ……寝起きは辛……い……な…?」


この時ユスフィルの目に入った光景は、普通なら驚くべき光景だったんだ。

一つの「集団」ではなく、一つの「軍隊」の様に武装し、訓練されているかの様に見えるスケルトンの集団。方向を見る限り、村に向かっているとしか思えない。

だが、この神(主人公)は感覚がバグっている為、特に動揺はしなかったんだ。でも、代わりに思い浮んだ言葉があった。


(俺が戦うの?)


な ぜ な の か

どうすればいいんだろうか……とか、そういう冷静だからこその思考をしてくれれば思考の発展はあったのだろうけど、コイツは違う。

誰か呼ぼうとか、他に策を考えたりとか、そういうのを全部スキップして「自分が戦う」という考えにたどり着いているんだ。

まぁ……結局みんな寝てるし、こんな小さい村に衛兵なんている筈も無いからね。

起きている自分が何とかしないといけないという思考に辿り着くのは、すぐとまでは行かないけど、それなりに早い到着なんじゃないかな。


「……え?ここで俺が決死の防衛戦しなきゃならんの?この先遠出も控えてんのに?」


不運か幸運かよく分からないが、例の大群は教会側の大きな丘から来ている。……まぁ、ユスフィルにとっては不運以外の何者でも無いだろうけど。

こうなったらもうやるしかない。だって睡眠の邪魔が入った後に仕事の準備が台無しになったなんて、絶望以外に表せる言葉は無いからね。


「ハァ……しゃーない、行くか……」

「『裁縋(ディオス)』。」


一言言うだけで、ユスフィルの手元には淡く光る大きな鎚が握られていた。

それは、ユスフィルが創り出した武器。戦闘自体が面倒臭いから、適当に振ってるだけで終わるこの武器をずっと使っている。

ゆっくりと歩を進め、ついに目と鼻の先まで近づいた瞬間、


「ほいじゃ、行くぞ〜」


周囲が薙ぎ払われた。スケルトンの体は粉々になり、頭は辛うじて残っている程度。

早上がりの為に、ユスフィルは鎚を振り続ける。

だが、スケルトン達は歩みを止めない。それどころか、さっきよりも数が増えている気がする。


「あのなぁ……こういう事言うのも何だが、いくら何でも多過ぎないか?とっっっっても面倒なんだが?」


文句を言いながらも少しづつ殲滅してゆく。

だが、スケルトン側も黙って見ている訳では無い。一斉にスケルトンが散開し、奥からローブを纏ったスケルトンが現れた。

スケルトンの中には魔法を使う存在もいるとい言われ、一般的に「スケルトンメイジ」と呼ばれている。中々強力な魔法を使うと言われるが……


「ほい。」

気の抜けた声と同時に魔法がかき消え、ユスフィルの正面が更地になった。面倒臭くなって、周りを一掃するためにちょっとだけ力を入れて鎚を振り下ろしただけで。


「ははっ。まぁ……これも神の配慮って事で。」

何を言っているのか全く分からないが、逆にスケルトンの勢いは未だ衰える様子を見せない。


〜十分後〜


「ぁぁぁぁ!もぉぉヤダァァァ!」

「多過ぎる!あまりにも多過ぎるゥ!ンだよ!何がしたいってんだよ!こんなちっちゃい村襲ってさ!テメーら全員入り切る訳無いだろうが!」


スケルトンは抵抗してくるし、止まらないし、何より何度粉々にしてもまた補充される。

さすがの怠惰神も、こういうのはお望みじゃ無いらしい。


「はいはいわかりましたァ!も少し頑張れば良いんでしょ頑張ればぁ!」

「『審判』!』

そう唱えると同時に周囲のスケルトン達がユスフィルの頭上から放たれた光の奔流に巻き込まれ、その残骸はキラキラと光りながら消えてゆく。


「はい乙〜!範囲攻撃に巻き込まれたらどうしようも出来んよなァ!このまま全滅ルート辿らせてやるよ!」

とんでもない煽り神誕生の瞬間である。スカッと爽快になって完全にハイになっている。


「『審判』は浄化効果もあるからアンデッド特効なんだヨ!このまま殲滅じゃ〜!」

だが、そう簡単に行かない様だ。


「……我らの進軍を阻む邪魔者は、貴様か。」

軍団の主、登場である。

ユスフィル

最高神。

最高神とはただの位の話であり、その神がどれほど強いか、どんな権能を持つか等は関係ない。どれほど世界に接し、世界を見てきたかで位が決まる。

ユスフィルの権能は「創造」、そして「保存」。

全てを創り出し、それらを保存する。そして、創り出した「全て」を「世界」と定義した上でまた創り続ける。

また、既存を創り続けるのが創造者の役割では無い。未知を創り出してこそ創造者の役割であり、存在価値。

創造する事に代価などは存在しない。それこそが創造者の意思、神の思し召し。

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