193.ロシアンルーレット
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ダイニングで皆んなを待っていると、腹減った〜というジーン兄様の声が聞こえ扉が開く。
「早いな、ジョー。お腹空いてんの?」
「ジーン兄様と一緒にしないで。ランチを作ったから、皆んなの反応が見たくて早く来てたの!」
「へぇ〜、ジョーのランチか。久々だな〜。」
「ちょっと変わったランチなんで、楽しみにしてて下さいね。」
ノエル兄様達と話していると
「おっ、なんだ皆んな早いな。」
「あら?皆んな腹ペコなのかしら?」
「「ペコペコなの〜?」」
お父様たちがやって来る。
「そうだよ〜、ペコペコだから。フーとライを食べちゃおうかな〜。」
「「いや〜、ジー兄様に食べられる〜。」」
「ほら、早く席につけば大丈夫よ。」
お母様の誘導で、フーゴとライラはバタバタと席へつく。
「ふふふっ、フーちゃんライちゃん危なかったね〜。えーっと、今日は春のパン祭りです。」
「「「「パン祭り?」」」」
「「パーン、パーン、パーン……。」」
「こら、フーにライ、テーブルを叩かない!」
「「ごめんなしゃい。」」
パンコールをしてお母様に怒られ、シュンとする双子ちゃんが可愛すぎる。
「まず、スープはミネストローネ。トメット味の具沢山野菜スープです。」
サラとナンシーが給仕をしてくれる。
「そして、こちらがランチです。」
そう言って、ストレージからカレーパン、あんぱん、クリームパン、、ソーセージパン、コーモロコシマヨネーズ(コーンマヨネーズ)、ベーコンチーズを出す。ちなみに全て、半分にカットしてある。じゃないと色々な種類食べれないからね。
「「「は?」」」
「まあ。」
「「わぁ、パンいっぱーーい。」」
パンの説明を終え、皆んなでいただきますをして食べ始める。
「うっま!!このカレーパン外がカリカリしてて…うわ、チーズも入ってるよ。ヤバいな。」
ジーン兄様はカレーパン。
「うんうん、美味しいよ。コーモロコシとマヨネーズって合うんだねー。マヨネーズがちょっと焦げてるのが良いよ。やっぱりマヨネーズ最高だね。」
マヨネーズを知ってハマった、ノエル兄様は今や完全なマヨラー。
「ソーセージパンのこの赤いソースはなんだ?美味すぎるだろ。」
「お父様、それはケチャップと言ってトメットやタマオンで作った前世のソースです。ちなみに、こんな物も作りました。」
そう言って、ストレージから一口サイズのアメリカンドッグを出す。カレーパンを揚げるついでに一緒に作ったものだ。
「これはアメリカンドッグと言います。前世では、もっと大きくて串に刺してあったので食べ歩く人もいました。」
「あら、美味しいわ。確かに串に刺して食べ歩きに良いわね。商会で取り扱おうかしら?……ジョアン、コレの材料は?」
「え?あっ、ソーセージ、薄力粉、牛乳、砂糖、卵、重曹……ですけど。」
「重曹って、掃除などに使う物じゃなかったかしら?」
「はい、掃除でも使います。あっ、今回使っているのはちゃんとサーチして食用の使ってますよ。」
「そうなのね。ふふふ、大丈夫よ。ジョアンの料理は、信用しているから。……それに、多少の毒ならフーゴ、ライラ以外大丈夫だしね。」
「え?どういうことですか?」
「あら?ジョアンには、言ってなかったかしら?貴族の子息令嬢はね、小さい頃からあらゆる毒に耐性を持たせるために、少量の毒を食事やお茶に入れて毒慣らしをするのよ。」
「へっ?毒慣らし?私も?」
「ええ、あなたもよ。あなたが作らなかった料理には、入っていたわよ。もちろんグレイのお茶もね。あー、でもカレーに入れたことあったわ。アレは良いわね。入れてもスパイスの味でわからないから。」
「知らなかった……。」
『そうなの?ジョアン、もう10種類ぐらい耐性できてるよ?』
「えっ?10種類……ってか、パール知ってたの?」
『うん、臭いが違ったもん。でも、ママさんから内緒ねって言われてたから内緒にしてたの。』
おふっ……。
拝啓、前世の家族の皆様。
私は転生後、いつの間にか毒に強い人間になってました……。
子供に毒盛るって……恐るべし貴族家庭。
「んーーーー。」
「どうしたジーン!」
顔を真っ赤にし苦しみだしたジーンを見て、スタンリーが声をかける。
「……辛ーーーー!!水、水、水ーー!!」
「「「は?」」」「あっ。」
スタンリー、ノエル、マーガレットは呆気に取られ、ジョアンはしまったという顔をする。
「ハァハァ……ジョー、このカレーパンだけ無茶苦茶辛いんだけど?」
「あー……ちょっとしたイタズラ?」
「ジョー、説明!」
「喜んで!」
ノエルに説明を強く求められて、咄嗟に居酒屋のような返事をするジョアン。そして、正座をし説明をさせられる。
「えっと、前世ではロシアンルーレットといって、どれか1つだけハズレを入れるゲームがあるんです。今回は激辛カレーパンでしたけど、ジュースの1つが凄く酸っぱいとか。」
「で、なんで今日やったの?」
「……面白いかなって思って?てへっ?」
首を傾げて可愛く見せるが、そんなことでノエルは騙せなかった。
「てへ?じゃない!!と言うか、コレ半分にカットされてるよね?もう半分も、このお皿の中にあるの?」
「えっと……。」
『この部屋の中には、ないよ〜。』
パール、なんて偉い子なの〜。危うく、正直に言いかけたわ……。
「で、このパン祭りは使用人も?」
「はい、お父様。あと、私兵団もです。」
「クッククク……誰に当たるか楽しみだな。」
「うふふふ。でしょ?ちなみにもう1個作ってるので、残り3個です。」
「ジョー?どれか1つだけって言わなかった?」
「あっ……。」
『ジョアンのおバカ。』
結局、自白にしたことにより、ノエルにまた怒られていた。そのジョアンを呆れながらも見ているスタンリー、マーガレット、ジーン。
そんな中双子ちゃんは、我関せずと顔中クリームまみれにしてクリームパンを両手に持って頬張って食べていた。パールにきれいに舐められるのは、このあとしばらくたってから。
ちなみに、ロシアンルーレットに当たったのは、ベン、エル、マーティン。
ジョアンは、ジーンとその3人に謝罪とお詫びに、カスタードと生クリームのダブルクリームのシュークリームをプレゼントした。それを知った双子ちゃんにも強請られ、2人に甘いジョアンは結局あげることに……。そして、またパールに顔を舐められキャッキャ笑うフーゴとライラがいた。




