29話 武器に恋し、爆発する姫
巨大離島リゾートに合宿に来た星明達、そこで出会ったお嬢様学校「桜ノ宮高校」の生徒「白咲 日和」と出会う。
合宿4日目、星明はホテルにて近藤と高橋と共にトランプゲームをしていた。
「だぁぁクッソ!!なんでそこで引くんだよ!!」
「ふっふっふ、分からないか近藤?俺は運任せで勝負をしてる訳では無い。全て計算づくなのだよ。」
「信……それイカサマトランプなのバレバレだぞ、折り目ついてるし。」
「な、星明!!そういうのは言わないのが暗黙の了解ってやつだ!!」
近藤は立ち上がりブチギレる。
「おい、いい加減にしろや。男なら正々堂々勝負しろぉぉ!!」
揉める近藤と高橋を見て、星明は笑った。
「おい何笑ってんだよきめぇぞ。」
「ごめん、この3日間の出来事が夢みたいだったから。」
「夢見てたのはお前だ星明、助けたその白咲って子の恩返しを断るなんてどうかしてるぜ。」
「俺も断りたくはなかった!!だけど、こんな事で女子の大切なものを頂くのは、とても許せなかったんだ。」
「お前はあれだろ星明、好きな人とクリスマス一緒になっても卒業は出来ないタイプだろ。」
近藤の指摘に、星明は枕をぶん投げた。
「それとこれとは別だ……!!クリスマスはせめて、キスぐらいは成功させてやる!!」
「言ったな星明、まあせいぜい頑張れよ。」
「そういえば、信の好きな人って誰なんだ??俺は黒音一筋だし、星明は……白咲だとしたら、信の気になる人が知りてえ。」
高橋は顔を隠しながら、自分の好きな人を明かした。
「……同じクラスの、爆恋 武姫さんだよ。」
「誰だ??いたかそんなやつ。」
「爆恋……爆恋……っっ!!お前その人とどこで知り合ったんだよ!?」
星明は思い出したかのように質問する。
「お、おい星明、知ってるのか??」
「俺と信は同じクラスだが爆恋さんの姿を見たことはない。何故なら、今は停学中だからだ。」
――爆恋 武姫、星明と同じ3組でメガネをかけた女子である。
停学中となっているのは、彼女の性格がとても危険だったからである。
彼女は武器開発を好んでおり、日々あらゆる爆発物を持ち込み、時には爆破したりして、遊んでいる。
そんな彼女は特に、ロケットランチャーをどこにしまっているのか、常に持ち歩いており、必要があれば発射している。
故に問題視され、現在停学中。――
「いやいや、どこでそんなヤバいやつと知り合ったんだよ。」
「たまたま外で会ったんだよ、停学中の身でありながら、河川敷にロケランを開発している彼女を見かけたんだ。」
――そんな彼女を見た時、高橋は驚いた。
同じクラスメイトに会っているにもかかわらず、彼女は無視をしている。というより、気づいていなかった。
それほど彼女は熱心にロケランを組み立てて研究している。
そんな彼女を見て高橋は声をかけた。
「爆恋さんじゃないか!!何やってるんだこんなとこ……」
爆恋は高橋の存在に気付かずにロケランを発射してしまい、高橋を爆破してしまった。
「わお!!ごめんなさい!!気づかなかったけど大丈夫??私の付近にいるのは危険だから離れた方がいいよ!!」
「待て待て!!俺だ高橋だ!!爆恋さんは何をやっているんだ!!」
「これは暗殺用ロケラン、気に食わない対象物をこの一発で微塵の欠片も残さずに破壊するんだ。」
「待て待て!!なんでそんな物騒なものを作っているんだ!!もっと他に何かあるだろ!!」
「……退屈なんだ、私は普通の科学とかものづくりでは満足しない。破壊出来る武器を作った時、私の中の快感が、絶頂に達するのを感じたんだ。
それから、ずっとロケラン作りにハマってる。」――
――高橋は熱心になる爆恋を見て一目惚れしたという。
「爆恋さんは1年生にして科学部の部長をやっている。彼女が楽しむ姿を見ると、和むんだよ。」
信がどんな人を好きになっても構わない。信の思いはおそらく本気なのだろう。だが、爆恋さんは人の恋愛に興味はあるのだろうか?
「その爆恋さんは今や停学中なら、合宿には来てないんだろう?というより、学校復帰も怪しいぞ?」
「それは無い!!爆恋さんはおかしい所もあるけど、頭はとても賢いんだよ。現に科学開発部という独自で部活を創設し、活動しているんだ。」
信の発言に誤りは無い。科学開発部という非公式の部活があることは吹雪会長も知っている。
が、会長はそれを容認しているんだ。なぜ危険な彼女の活動を容認したのかは聞いてみないと分からないが。
「爆恋さんがどういう人なのか、一度会ってみたいもんだぜ。」
「やめとけ近藤、お前は黒音だけの背中を追えばいい、そうすればきっと……」
――突如、ビーチサイドエリアにて大きな爆発音が響いた。振動で窓が大きく揺れる。
「な、なんだ!?何が起きたんだ!?」
星明達が急いで外を見ると、爆発はどうやら水中からのようだった。それも遠く離れた、遊泳する人達には危害が及ばないほど遠い距離で大きな水しぶきが山のように発生していた。
「水中で爆発!?んな事自然現象であるかよ!?」
「いいや……考えられるとすれば噂をすればきっと……!!」
ビーチサイドエリアに人が集まり注目する。そんな様子を、山岳エリアの山頂から見つめる1人の女性がいた。
「いやっほー!!気持ちいいいねえええ!!山頂から打ち上げるロケットほどストレス発散のことはないよお?」
「おい爆恋!!万が一怪我人でも発生すれば退学どころじゃ済まねえぞ!!その辺本当に心得てんのか!?」
「分かっていますよ美咲さん、だからあなたに監視してもらっているではありませんか。
私が人に武器を撃つことはありませんよ。みんなビビって恐れてるだけなんですから。私の計算力を侮らないでください。」
極道美咲に監視されている女子、メガネをかけ、紅白の髪型をしたその名も「爆恋 武姫」
彼女の実験に失敗を恐れていない。故に、計算された彼女の頭脳は人に危害を及ぼすことはない。
ただし、美咲でさえ警戒する彼女に、安全という言葉はない。




