外1 買い物
えっと、外伝作ってみました。
これは読み飛ばしてもらっても本編には支障ありません。
では、平凡な一日をどうぞ。
サイキは布団に包まり、くかーっと寝息を立てていた。
いつもなら、もう起きなければいけない時間なのだが、昨日の疲れが残っているのかまだ起きる気配は無い。
ふと、扉が開いて小柄な影が入ってきた。木枠をきしませつつ窓を開く音がする。
影はサイキのすぐ横にひざをつき、てをんおばすと彼の体を揺さぶった。
「・・う~~・・・もう少し・・」
サイキはのろのろと手をのばすと、相手を布団の中に引きずり込んだ。
「きゃあ!」
軽い悲鳴が上がった。それをサイキは、半分以上寝ぼけた頭で聞き流す。
布団の中から必死で這い出た少女は、顔を赤くしながら何度か深呼吸した。
「サイキさん、朝なんですけど・・・」
更に揺さぶられて、サイキは仕方なく目を開けた。そして、自分を起こしに来た人影をぼけっと見上げた彼は、一瞬の空白の後、突然目を開くとがばりと跳ね起きた。
「わあぁぁぁっ!」
そして、文字どうり飛び起きた。
「おはようございます」
にっこり微笑まれて、サイキはばくばくと全力疾走している心臓をなだめつつぼやいた。
「・・シャルが起こしてくれ無くてもいいのに・・」
よく見ると彼女も顔が少し赤い。記憶をよみがえらせるとサイキは平に平伏した。
「ごっ、ごめん」
「いえ、大丈夫です。それに私は居候させてもらってる身ですから、家事くらい手伝わないと」
「いや、そうじゃなくて・・・いえ、いいです」
俺を起こすのは家事なのかと疑問に思ったが、サイキはため息混じりに降参した。
シャルは昨日いろいろ訳あってであった少女だ。泊まるところが無いのでサイキの家に居候している。
「えっと、わたし下に行って朝食の準備してますね、準備終わったら来て下さい」
といってとてとてと部屋を出て行った。
彼女は結構気が利いてかわいい、いやいやとにかく、気が利くのだ。
そう無理やり思考をそらした、しかし
目をあけたらシャルがいる、という状況は、まだ心構えができていないので非常に心臓に悪い。
とりあえず準備をしながら、今日の予定を思いだした。
今日はシャルの買い物に付き合う予定だった。別に軽装でいいだろうと思い、準備を整える。
そして、階段を下りていくともう朝食はできているらしく、シャルとシルラが何かを話していた。
シルラはサイキの従妹で同じ家に住んでいる。
彼女はサイキを見つけると、にやにや笑いながら話しかけてきた。
「おっはよー、どうだった?寝起きシャルは」
お前の仕業か、と思ったが声には出さない。適当な返答をしつつ、椅子に座り朝食をとった。
そして、食事後のドリンクを飲んでいたときにシルラが言った。
「今日は、ニムもカイツも来れないって。ニムはギルドの書類があるらしくて、カイツはギルド初の仕事を選ぶからーだそうよ。というわけで、サイキ。あなたは付き合いなさいよ」
有無を言わせぬ口調だった。ニムはともかく、カイツは裏切ったな。昨日前々から行きたいクエは決まってたとか行ってたくせに・・。
とはいえ、逃げ出せる雰囲気ではないのでサイキは今日2度目の降参をする。
「わかったよ、荷物もちになればいいんだろ・・・・」
結局はこうゆうことだ、女子の買い物に男子が付き合わされるときはこの理由くらいしかない。
シルラはそれでよしと満足そうに言っていた、やっぱりそうだったか・・・
気持ちを切り替え、サイキは昨日から思っていたことをシャルに言った。
「シャル、俺には敬語は使わなくていい。敬語使われるとなんか距離感あるきがして・・」
シャルは驚いたようだったが、
「分かり・・・分かった、サイキ・・」
としどろもどろになりながらも答えた。自分たちに敬語を使っているのではなく、もとから敬語で話してたので、言いにくいようだった。
「無理はしなくてもいいから、そこんところ意識しといてくれ」
「おー、少年少女の若き青春の一ページみたいですなー」
