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詩全集4

春の譜面

作者: 那須茄子
掲載日:2026/03/29

四月の風が

まだ名前のない痛みを運んでくる

桜の花びらみたいに

触れたらすぐに散ってしまうような

あの頃の記憶を連れて


君の声は

春の光に溶けていくピアノの音みたいで

追いかければ追いかけるほど

遠くへ遠くへ逃げていく


それでも僕は

君の残した旋律の上を歩いている

途切れた音符の隙間に

まだ君の笑い声が落ちていて

拾うたびに胸がきゅっと鳴る


あのとき君が言った言葉は

嘘だったのかもしれない

嘘でもよかった

あの瞬間だけは

確かに僕を救ってくれたから


四月の空は今日も青い

君のいない世界は

少しだけ静かで

少しだけ優しい

そして僕は

君の嘘ごと

前へ進むことにした


春はいつだって

誰かを置いていくけれど

それでも

忘れることはない


また新しい音を連れてくる

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― 新着の感想 ―
使い古された言葉ですが「別れと出会いの季節」ですねぃ
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