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罪は燃えても灰となる。  作者: 今、この時を楽しむ。
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4 -仲間-

アルディア王国の王都「ルクスフィール」

ついた時にはまるでお祭りのようになっていた。

魔王討伐に向けて勇者の子が動き始めた。

そんな噂が広まり、人々は噂をつまみに酒を飲み、歌い、大いに盛り上がっていた。


そんな人々をみて、カノンは複雑な気持ちだった。

何も知らない人々は期待と希望で優しく接してくれる。

でもいつかまた、冷たい目で俺を見てくる。


「ミオを返せ!何が勇者の子供だ!まるで魔王じゃないか!」


ミオの父親に言われた言葉を思い出す。

皆が期待してくるほど、気持ちが冷めていく。

まるで、心の中に何かが巣食っているように。


村を出発する前の夜。

父エルドは珍しく酒を飲んでいた。

明かりの少ない部屋、母セレナの姿はない。


「・・・座れ。」


元勇者とは思えない顔のエルド。

その姿は、ただの疲れた父親の顔だった。

カノンは黙って向かいに座る。


「お前は、まだ夢を見るか?」


カノンは答える。


「・・・。黒い城と、赤い空。」

「黒い玉座、白い剣、か?」


おもむろにエルドは腰の短剣を抜き、こちらに見せる。

白い刃は夢にでる剣と同じ色だった。

そして、ゆっくりとエルドは話し始めた。


「昔、一度お前を殺そうとしたことがある。お前が三歳の時だ。」


カノンは息が詰まる。

血の気が引いていくのを感じた。


「眠っているお前に、この短剣を突き刺そうとした。」


そういって、短剣を握りしめた。


「でもな、その時は出来なかった。お前が、笑ったんだよ。無邪気な顔でな・・・」


握っていた短剣を腰の鞘に差しなおし、エルドは酒を飲みほした。

カノンは問いかける。


「俺は・・・・おれは一体、何なの、父さん・・・」


その言葉を聞いて、疲れた顔の父が優しく笑った。


「お前は、勇者のエルドと優しいセレナの息子。大事な俺たちの子のカノンだ。」


その言葉は、赤黒く染まりそうな心に沁み込んでいった。


★ ★ ★


王都ルクスフィールについて、王に謁見した。

今回の魔王討伐は王国騎士団と王国魔法団、教会から聖女を選出したのだという。

謁見が終わり、選出された魔王討伐パーティとの顔合わせが始まった。

王国騎士団からは二名、男騎士のセイン・アルバストと女騎士クラリス・ソノメシア。

王国魔法団からは男魔導士レオハルト・ムラビ。

そして、教会聖女のフィナ・ミカソフィア。

広い食堂で顔を合わせるなり、クラリスは開口一番、カノンに言い放った。


「王国騎士団のクラリス・ソノメシアだ。私は最初から勇者の息子だからといって信頼はしない。

 ・・・だが、騎士として民の為に戦う姿勢は認める。王国の未来のために、民を守るために剣をふるおう。」

「クラリスちゃん真面目~。俺こんなブラックな職場になるとか聞いてなかったのにさ~?

 そうでしょ?勇者パーティとか絶対忙しいじゃん。。」


レオハルトは軽口をたたきつつ、クラリスに近づいて行ったがその後頭を思いきり叩かれていた。


「・・・セイン・アルバストだ。王都ルクスフィール貴族・アルバスト男爵家の長男で王国騎士団に所属している。今回の魔王討伐に選出されたこと誇りに思うよ、よろしく。」

「あぁ、カノンだ。カノン・アシュレイ。」


差し出された手を握り、しっかりと握手する。


そんな中、聖女が近付いてきて顔を俺の服に近づけた。


「カノンさん、変なにおいがする。」


失礼な、風呂も入ってるし服もさっき王から礼服をもらったばかりの物なのに。


「まるで、焼焦げた木みたいな・・?」


心臓が跳ねた。

昔の記憶なのに、鮮明によみがえる。

ミオの最後、大きな黒狼、焼焦げた木々・・・

心が赤黒く染まりかけた時、レオハルトが口を開いた。


「お前もしかして・・・」


やめろ。怒鳴り、叫ぶミオの父親の声が頭に響く。

「ミオを返せ!何が勇者の子供だ!まるで魔王じゃないか!」

魔王なんかじゃない、俺は勇者エルドと優しいセレナのただのカノンだ。


「火魔法でもぶっ放してきたか?奇遇だな~。俺も火は得意だぜ!よろしくな、俺はレオハルト・ムラビ!天才魔術師だ!」


どうやら余計な心配だったようだ。

軽い態度に、心の赤黒さが引いていく。

そうして、魔王討伐パーティは話をしながら食事を楽しんでいくのであった。


(追記)

クラリスやセインの会話を少し変えました。


(追記2)

前話に差し込んだ関係上、一話ずつずれていっています。

内容はほぼ変わりありません。



続きが気になる、更新されたらまた見たい!

そう思ってもらえるように気ままに書き綴っていきます。

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