と、シルラが野次を入れる。
「「ちがうっっっ」」
つい、シャルとハモってしまった。そういえばシャルはシルラに対しては普通に話してるみたいだけど。
女の子同士理解しやすいのかななどと考えていると、ニヤニヤ笑いつつシルラが元気よく言った。
「じゃあ、行きましょっか!」
買い物は生活用品から始まった。初めからシャルの服を見るのかと思っていたが、違うようだ。女心はよっくとわからない。
これは特に時間がかかることも無く、早く終わった。早くと言っても、いつもの買い物に比べればだ。
もう時間は、お昼を過ぎている。今の時点ではまだ片手に荷物が下がってるくらいだ。
一通り見終わった後、シルラが言った。
「そろそろおなかも空いてきたし、お昼にしよっか」
と言って、すたすたと道を進んでいく。そしてある店の前で止まった。
シルラが止まった店は結構、いやかなり値が張るお店で、このごろうわさになっている店だ。
そこに戸惑いも無く、入っていく。シャルは何も知らないようで、シルラの後についていった。
サイキは大丈夫なのか?と思いつつも2人の後についていった。
店の中は結構広く見た目も悪くない評判どうりの店だった。シルラは1つのテーブルを見つけると、2人を呼んで座った。ここでサイキは疑問をぶつける。
「大丈夫なのか?ここ結構高いと思うんだが・・・」
「大丈夫よ、何でも頼んで頂戴」
「なら、いいんだが」
「お代はサイキ持ちだし」
「なっ!?」
「当然でしょ~、それともあんたは女の子に飯おごらせるのかな~~?」
どさっ・・・ダメだ、女に口では勝てない・・・・・
その様子を楽しげに見ていたシャルはひとつの料理を指差した。
「じゃあ、これにします」
ぐはっっ・・・よりによってシャルが選んだのはこの店で一番高い料理だった。これを悪意無くやってるのだとしたら、今一番怖いのはシャルなのではないか・・・・
俺がつぶれてるうちに料理が来たようだ、その品ぞろえを見てもう一度脱力した。そのまま思考は停止した。
「ほら、行くわよーーー」
シルラに叩かれて目が覚めた。俺は泣く泣くお代を払い店を後にした。出た後にシャルがご馳走様でした。と律儀に言ってきた。ああ、なんていい子なんだ。これで、もうすこし安いものを頼んでくれたらなぁ・・・・
そして買い物が再開した。午後はメインのシャルの服選びになるようだ。
一通り服屋を見終わった後、シルラはひとつの店にシャルをひっぱって入っていった。サイキも入ろうとしたが、シルラに
「あんたはここで待ってなさい、きちんと待ってたらいいもん見せてあげるから」
といわれ追い出されてしまった。疑問に思いつつもサイキは待つことにした。
しかし、問題はその待ち時間の長さだった。とにかく長い、実際は30分くらいだろうがサイキには3時間にも感じた。
することも無くなり、ついには魔法のスペル詠唱でもしようか、と考えたところでシルラが出てきた。
「できたよー」
と言ってサイキを引っ張っていく。
訳も分からずされるがままになっていると、ひとつの更衣室の前に立たされた。
「それでは、ご対面で~す」
と言って更衣室のカーテンを引く。そこには着替えたシャルがいた。
「サイキ、どうかな・・似合うかな?」
シャルが着ていたのは半袖のホワイト・ブラウス。その下はライトグレーのタンクトップでスカートは上と同様ライトグレーのティアードスカートという組み合わせだった。
「えっと、かわいいからいいと思うけど・・・・・」
率直な感想を述べるとうれしかったようだ、シャルはてへへと笑いながら自分の姿を鏡で見ている。
「じゃあ、これ買おうかな・・・」
という流れで、シャルの服選びは終わった。さっきからシルラはニヤニヤしていたが。
その後いろいろ買った結果、両手でギリギリ抱え切れるくらいの荷物になった。
やっぱりこうなるのか・・・・・・
どうでしたでしょうか?
感想・アドバイス等何かありましたらよろしくお願いします。




