553.調味料をひと工夫
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書籍『享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも気にしない、スキルだけで無双します〜』第3巻。
コミック『享年82歳の異世界転生!?〜ハズレ属性でも、スキルだけで無双します〜 』第3巻。
WEB版に、多少加筆もしてますので、ぜひ!!
「で、ひと工夫って何を工夫するんです?」
興味津々に私の手元を覗き込んできたベン。
「調味料とかをね〜」
「BBQは焼肉のタレでしょう?」
「そうなんだけどねー。まぁ、ちょっと見てて」
と、言いながら、私は必要な物をパントリーへ取りに行き取ってきた。そして作業台へと並べたのはメソ、セウユ、砂糖、チリペッパー、リモン。そしてストレージから取り出した青唐辛子。
「えーと、これは? 何ですか」
「これは青唐辛子。こっちのチリペッパーはこの青唐辛子を完熟させて、乾燥させて粉末にしたものなの」
「初めて見たんですけど、どこで手に入れたんです?」
「貰ったの。エルファの宰相様から」
「「「は?」」」
三人が首を傾げるのもしょうがない。エルファ国の宰相様であるクルゴン公爵の激辛好きなのは、私も四大精霊王をお呼びしたガーデンパーティーで知ったことだから。
「じゃあ、まずはリモン胡椒を作ろう」
「リモン胡椒? 胡椒とリモン果汁を混ぜるんすか?」
「それはそれで、美味しいと思うんだけど……。今回はこの青唐辛子を使うの」
リモン胡椒は使ったことがないけれど、前世で柚子胡椒を手作りしたことがあるから大丈夫……なはず。
「ベンは、リモンを粗めの塩で表面を擦って。その後に、洗ったら水分をしっかり拭き取って、皮を剥いでね。あっ、皮の白い部分は苦味があるから表面だけね」
「了解っす」
「アーサーは、青唐辛子の下準備をお願い。洗ってへたを切り落としたら、半分に切って包丁でそぐようにして種を取り除いて」
下準備の間に、簡単に出来るコチュジャンもどきを作っておこう。
「ケンさん。メソ、セウユ、砂糖、チリペッパーを混ぜて欲しいの」
「比率は?」
「三:一:一:一で」
「わかった」
その間に、私はおつまみでも作っておこうかな。今回は、修学旅行の途中で買った東の国の魚介類を使おう。
「えーと……あった」
ストレージから出したのはツヴェルク国で見つけて、衝動買いした鋳鉄製の厚手の鍋。これが、また優れものだった。見た感じ前世のキャンプで見かけるような、ダッチオーブンだけど蓋がなんとフライパンとしても使えるのだ。だから、野営にはうってつけ。
そんな鍋に入れるのは、大量の油にガーニック。弱火で加熱し、香りがしてきたら東の国で仕入れたエビとアサリ、昨日ベルを送って行った時にもらったバースト産のトメット、それからアニア国で仕入れたキノコ類を入れていく。材料に火が通ったら、塩と胡椒で味付けて出来上がり。
「うわ〜、めちゃめちゃ良い匂いなんすけど」
「何ですか、それ?」
「これは、アヒージョっていうの」
「絶対、酒進むやつですよね?」
「もちろん!」
と、言いながらみんなにサムズアップをする。
「あ、リモンも青唐辛子も出来ましたよ」
「ありがとう。じゃあ、ここに入れて」
「フードプロセッサーって本当に便利っすよね」
以前、スティーブさんにお願いしたブレンダーは、小型化するのが難しいということで据え置きタイプのフードプロセッサーに変更になった。アタッチメントを変更でき、野菜の微塵切りなどの刻むだけではなく、混ぜたり捏ねたり出来るようになった。魔石を使っているから誰でも簡単に使えるということで、家庭用はもちろん飲食店や宿屋からの注文も入っているらしい。その中でも一番の発注数だったのは王宮だったらしい。今では王宮の厨房だけではなく、各騎士団寮にも置いてあるそうだ。
「リモンとリモン果汁、青唐辛子、それと塩を入れてポチッとな」
ウィーンとフードプロセッサーが稼働して、リモンと青唐辛子が細かく混ざっていく。あっという間に、出来上がったリモン胡椒。
「じゃあ、味見してみよう」
「「「待ってました!」」」
アーサーが味見のためにジェットブルを焼いていく。リモン胡椒の味見には塩で味付けた肉を、コチュジャンの味見には焼肉のタレで味付けてもらった。
「うっま! 焼肉のタレにコチュジャン、合う!!」
「タレの甘さにコチュジャン辛さがいい!」
「こっちはリモン胡椒をのせるだけで爽やかだ。さっぱり感でいくらでも食べれそうだ」
「んー、やっぱりどっちも美味しい!」
追加の調味料も出来たし、あとは何しようかな




